テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
そこまで言った宇佐美の瞳には涙が浮かんでいる。
俺は、宇佐美にそんなことを言わせている自分を殴りたい衝動に駆られた。
「ち、違っ…いや、言ったのは本当だけど、それは誤解で…!」
「…先輩、ウソ、つかなくていいんです。めんどくさいですよね、僕のことを好きな演技するの……」
「違うって……!」
だけど、目の前の宇佐美は俯いたまま唇を噛み締めて、まるで泣くのを我慢しているようで胸がズキズキと痛む。
でもきっと、痛いのは宇佐美の方だ。
「俺は本当に……宇佐美のことを大切に思ってるから…あれは、なんていうか…その場の空気っていうか…っ」
言い訳がましくなるほど胸が苦しくなる。
それでも言わなければならなかった。
「いいですって…ヤ、ヤったら、終わりなんですよね、?僕なんか…始め、っ、から……オモチャみたい、な目的、で…」
宇佐美の肩が小刻みに震えて、声も裏返っている。
張り詰めた空気の中、焦りで自身の重い鼓動だけがやけに大きく響く。
違う、ヤって終わりなんてしない。
したくない。
捨てる気なんて無いし、そんな、泣かせたかったわけじゃない。
違う、何もかも違う。
「違うんだって…!俺、あいつらとはもう縁切るつもりで…!!」
膝の上で震える宇佐美の細い指を握ろうとしたそのとき
パチン────っと手の甲を払われ、乾いた音が公園の静寂を切り裂いた。
そこで初めて、宇佐美に拒絶されたことが分かった。
「うさ、み……?」
「…せんぱい、のこと…信じたい、けど、もうっ……先輩の発言、なにが…本当のことなのか、わかんないんです…っ、ひっ、ぐ……」
その言葉が、酷く胸に刺さって抜けない。
今までそうやって生きてきたから、大切なときに、1番信じて欲しい人に、信じてもらえないんだ。
「……っ」
「…さっき、奢ってくれたのも全部ヤって捨てる、ためですか?ホテル連れていくつもりでしたか」
「…違うんだよ……そんなつもりでしたんじゃない」
「……信じられない、ですよ。もしかしたら…って思って、先輩のこと信じたかったですけど、優しいのも、これから切り捨てるからなのかなって…ぼく、不安で」
「…先輩に、オモチャって思われてたの…すごく傷ついたんです……っ、ただの玩具って、裏で言うとか…さすがに、最低すぎます…っ」
「…っ、」
もう、なんて言ったらいいのか、俺にはわからなかった。
違うって言ったって、もう既に宇佐美にはそうやって解釈されてしまっている。
いや、俺が保身に走ったせいで、こんな思いをさせてしまったんだ。
「…ごめん」
15
365
み お .