「知ってるよ?」
僕はそりゃもう即答で正直に言った。夜桜さんに婚約者がいるのなんて知ってるし、夜桜さんの計画と言えるものなのかわからないが…まぁ、やりたいことも大体わかった。そして僕はそれを応援する。
「なんで知ってるのにいいよなんて言ったの?」
「真白は質問してばっかだなぁ」
「はぐらかさないで言ってよ」
「そりゃ、夜桜さんは…」
と、ここまで言って僕は止まった。何心の声が聞こえることを言おうとしてるんだろう。真白にのせられるところだった。
「どうしたの?」
「いや、なんでも」
危ない。本当に危なかった。さて、ここからどう真白の意識を告白から離すべきか…
「夜桜さんについては多分僕と付き合う気はないと思うよ」
「どういうこと?」
言い訳を考えなければ…
「僕にだってその気はないし、夜桜さんもきっと婚約者のことが好きだろうから」
正直にいう。ここはもう正直に言ったもの勝ちだ。
「え…?拓馬くんは夜桜さんのことをなんて思ってるの?遊ぼうなんて…」
「え?遊ぶってどういう」
どういうこと?と聞く前に真白は踵をかえした。鋭い声で
「最低っ…!」
走り出してしまった。僕はポカーンとして何も言葉を発することができなくなった。そして沸々と怒りも湧いた。何も知らない真白に好き勝手言われて…このまま勘違いされたままなんてごめんだ。僕は決意した…絶対に夜桜さん達をくっつけて真白の誤解を解いたあと、真白にどや顔で
「勘違いすんな!」
って言ってやる!
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