メインでイジメていた人らがコワくて、誰も何も言い出せなかったにしろ、クラス全員が助けもせず人ひとりを死に追いやったというのは、逃《のが》れようもない真実なのだから、
あたしは、罪を甘んじて被ることにした。
イジメられていたことと、イジメていたことが次々と暴露されると、七瀬リオは炎上をした。
「信じられない……あのリオちゃんが、イジメをしていたなんて」
「好きだったのにリオちゃん、イジメられてたのは確かにかわいそうだけど、自分もやってたんなら自業自得だし、ヒドいよね?」
「……だから、突然に引退とか言い出したんじゃないの? そういう事実から逃げるために」
「それって、最低じゃない?」
「ファンだったのに、そんなイタい人だったなんて、ホント信じられない」
世論は勝手にヒートアップをして、言いたい放題にリオを叩きまくった。
けど、今さらそんなことを言われたって、もうかまわなかった。
だってあたしは、七瀬リオを捨てるんだから。
イジメられてた事実もイジメてた事実も、あたしの中から消えることはないけれど、でも有名人じゃなくなってしまえば、過去をほじくり返されて痛めつけられるようなこともないんだから……。
これからは、あたしは、ただのあたしになって、生きていくの。
過去の、いろんなたくさんのこと、全部ひっくるめて、
あたしはあたしとして、生きていくだけだから。
だから、バイバイ
七瀬リオ
アイドルだった、あたし
偽りだらけだったけど、アイドルだった時間は、思い出してみれば楽しかったよ。
もう、戻ることはないかもしれないけれど、忘れられない3年間だった。
ありがとうね、リオ
じゃあね。バイバイ
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