テラーノベル
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み お .
もはや俺には、どんな形であれ
宇佐美を傷つけてしまったこと、泣かせてしまったことをただ平謝りする術しか残されていなかった。
言葉を尽くせば尽くすほど、言い訳じみて聞こえる気がして、喉の奥が焼けつくように熱い。
「…うう…っ、ぅ、先輩なんか…っ、も、う…大嫌いです……っ」
湿った夕暮れの空気を引き裂くように放たれた拒絶の言葉。
それは目に見えない刃となって俺の鼓膜を貫き
胸の最深部を容赦なく抉り取った。
あまりの衝撃に、一瞬息の仕方を忘れる。
「宇佐美…っ!待っ───!」
反射的に伸ばした右手は、案の定、拒絶の壁に阻まれて虚空へと弾き飛ばされた。
「…さ、触らないでください…っ!!」
向けられたのは、まるで生理的な嫌悪感を催す汚物でも見るかのような冷徹な眼差し。
怯えと怒りが混ざり合ったその強い光に気圧され、俺の身体は不格好に硬直してしまう。
宇佐美は俺から一刻も早く距離を置くように、ベンチから勢いよく立ち上がった。
その拍子に、宇佐美が握りしめていたペットボトルが宙を舞い、俺の胸元に鈍い音を立ててぶつかる。
水滴を撒き散らしながら転がるボトルに気を取られた一瞬の隙に、背を向け、逃げるように走り去って行ってしまった。
遠ざかっていく小さな背中を見つめながら、そこでやっと、最悪の現実に気づかされる。
もう、触れることすら許されないのだ。
取り返しのつかないところまで来てしまった、既に手遅れなのだと。
すぐに宇佐美を追いかけようと、脳は命令を下していた。
なのに、スニーカーの底が地面に張り付いたかのように、足がすくんで一歩も動かない。
(……無理だ)
今追いかけて、力任せに引き留めたとしても、きっとまた宇佐美を泣かせるだけだ。
ただ怯えさせ、恐怖を植え付けるだけ。
他でもない俺が、宇佐美との時間を「玩具」だなんて
たとえ茅野たちの手前ついた嘘だとしても、口にしてしまったのだから。
これ以上近づいたら、宇佐美の心を粉々に叩き割ってしまう。
……いや、何言ってんだ、違うだろ。
俺は宇佐美を傷つけるのが怖いんじゃない。
これ以上、宇佐美に「嫌い」だと拒絶されるのが、ただ怖いだけなんじゃないか?
だって、嫌いなんて、うそだろ。
あんなに嬉しそうに俺の隣で笑っていた宇佐美が。
どこで間違えた。
どの分岐点なら引き返せた。
どうしたら許してもらえる。
どうしたら────
答えのない泥沼のような思考に溺れていた、その瞬間だった。
まるで俺の惨めな心を嘲笑するかのように
天を覆っていた鈍色の雲から、ポツリと冷たい雨粒が落ちてきて俺の額を濡らした。
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