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ユナ @お嬢様化
44
るーぱ
249
まーや
354
「ハハハ! 苦しいかね? この花粉を吸った者は、1分と経たずに我がタンポポの肥やしとなるのだ!」
植物化した幹部が何本もの巨大な触手を振り回し、高笑いを上げる。
「くそっ……頭が、クラクラする……!」
別班の精鋭である黒須が膝をつき、意識を失いかけていた。太陽も夜桜の呼吸法で耐えているが、花粉の濃度が上がり続け、身動きが取れない。
その時、壁際にいた乃木の様子がおかしい。だが乃木の目が、ゆっくりと見開かれる。
「……おいおい憂助。ちょっと目を離した隙に、ずいぶん舐められた真似されてんじゃねえか」
声のトーンが、オクターブ下がる。
いつもの頼りないサラリーマンの気配は完全に消え失せ、底知れない狂気と殺気を孕んだ男――『F』が表に現れた。
「乃木……さん?」太陽がその変貌に目を見張る。
「おい、ガキ。お前、その呼吸法であと何分もつ?」Fは殺人花粉が充満する空気を、あえて深く吸い込みながら不敵に笑った。別班の限界を超えた肉体制御で、一時的に毒の回りを遅らせているのだ。「3分が限界です!」
「上等だ。……1分でぶち殺すぞ。俺の援護をしろ!」
Fは懐から2丁の拳銃を抜き放つと、花粉の霧の中へ躊躇なく突っ込んでいった。
「死に急ぐか、別班のネズミが!」
幹部が猛スピードで棘の生えた触手をFに叩きつける。普通の人間なら消し飛ぶ一撃。
だが、Fの動きは常軌を逸していた。
彼は触手のわずかな風圧を読み、肉体を紙一重で滑らせて回避。至近距離から、幹部の「目のレンズ」に向けて正確無比な連射を叩き込んだ。
バババババン!!
「グアッ!? 目が……!」
「太陽、今だ! 根っこを毟(むし)り取れ!」
Fの怒号が響く。
「了解――ッ!!」
太陽の全身の筋肉が爆発的に駆動する。Fが作った一瞬の隙を突き、太陽は幹部の懐へ弾丸のように飛び込んだ。
「夜桜式格闘術――『大桜(おおざくら)』!」
太陽の放った強烈なアッパーカットが、幹部の巨大な顎を捉えた。
ドゴォォォン!!とラボ全体が震えるほどの衝撃が走り、幹部の巨体が天井に向けて跳ね上がる。
「まだだ、終わらせねえよ!」
空中へ浮いた幹部を、Fが逃さない。Fは近くの実験台を蹴って跳躍すると、幹部の背後に回り込み、その自由を奪うように組み付いた。そのまま、幹部が持っていた「緑の注射器(高濃度ソメイニン)」を奪い取り、幹部自身の首筋へへ突き立てる!
「な、何を……!? 限界投与すれば、私は暴走して自滅――」
「ハッ、最初からそれが狙いだ。この世から消え失せろ、クソ植物が!」
Fは容赦なく中身をすべて注入し、空中で幹部を蹴り飛ばして着地した。
「ガ、ガァァァァッ!!」
過剰摂取(オーバードーズ)を起こした幹部の肉体が、内側から激しく発光し、急速に枯れ果てていく。殺人花粉を撒き散らしていた花も瞬時に萎み、ラボの空気は一気にクリアになった。
ドサリ、と干からびた肉体となって床に崩れ落ちる幹部。
その胸の金バッジから、ホログラムの立体映像が突如として照射された。
画面に映し出されたのは、不気味な狐のお面を被った、タンポポの「真の首魁(首領)」。
『……お見事です、別班。そして朝野太陽くん。まさか君までこの世界に転生していたとは、嬉しい誤算だ。日本の夜を統べる我が『タンポポ』は、すでに君たちの政府の『さらに上』に根を張っている。……次に会う時を楽しみにしているよ』
プツン、と映像が切れる。
「……チッ、大ボスのお出ましってわけか」
Fは吐き捨てると、すぐに意識が遠のき、その場に倒れ込んだ。
「乃木さん!」太陽が駆け寄る。乃木の肉体も、限界まで花粉を吸い込んだ反動で限界を迎えていた。
そこへ、上層階の制圧を終えた野崎とドラムが息を切らせて飛び込んできた。
「乃木! 黒須! ……おい太陽、何があった!?」
「敵の幹部は倒しました。でも……」
太陽は、倒れた乃木と黒須を抱えながら、冷や汗を流して天井を見上げた。
「奴らの根は、俺たちが思っているより、ずっと深くこの国に植え付けられているみたいです」タンポポ日本支部を壊滅させたものの、それは巨大な陰謀の、ほんの「一枝」に過ぎなかった。
コメント
3件
乃木さんの変貌ヤバすぎる…! あの頼りないサラリーマンから狂気の戦闘マシン「F」への切り替わりがマジで鳥肌立ったよ😭💕 太陽とのコンビプレー、息ピッタリすぎて「2匹の狂犬」ってタイトルに完全に納得! でも倒した幹部からのメッセージ…まさかの大ボス登場で続きが気になりすぎるんだけど!? 早く次話読みたいよぉ〜!!🌸