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「こいつを知らないなんて云わねえよな」

「彼、此処で働いているよね?一寸話したいんだ」

まずい。この状況は最悪だ。誰も居ない今、何か云われたら全て一人で対応しなければならない。相談する人が居ない。

「あー、彼は外に出ていまして。今会うのは難しいかと」

と、曖昧な返事をした所で、私の携帯が鳴った。相手は、別の仲間–副所長と呼んでいる人–だった。

「あの、今忙しいんですけど」

口調が崩れないように、慎重に話す。意識しなければ、取り乱してしまいそうだ。

『まずい、今日の依頼全てが罠だった。他の奴等はマフィアに囲まれているそうだ。俺はなんとか隠れている』

「えっ!?」

思わず其処に居る二人を見れば、嗤っていた

本当は貴方が好きだけど

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