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あてんしょん
ご本人様には関係ありません
なんか難しいこと書いてますが深いあれはないです
とてもとても短いし、なんかいろいろ独特です
終わり方がn番煎じ、ほんとに
[main]天の声
「sub」脅威
川は揺れ、木々は踊り、独りのベンチは立ち呆けて、 雨はそれらに歌っていた
視界は仄暗く、世界の彩度は低い
音は伽藍に、大地は哀音する
声は抵抗し、幾度となく風に攫われる
1歩、歩を進めると波紋が広がる、また1歩、1歩と歩けば、静寂していた水面からは焦りが見える
どこまでも続くこの道を、どれほど歩いたのか
[遠いな…..]
永い永い時間をかけて、ようやっと脳が自分というものを認識し、働き出したかと思えば、口から掠れるように音が漏れる。
他にも考えなければならないことはあるのに
ここは、おれは、どこだ、とおい、まって、おれも
意味の無い言葉の羅列は脳を巡り、掻き乱す
これはいつの記憶だろうか、考える余地もない
緑草は流れ、大樹は佇み、踊り狂う草花は愉しげに、快晴はそれらに柔らかな笑みを浮かべていた
視界は仄明るく、世界は色彩鮮やかで
音はカランドに、大地は和音する
声は従順に、風に乗り何処までも滑らかで
1歩、歩を進めると低草が座り込む、また1歩、1歩と歩けば、愉しげな草花は安らかに眠る
どこまでも続くこの道を、どれほど歩いたのか
[眠いな…..]
永い永い時間をかけて、ようやっと脳が自分というものを認識し、働き出したかと思えば、口から漏れた音が風に溶けていく。
他にもやらなければならないことはあるのに
おれは、なにを、ねむい、まにあえ、だれか、いるの
どうしようも無い言葉の羅列は脳を巡り、踏み荒らす
これはいつの記憶だろうか、考える余地もない
赤が流れ、人々は叫び、一本の矢は孤独に靡き、 天はそれらを見下ろしていた
視界は暗く、世界に色はない
音は幾重に、大地は悲観する
声は絶叫し、幾度となく吐き出された
1歩、歩を進めると瓦礫は砕ける、また1歩、1歩と歩けば、静止していた風は揺れ、嘆く
どこまでも続くこの道を、どれほど歩いたのか
[…..]
永い永い時間をかけて、ようやっと脳が自分というものを認識し、働き出したかと思えば、口からは息だけが零れた。
他にも吐きたい言葉はあったのに
ここを、たのむ、いたい、おねがい、おれは、おれは
行き場を失った言葉の羅列は脳を巡り、巡る
これはさっきの記憶だ、考えたくもない
静寂した世界に、いち、に、さん、し、そのうち数えられなくなった雨粒は、容赦なく体に打ち付けられ、徐々に体温を奪っていく。
やっと、終わったのだ
永きに渡る大戦争、新型の兵器に、敵陣の非人道的な戦略。物資も人員も全て動員する、あまりに惨い総力戦だった。
枯れ果てた喉からは、弱々しい息だけが浅くはやく漏れ続け、意識は朦朧としていく。
視界は段々と狭くなり、悪くなっていく一方だ。
全身を暴れ回る痛みも、落ち着くことを知らず、増すばかり。思わず今までの記憶を追憶する、俗に言う走馬灯と言うやつか、なかなかに派手な人生だった。
遠く、銃声が聞こえた。
遠く、爆破音が聞こえた。
遠く、叫び声が聞こえた。
遠く、藻掻く声が聞こえた。
すぐそば、泣き声が聞こえる
静寂した世界は、その者の縋るような呻き声によって、更に悲痛なものへと染め上げられていく。
大丈夫、大丈夫って、何度言っても、涙は止まらなかった。泣かないで、そんな顔せんで。
「..い、や…ッ..いやや..、ッッ..!」
「死んだらあかんッ..!」
腹部を貫いた、一振の剣。酷く熱がこもり、傷口が強く脈動する。避けられなかった、視界は悪いし、足元はふらつくし、地面は酷く荒れていた。最悪の状況だったのだ。畜生。
彼から溢れ出す涙は温かくて、自分を抱擁する彼の腕もまた、暖かかった。
[…せや..、なぁ…ぅん..、ぁあ…しにたないな…、おれ..]
自笑したくなるほど、情けなくて弱々しい声。
「死なへんッ..、お前は死んだりせぇへんッ、..!」
「..俺が死なせへんからぁッッ..!!」
[ほんま…ほんまか、..でも、..そうやな..、おまえの、..うでんなかでしねるなら、..ぇ、か…..]
「…ッ、な、なぁッ…なァッ..!こっちみぃや、ッ!!」
「..ロボロッッ..!!!」
声が遠いなぁ、それに眠たくなってきた
[…ぞむ、…..]
最後に振り絞った力で、ゾムの頬を撫でる
「..ロボロ…..」
あぁ、あたたかくて、きれいな声 。
海は波打ち、太陽は沈み、孤独の空は涙を流し、 鮮やかで眩いばかりの光は奪われつつあった
視界は暗く
音も聞こえない
声は出すことも儘ならなかった
1歩、歩を進めると深い海に沈む、音もなく、ただ静かに
底の見えない海、どれほど深くまで来たのだろう
[..ぁあ、…..]
永い永い時間をかけて、ようやっと脳が自分というものを認識し、働き出したかと思えば、口から掠れた声
_突然、失われたはずの眩い光、体を強く引かれるような感覚
あたたかい、これは、手だろうか。
___..ッ!__..ロボロ!!」
[…ぁれ…ぞ、む…?]
耳を劈く、俺の名前を呼ぶ声。
「ぁあぁぁッ..お、お、おき、起きた..っ…ロボロ、起きたぁ..っ..!」
彼の温かい涙が、頬にこぼれる
ぽた、ぽた。
[すま、…..]
[…しんぱい、かけた..]
「ほ、ほんまやぁッ…適当言いやがってぇっ..!」
ゾムがこれほど声を荒らげ、張り上げているのを聴いたのはいつぶりだろう。
すこし、頭が痛いなぁ
でも、それ以上に訪れる安心感と、心地よい手の温もり、もう二度と聴くことはできないと思っていたその声。
[あったかい..なぁ..]
「..ほ、ホンマに、よっ、..よかった..ッ…!」
[ぞむ…、]
未だ戻りきらない声の調子で、彼の名を呼ぶと、絞り出すように、少し静かに返事をされる
「なんや…」
[たすけてくれて、ほんまにありがとう..っ..]
「っ..あ、あ、当たり前やろ!お前の相棒なんやぞ!!」
[うん、っ..せやな..]
時は流れ、国民は微笑み、騒ぎ立てる幹部は愉快に、晴天はそれらを見守っていた
視界は明るく、世界は比較的安泰で
音はメロディーを、大地は合唱する
声は徐々に、風に乗り何処までも広がっていく
1歩、歩を進めると光が近くなっていく、また1歩、1歩と歩けば、光はどんどん増していく
どこまでも続いたこの道の、終点はここだ。
[ほな、お疲れさん!]
永い永い時間をかけて、やっと辿り着いた真新しい記憶。
〈Memories endless.〉