テラーノベル
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“無視するのが一番”
“気にしても仕方がない”
“有名税”
だけど僕だって一人の人間
否定的な意見は気になるし
そういうSNSの投稿もつい見てしまう
(あ・・・やばい。)
久しぶりの過呼吸。
息の仕方がわからない
ゆっくりと意識が遠くなる
(このまま・・・。)
楽になるならそれでいいかもしれない・・・なんて
「涼ちゃん?!」
元貴の声が遠くに聞こえた
「げほっ、げほっ。」
意識が引き上げられた。
「涼ちゃん、大丈夫?!」
気づいた時ソファーに寝ており、横には元貴が不安そうな表情で僕を覗き込んでいた。
「・・・元貴・・・。」
「大丈夫?!」
「うん 。久しぶりにやっちゃった。本当、ダメダメだね、僕は・・・。」
冗談っぽく苦笑いして言えば、元貴の顔が徐々に怒りに満ちていく。
あ、これ地雷踏んだっぽい・・・
「元貴がいてくれてよかった。ありがとう。」
内心慌てながらも体がうまく動かなかったので、首だけ元貴の方に動かしてにっこり笑った。
「・・・涼ちゃん、分かってやってるね?」
「え?」
「涼ちゃんに笑顔で言われたら俺もう何も言えないじゃない。」
元貴はため息をついた。
「ねぇ、涼ちゃん。SNSを見るなとは言わないけど、アンチ数以上のファンが俺たちには居る。アンチの投稿を真に受けるっていうのは、そういうファンの応援を無視するってことだからね?」
「分かってる・・・。」
僕も分かってるつもりだけど、性格は簡単には変わらない。
「分かってないね。」
「・・・・。」
すると、元貴は僕の胸元に顔を寄せた。
過呼吸対処の為に広げていた襟
露になっていた胸の上部分に赤い跡を残す
「これで貴方は俺の所有物となりました。」
「へ?」
「これから涼ちゃんへのアンチは俺へのアンチと見なし厳重に対応します。」
「ちょ、ちょっと待って!反応してオオゴトにするのはチームとしてはよくないって元貴が言ったんじゃん!」
「だからって大切な仲間が苦しんでるのを平気で見てられるような人間じゃないのよ。」
「・・・・。」
「俺にオオゴトにされたくなかったら、過呼吸で倒れる前に俺のところに来て。俺のいないところで倒れたら、後悔するくらいオオゴトにするからね。」
後悔するくらいって・・・
元貴が言うとシャレにならないから怖い・・・
「ぜ、善処します・・・。」
胸:所有
コメント
2件
うぁぁぁ!😭めちゃくちゃ好きだぁ!!