TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

Memories endless

一覧ページ

「Memories endless」のメインビジュアル

Memories endless

1 - 追憶

♥

400

2025年06月26日

シェアするシェアする
報告する

あてんしょん

ご本人様には関係ありません

なんか難しいこと書いてますが深いあれはないです

とてもとても短いし、なんかいろいろ独特です

終わり方がn番煎じ、ほんとに


[main]天の声

「sub」脅威









川は揺れ、木々は踊り、独りのベンチは立ち呆けて、 雨はそれらに歌っていた


視界は仄暗く、世界の彩度は低い


音は伽藍がらんに、大地は哀音する


声は抵抗し、幾度となく風に攫われる


1歩、歩を進めると波紋が広がる、また1歩、1歩と歩けば、静寂していた水面からは焦りが見える


どこまでも続くこの道を、どれほど歩いたのか


[遠いな…..]


永い永い時間をかけて、ようやっと脳が自分というものを認識し、働き出したかと思えば、口から掠れるように音が漏れる。

他にも考えなければならないことはあるのに


ここは、おれは、どこだ、とおい、まって、おれも


意味の無い言葉の羅列は脳を巡り、掻き乱す


これはいつの記憶だろうか、考える余地もない













緑草は流れ、大樹は佇み、踊り狂う草花は愉しげに、快晴はそれらに柔らかな笑みを浮かべていた


視界は仄明るく、世界は色彩鮮やかで


音はカランドに、大地は和音する


声は従順に、風に乗り何処までも滑らかで


1歩、歩を進めると低草が座り込む、また1歩、1歩と歩けば、愉しげな草花は安らかに眠る


どこまでも続くこの道を、どれほど歩いたのか


[眠いな…..]


永い永い時間をかけて、ようやっと脳が自分というものを認識し、働き出したかと思えば、口から漏れた音が風に溶けていく。

他にもやらなければならないことはあるのに


おれは、なにを、ねむい、まにあえ、だれか、いるの


どうしようも無い言葉の羅列は脳を巡り、踏み荒らす


これはいつの記憶だろうか、考える余地もない






赤が流れ、人々は叫び、一本の矢は孤独に靡き、 天はそれらを見下ろしていた


視界は暗く、世界に色はない


音は幾重に、大地は悲観する


声は絶叫し、幾度となく吐き出された


1歩、歩を進めると瓦礫は砕ける、また1歩、1歩と歩けば、静止していた風は揺れ、嘆く


どこまでも続くこの道を、どれほど歩いたのか


[…..]


永い永い時間をかけて、ようやっと脳が自分というものを認識し、働き出したかと思えば、口からは息だけが零れた。

他にも吐きたい言葉はあったのに


ここを、たのむ、いたい、おねがい、おれは、おれは


行き場を失った言葉の羅列は脳を巡り、巡る


これはさっきの記憶だ、考えたくもない









静寂した世界に、いち、に、さん、し、そのうち数えられなくなった雨粒は、容赦なく体に打ち付けられ、徐々に体温を奪っていく。


やっと、終わったのだ


永きに渡る大戦争、新型の兵器に、敵陣の非人道的な戦略。物資も人員も全て動員する、あまりに惨い総力戦だった。

枯れ果てた喉からは、弱々しい息だけが浅くはやく漏れ続け、意識は朦朧としていく。

視界は段々と狭くなり、悪くなっていく一方だ。

全身を暴れ回る痛みも、落ち着くことを知らず、増すばかり。思わず今までの記憶を追憶する、俗に言う走馬灯と言うやつか、なかなかに派手な人生だった。


遠く、銃声が聞こえた。

遠く、爆破音が聞こえた。

遠く、叫び声が聞こえた。

遠く、藻掻く声が聞こえた。


すぐそば、泣き声が聞こえる


静寂した世界は、その者の縋るような呻き声によって、更に悲痛なものへと染め上げられていく。


大丈夫、大丈夫って、何度言っても、涙は止まらなかった。泣かないで、そんな顔せんで。


「..い、や…ッ..いやや..、ッッ..!」

「死んだらあかんッ..!」


腹部を貫いた、一振のつるぎ。酷く熱がこもり、傷口が強く脈動する。避けられなかった、視界は悪いし、足元はふらつくし、地面は酷く荒れていた。最悪の状況だったのだ。畜生。


彼から溢れ出す涙は温かくて、自分を抱擁する彼の腕もまた、暖かかった。


[…せや..、なぁ…ぅん..、ぁあ…しにたないな…、おれ..]


自笑したくなるほど、情けなくて弱々しい声。


「死なへんッ..、お前は死んだりせぇへんッ、..!」

「..俺が死なせへんからぁッッ..!!」


[ほんま…ほんまか、..でも、..そうやな..、おまえの、..うでんなかでしねるなら、..ぇ、か…..]


「…ッ、な、なぁッ…なァッ..!こっちみぃや、ッ!!」

「..ロボロッッ..!!!」


声が遠いなぁ、それに眠たくなってきた


[…ぞむ、…..]


最後に振り絞った力で、ゾムの頬を撫でる


「..ロボロ…..」


あぁ、あたたかくて、きれいな声 。











海は波打ち、太陽は沈み、孤独の空は涙を流し、 鮮やかで眩いばかりの光は奪われつつあった


視界は暗く


音も聞こえない


声は出すことも儘ならなかった


1歩、歩を進めると深い海に沈む、音もなく、ただ静かに


底の見えない海、どれほど深くまで来たのだろう


[..ぁあ、…..]


永い永い時間をかけて、ようやっと脳が自分というものを認識し、働き出したかと思えば、口から掠れた声


_突然、失われたはずの眩い光、体を強く引かれるような感覚


あたたかい、これは、手だろうか。


___..ッ!__..ロボロ!!」


[…ぁれ…ぞ、む…?]


耳を劈く、俺の名前を呼ぶ声。



「ぁあぁぁッ..お、お、おき、起きた..っ…ロボロ、起きたぁ..っ..!」


彼の温かい涙が、頬にこぼれる


ぽた、ぽた。

[すま、…..]

[…しんぱい、かけた..]

「ほ、ほんまやぁッ…適当言いやがってぇっ..!」

ゾムがこれほど声を荒らげ、張り上げているのを聴いたのはいつぶりだろう。

すこし、頭が痛いなぁ

でも、それ以上に訪れる安心感と、心地よい手の温もり、もう二度と聴くことはできないと思っていたその声。

[あったかい..なぁ..]

「..ほ、ホンマに、よっ、..よかった..ッ…!」

[ぞむ…、]

未だ戻りきらない声の調子で、彼の名を呼ぶと、絞り出すように、少し静かに返事をされる

「なんや…」

[たすけてくれて、ほんまにありがとう..っ..]

「っ..あ、あ、当たり前やろ!お前の相棒なんやぞ!!」

[うん、っ..せやな..]





時は流れ、国民は微笑み、騒ぎ立てる幹部は愉快に、晴天はそれらを見守っていた


視界は明るく、世界は比較的安泰で


音はメロディーを、大地は合唱する


声は徐々に、風に乗り何処までも広がっていく


1歩、歩を進めると光が近くなっていく、また1歩、1歩と歩けば、光はどんどん増していく


どこまでも続いたこの道の、終点はここだ。


[ほな、お疲れさん!]


永い永い時間をかけて、やっと辿り着いた真新しい記憶。





〈Memories endless.〉

この作品はいかがでしたか?

400

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚