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めちゃめちゃ寒くないですか?
ということでwki×mtk
「うあーさむっ…」
「風邪ひかないでよ?」
ここ数日急に冷え込んで、今日は涼しいというよりもはや寒い。気温を調べずに先日までと同じ感じで服を選んだことを後悔した。
仕事終わり、若井の家に直行した。一足先に帰宅していた若井は、何も言わずに来た僕に驚きつつも暖かく迎え入れてくれた。
「これ着とけば?寒いでしょそれ」
寒がる様子を見かねて、ソファにどかっと座り込んだ僕の肩にパーカーがかけられる。…若井の匂いがする。本人にはバレないように息を大きく吸い込んだ。はぁ…落ち着く。
「ありがと」
「いいえー」
隣に座ってくれるのを待っていたら、若井はどこかへ行ってしまった。せっかく若井の家来たのに一人なのやだよー。なんだか一人になりたくなくてここに来たのだ。
かと思えば数分後、カップを二つ手にして戻ってきた。
「ココア飲む?」
「うん」
「牛乳でつくったから美味しいよ」
「やった」
マグカップを受け取って、ふーふーと冷ましながら飲む。
あたたかさと甘さに、心が解けていくような気がする。次第に身体の中からぽかぽかしてきた。
「かわいい」
僕の手元をじっと見ていたかと思えばそんなことを呟いた。若井のパーカーは僕には大きくて、萌え袖のようになっている。そんな手でカップを両手だ持っていたもんだから可愛かった、と冷静に解説する若井。どんな顔をしていいか分からなくなって黙り込んでしまう。
寒さのせいだろうか。静寂がほんとうに静かで、部屋にはココアを啜る音だけが響いている。
ちょうど飲み終わるくらいのタイミングで若井がこちらを向いて、目が合う。
急に何…?そんなに見つめないでよ…
「元貴、もっと近くいってもいい?」
そんなこといちいち確認しなくてもいいのにと思いつつ、僕の嫌がることは絶対しないという意思を感じられて嬉しい。
「聞かないでよ」
身体が密着するくらい近く横に移動して、若井の胸に顔を埋める。若井の匂いと体温が心地よい。心臓の鼓動も聞こえる。
「元貴あったかくなった?」
「…うん」
「よかった。俺も」
「でもまだ離れたくないから寒いって嘘ついちゃおうかなあー」
耳元で小声で囁かれる。背中に腕が回されて、ぎゅっと抱きしめられる。
バレないようにひっそりとSNSを更新する。肌寒い季節は無意識のうちに距離が近くなるからいいよね。言葉にするのがちょっとだけ苦手な僕にピッタリ。
若井の愛は普段から十分すぎるくらい伝わっている。
どうか、僕の”すき”も伝わりますように。
夏大好きな私的には肌寒いのを喜んでいる彼にまったく賛同はできませんが、寒いと人肌は恋しくなるよねって話でした