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『一等星』
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「ねぇ、もう辞めようよ。星見るの。」
「どうして?」
「私たちもう3年生なんだよ。」
「そうだね。」
「いつまでも星ばっかり見てないでさぁ……」
「べ、勉強しないと駄目だよ!」
「…………」
「みんな言ってるよ。先生も友達もアイルの家族も。」
「アイルの将来が心配だって、言ってたよ。」
「私本当はアイルの頭が良くて、真面目で、優しいの知ってるよ」
「…………」
「一緒に同じ高校行こうよ!」
「星より自分のこと考えてよ!」
「…………ルタ。私、辞めないよ。星、見るよ」
「……! あっそ!」
幼馴染のアイルは、小さい頃から星が好きだった。
朝も昼も夜も、常に星のことを考えながら空を見上げている。
だから成績は最悪。もうそろそろ受験だけど、果たして高校に行けるのか……。
きっと、私のことなんてちっとも考えてない。
6歳のころ私の「古田(フルタ)」という苗字からとってつけてくれた「ルタ」という名前を今でも使っているのが不思議なくらいだ。
昔は私だってアイルと星を見るのが好きで、よくアイルの家に泊まって屋根裏部屋の窓から星を眺めた。
今は、好きじゃない。”星”は。
今日言おうって決めていた。アイルと一緒に私の志望校に行きたいって。アイルにはちゃんと自分自身のこと考えてほしいって。
でも、伝わらなかった。
どうしようもなく、あの子は星が好きだった。
いつの間にか、私とあの子の距離は遠くなっていて。
私はあの子と友達だと思っていたけど、きっとあの子の友達は星だけなんだ。
「もう……辞めよう」
あの子と関わるのは、辞めよう。
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十年後
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「小暮研究員。ここのデータ資料ってあります?」
「ありますよ。右の棚に入ってます。 」
「ありがとうございます!」
「ふぅ……あ」
(今日は星、綺麗に見えそう)
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「……はぁ」
[「小暮アイル」。海外の名の知れた天文学研究組織に入っている日本人研究者。星に関する知識が豊富で、近年学校で使われるようになった顕微鏡の発明をしたのも─。]
「いつまでも星ばっかりみてないでさぁ……」
数年前、私はこんなことを言った気がする。
私はあの後志望校に落ちて、行きたくもない学校に入って、したくもない仕事について、そして今ため息をついていて。
……アイルは、私の言葉を無視して、星を見続けて……
目頭が熱くなってくる。
「なんであの子の方が、人生楽しんでるの……?」
もう何度思っただろう。
「私だって頑張って生きてきたのに、どうして報われないの……?」
一生懸命に鼻をすする。
高校に入って少し経ったころ。
半年以上話してなかったあの子から連絡が来た。
「私、まだ星見てるよ」
とだけ。
私は返せなかった。
あの子が周りから嫌われていても、私は変わらず接してあげた。
あのときも、あの子のためを思って、酷い言葉だと分かっていても、勇気を振り絞って言ってあげた。
なのに、この結果じゃあ私が約立たずみたいになるじゃない。
昼食時の暖かい、太陽が照らす公園のベンチに座った、私の掠れ声が小さく響く。
「……大嫌い……!」
好きだったけど。
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書いてみたけど下手すぎた。
これは自信ない作品。
ちなみに「アイル」と「ルタ」を合わせると「アルタイル」という星の名前になるんですねー!?
はい、見てくれてありがとうございました
ではー!