!アテンション!
攻🐉×受🔝の捏造まみれのジヨタプ小説。ご本人様たちとは全くの無関係。
ご都合主義の矛盾まみれ解釈違いもろもろですがたくさんの愛はある。
実は前作のコメントにて『嫉妬する🔝を見てみたい』といただいたので書いてみました。
が、思ったよりもうまく表現できず、全然その通りにいきませんでした。無念。
センシティブにしてますがぬるセンシティブです。
覚悟の上読んでくださる方はそのままお進みください…!
なんだか、最近、おかしい。
と、思い始めたのは3ヶ月くらい前。やっぱりおかしいよな?と疑いが濃くなったのが2か月前。確信したのが1か月前。
ジヨンが俺に冷たくなった。
厳密に言えば冷たくなった…というよりは、俺に構う時間が減ったと言った方が正しいかもしれない。彼と付き合い初めてもうすぐ3年、もちろん俺も好きだから付き合ってるわけだが、どちらかと言えば愛情表現が苦手な俺よりも、ジヨンの方が言葉にして想いを告げることの方が多かった。好きだ好きだと毎日のように伝えてくれるし、こんな大男のどこが?と思う俺を可愛いと褒めてくれて、素直じゃない性格をいつもしょーがないなと甘やかしてくれる。俺はというとそんな彼に表面上はハイハイと呆れたような顔をしつつ、なんだかんだ嬉しかった、のに。
最近つれない。
仕事が忙しいこともあるが、だからこそ時間が合うときは一緒にいたいのに、すれ違いばかり。
「…なあ、ジヨン」
「うん?なーに?」
こちらを見つめるジヨンの顔は至って普通。いやむしろ、みんながいるから露骨に出さないものの、俺にしか分からないような甘い雰囲気すら纏っている。のに。
「今日の夜、時間あるか?久しぶりにワインでもどうかな」
と、声をかけた途端。
「あー…」
彼の視線がスっと逸らされた。目を伏せ、困ったような顔をしている。
「……今日はごめん。先約があって」
なんだよそれ。最近そればっかじゃねーか。一体何回目?先約ってなに。俺より大切なの?
「……………そう、か」
久しぶりに時間が合うってのに。
「ごめんね、また今度」
またっていつだよ。
「ヨンベ」
「うん?」
出ていく彼の背中を見つめながら、近くにいたヨンベにこっそり声をかける。彼は唯一俺たちの関係を知っていた。
「なに?」
「ちょっと話したいことが……」
ごにょごにょと小さな声で言えば、察しのいい優しいヨンベは、喫煙所でいい?と周りの目を気にする必要のないところを提案してくれた。ゆっくりと頷くと、彼は小さく笑った。
「で、話って?」
タバコに火をつけ吐き出しながら彼が言う。ちりちりと燃えていく先端を見つめながら、なんだか最近の俺の心みたいだと思った。じわじわと燻って、徐々に焦がしていく。
「その…最近、ジヨンが……」
「………ジヨンが?」
「…俺に、冷たい……気がする」
「え?」
言っててなんだかいたたまれなくなった。でもどうにも一人で抱えるには重たくて、縋るように彼を見つめた。
「んー…具体的には?なんかされたの?」
「されたっていうか…誘っても、また今度ねってそればっかで…前までこんなことなかったんだけど」
「…そっかぁ」
「………俺、なんかしちゃったかな。もう、ジヨン…俺のことなんて……」
思わず声が詰まる。言葉にしたら、それこそ終わってしまう気がして、背後からだんだんと迫り来る莫大な不安が身体を包み込んでしまいそうな感覚に陥った。
「…まさか、あのジヨンに限って、そんなことないと思うよ?仮にそうだとしても、ちゃんと言葉にして言うんじゃないかな?」
優しいヨンベは、俺が言葉にできなかったことを一緒に言わないようにしてくれて、つい鼻の奥が痛くなる。これじゃどっちが年上かわからない。
「………そうか、な。」
「うん。ジヨンのこと、信じてみたら?」
そう言われてしまえば何も言えなくなってしまう。俺は小さく頷いて、落ちそうになった灰を灰皿に落とした。
そんな悶々とした日々を送る中、またしても会うチャンスを逃してしまった。彼のせいで。
『ごめん、明日はちょっと』
明日こそ、と誘ってみたが案の定。いつもと同じようなセリフで、いつもと同じような顔で、するりと躱されてしまった。ヨンベからジヨンを信じてみろと言われ自分なりに懸命にそうしようと試みていたが、ここまで続くとなんだか自信がなくなってくる。心がぐらぐら。足元もぐらぐら。
「……なんなんだよ、」
ムスッとした顔で1人、行きつけのレストランで遅めの昼食を食べていた。今日は久しぶりのオフで、彼と過ごしたいと思ってたのに暇になってしまった。美味しい料理のはずなのに、ちっとも味がしなくて、お腹が満たされても心はスカスカ。もやもやとした気持ちが日に日に増えていく。
「………ばか」
寂しい、とてつもなく。
気分を変えようと少し歩いてみたが、全くもって晴れない。だんだんと暗くなっていく空がまるで俺を表してるみたい。楽しそうにしている人々、俺だけ1人置いてけぼり。
「!」
もう帰って酒を飲もうと思った刹那、ある一点で視線が止まる。少し遠い場所に、見慣れた人物。
「………ジヨン、?」
と、知らない人が隣に立っていた。
「…だ、れ」
細身のジヨンよりも華奢な背中、肩より下まで伸びた髪。そして、楽しそうに微笑む彼の顔。
「っ、」
気づいたときには踵を返して走っていた。視界にいれたくなくて、見えたものを信じたくなくて、無理やり引き剥がしたのに。頭から離れてくれない。久しぶりにあんなに嬉しそうに笑うジヨンを見た気がする。
人通りのない路地裏に入ってしゃがみこんだ。膝に顔を埋めて懸命に息を整えるが、ドクドクとうるさい心臓は静まる気配がない。
「はぁ…は…っ、ぁ」
彼の顔を見た瞬間、身体中の毛穴が開いた気がして、猫の毛が逆立つように鳥肌が立って、じわじわと心を燻っていた炎が一気に燃え上がった。
やっぱりジヨン、もう、俺のことなんて。
朝からなにもかもうまくいかない。ベッドから落ちて目が覚めたし、そのせいで打った腰がじんじん痛い。よく使っていた皿は割れてしまって、いれたコーヒーは失敗してまずかった。雨が降ったせいでじめじめして気分も沈む。今日厄日か?と思うほど全部重なる。
極めつけが先程の会話。
『この前の、今日の夜……考えてて、』
廊下の曲がり角手前、微かに聞こえた声に歩みを止めた。姿は見えなくとも、この声は聞き慣れたジヨンの声。誰かと電話で話しているようだ。
『ふふっ……うん、』
楽しそうな声に、ぐっと胸が苦しくなる。
『…………楽しみ』
「……はぁ」
仕事終わり、逃げるように駆け込んだトイレで手を洗いながらため息をついた。今日だけで何回してるんだろう。ため息をつくと幸せが逃げていくってよく聞くけど、最近は逃げていく幸せすらない。
「タプヒョンお疲れ様」
「!」
後ろから声をかけられ、反射的に身体が跳ねた。鏡越しに目が合って、勝手に鼓動が速くなっていく。今1番会いたくなくて、会いたかった人。
「……ジヨン」
「今日の夜、空いてるかな?話したいことがあってさ」
大きくなったまま静まらない炎が心を燃やす。焦がして真っ黒になって、消えていきそう。なのに痛みだけは増えていくなんて。
「……………ああ」
話ってなに?
それは聞けないまま。
久しぶりにジヨンの家に来た。当然ながら彼の匂いがして、今はそれが苦しい。酸素が薄くなったみたいに呼吸がしにくい。
「なんか飲む?ワインとか、ウイスキーとかあるけど」
「………いい。いらない」
「え?」
ぱちぱちと瞬きをしながら、ジヨンが驚いた顔をする。まさか断られると思ってなかったのだろう。
「え?飲まない?もしかして体調悪かった?」
心配そうに言われ、思わず泣きそうになった。違う。違う、全部違う。ふるふると頭を振って、俺はジヨンの腕を掴んで引っ張った。
「ぅ、わ!」
驚く彼を無視して歩みをすすめる。何度も入ったことのある彼の寝室、そこに連れ込んでベッドに座らせた。
「え、タプヒョン?」
「……話ってなに」
「あ、ああ…話ね。ならほら、タプヒョンも座ったら?そんな急かされるような話でもないんだけど、」
「いいから、言えって、早くっ」
思わず声が震えた。そんな俺にジヨンは戸惑った顔をしながら、ゆっくりと口を開いた。
「えっと……実はさ、」
終わりにしたいんだよね、君との関係。
そう聞こえそうな気がして、俺は咄嗟に叫んでいた。
「嫌だっ、」
ぐっと彼の両肩を掴む。そしてそのまま勢いよく押し倒すと、彼の上に跨った。
「ぇ、ちょっ…!」
言葉を飲み込むように唇を塞いだ。久しぶりに味わうキス、彼の味、唇の感触。懐かしいなんて思ってしまって悲しかった。涙が出そうになるのを誤魔化すように舌をねじ込む。
「ん…ぅ、?」
突然の行動に動けないでいるジヨン。それをいいのことに、俺は彼のズボンと下着を無理やり脱がした。少し反応しかけているそれを掴んで扱く。彼はハッとして慌てたように口を離した。
「ぁ、ちょっと…タプヒョンっ!?待…んっ」
彼の声を無視して、俺も下着を脱ぎ捨てる。そして勃った彼のものに自分の秘部をつけると、無理やり体重を落とした。
「ぐ、ぅ…ああ、い゛…!」
「あ、待ってよ…まだ…っ」
慣らしてなんかないから激痛が走る。メリメリと音がしそうな中、それでもねじ込んでいった。裂けるような痛みがする。
「ぁ、あ…あ゛ぅ、」
「だめだよ、切れちゃう…!」
どうにか全てを押し入れた。ジヨンは俺の腰を掴み引き離そうとする。
「ぜったい痛いでしょ、なにしてんのっ」
「う…く、ない、いだぐ、ない゛!」
「そんなわけない…ねぇ、落ち着いて?どうしたの?タプヒョン」
「…いた、くない、本当に…っ」
「………嘘つかないで、」
「うそじゃないっ、」
「………じゃあなんでそんなに泣いてるの」
必死に我慢していた涙が、溢れ出したら止まらなくて。ボタボタと垂れて彼の頬に落ちていく。気付いたら最後、より一層溢れ出した。
「ひ、ぅ…う」
「……タプヒョン、」
「ょ、ん…じよん、っ」
「なに?」
「じよんは、もう…おれのことなんて………すきじゃ、ないの…?」
ずっと怖くて言えなかった。言ったら現実になってしまいそうで。だから心に押し込めて見えないふりをしてきたのに。でももうだめだった。
「…ぇ、?」
「ぅ、いや、いやだ…ごめん、ごめんなさいっ…なんでもするから、嫌いにならないで、」
「タプヒョン?」
「別れるなんて、言わないで…ぅ、離れないで、やだ、」
「ちょっと、」
「も、う…じよんには、ほかに、すきなひとが、いるかも…しれない、けど…俺だって、じよんがすき、だれよりも、好きだから、だから…嫌いにならないで…っ!」
彼が知らないあの子と楽しそうにしている光景がフラッシュバックする。
「ぐす…っ、おねがい、じよん…っ」
好きだって、言葉にして今までちゃんと言っていたら。ジヨンみたいに伝えていたら、こんなことにはならなかったのだろうか。素直じゃない俺。可愛げがない俺。彼の優しさに甘えて、そりゃ冷められても仕方ないのかもしれないけど。
「………」
しばらく黙っていたジヨンが、涙でぐちゃぐちゃに濡れる俺の頬をゆっくりと撫でた。そしてそのまま優しく自分の方に引き寄せ抱きしめると、俺の頭を撫でた。
「………タプヒョン、」
よしよし、とあやす様に頭を撫で続ける。少し骨ばった、好きな手。暖かくて優しい。
一体どれくらいの時間そうしていたのだろう。流れ続けていた涙もようやく止まった。
「…落ち着いた?」
「……………ん、」
「もー……さ、ほんと。馬鹿だよタプヒョンは。ほんとばか」
「……」
「……まあ、そんなところも好きなんだけどさ」
「………ジヨン、?」
ジヨンは俺にキスをした。柔らかい唇が啄むように動いて、その感触だけで溶けていきそうだと思った。
「…俺が、タプヒョンのこと嫌いになるわけないでしょ。そもそもなんでそんな風に思ったの?」
「…………だって、最近のジヨン、なんか俺に冷たくて。誘っても、また今度って、そればっかり……避けられてるのかなって。不安だった……それで急に今日、話があるって、改めて言われたら……別れ話、かと」
「あー……あは、なるほどね」
悲しそうに告げる俺とは対照的に、彼はふふっと嬉しそうに笑う。なにがなんだか分からない。
「…??」
「うん、不安にさせてたのならごめん。でもこれにはいろいろわけがあってさ。一つ一つゆっくり説明していきたいところなんだけど……その前に」
「わっ、」
ジヨンは腹筋を使って体を起き上がらせた。対面座位になったことにより繋がりがさらに深くなって、痛みが走るのにそれよりも疼きが勝って思わず顔が熱くなる。
「ぁ…っ、じよ」
「まずは仲直りのえっち、しよ?そんなくだらないこと考えられないくらい、ぐちゃぐちゃにしてあげる」
囁くように言われた言葉に、やっぱり溶けちゃいそうだと思った。
「ぅ、ん…あっ」
ジヨンが唇をつける度に身体が小さく跳ねる。頭も顔も首も肩も胸も腕も指先にまで、キスされてないところがないくらい熱い唇が振ってきて、もどかしい気持ちよさに焦れた。
「あ、ぅ…じ、じよんっ、」
「ふふ、キスする度タプヒョンの身体がぴくぴく動いて、かわいい」
嬉しそうな声でそう言われ頬に熱が集まる。恥ずかしすぎる。さっきから醜態を晒してばかりだ。
「じよ…も、これ、やだ…ぁっ」
「んー?」
「うご、うごいて…ねぇ、」
座るジヨンに跨ったまま、当然性器も中に入ったまま。なのにいつまでも動かずキスというこそばゆい愛撫だけの繰り返し。入れたときの痛みなんてとっくに消えて、あるのはもどかしい快感のみ。
「…あは、かわいい。本当にもう痛くない?」
「…ん、なぃ、いたくない、から、はやく…っ、」
懸命に懇願する。恥ずかしいやら情けないやらでわけがわからない、早く早くと求めることしかできない。
「……うん。じゃあ動くね」
コクコクと必死に頷けば、彼は徐々に腰を動かし始めた。途端に自分の中がうねるのが分かる。
「ぁ、やあ…ああ゛っ、!」
散々焦らされに焦らされたから、ほんの少し擦られただけで全身に電気が走ったように快楽が駆け巡った。ゆっくりと前立腺を突かれただけで大きく腰が跳ねる。
「…ぅっ、締め付けやば…もしかしたもうイッちゃった?」
「ぁ、う…、」
ジヨンが何かを言ってることは分かるが、何を言ってるかまでは分からない。頭の奥がボーッとして、何も考えられない。
「…んふ、ほんとかわいい。好きだよ、タプヒョン」
「ぁ…じよ、ん…」
彼は力の入らない俺の身体を抱きかかえ直すと、いきなり下から奥をついた。
「あ、ぁ…っ!?」
「んっ、」
「や、やだ…あ、やめ…っまだいって、いてる…ぅんん、だめ…ぁあ!」
「すっご…ん…あっつい、タプヒョンの中…っ、」
「や、ぁあ…ひ…ああ゛〜〜っ、」
身体が痙攣する。先程までとは正反対の、暴力的な激しい快楽におかしくなりそうだ。気持ちよすぎてこわい。たまらずジヨンの首に両腕を巻き付けて必死に抱きついた。
「ぃ、ん…う、やだ、まっ…て、とまって〜〜ぁう!」
「はー…ぁ、やば…もういきそ…、」
目の奥がチカチカする。どこもかしこも熱い。もがくように動く足がシーツを蹴った。
「ぉあ゛あ、おれも、い、いくぅ、ぁん!」
「うん、いって…っ、たぷひょん…、」
「ぃ、ぁあ〜〜〜…っ!」
ガリ、と肩に歯を立てられ、俺は音にならない声を出しながら果てた。
「……ん、」
ゆっくりと意識が浮上する。何度か瞬きを繰り返して、うつ伏せだった身体をゆっくり起こす。腰が痛くて、思わず顔が火照った。久しぶりにジヨンとしたセックスは気持ちよくて後半よく覚えていない。
『ぐちゃぐちゃにしてあげる』
宣言通り、なにもかも全部ぐちゃぐちゃのどろどろにされた気分だ。
「………ぇ、?」
ふと視界に入った自分の手に思考が停止する。左手の薬指。光るシルバーリング。
「な、なんだこれ…っ」
こんなもの、寝る前にはなかったはず。なんで、どうして。
「……あ、タプヒョン起きた?」
トイレの流れる音が遠くで聞こえる中、欠伸をしながらジヨンがひょっこり現れる。俺は急いで左手を見せた。
「これ…これっ、」
「あー…うん、見つかっちゃった?」
彼は嬉しそうに笑うと、俺の隣に腰掛けてぎゅっと抱きしめた。
「…俺たち、もうすぐ3年じゃん?そろそろさ、どうかなって。男同士だし結婚とかできないけど、お揃いの指輪どうしてもあげたくなって。ちょっと前から考えてたの。どれにしようかすごい悩んだし、色んなもの見たけど、やっぱりシンプルなものが俺にもタプヒョンにも合うかなって思ってこれにした」
「そう…だったのか、」
「うん。最近は休みの日にこれを探すのに必死で、全然時間とれなくてごめん。でも渡すならしっかりと選んでこれだ!ってやつを渡したくて。もう途中悩みすぎてわけわかんなくなっちゃって選ぶの手伝ってもらったりして」
「…………あ」
前に街中で、知らない誰かといるジヨンを思い出した。あのときはショックでわからないまま必死にあの場から逃げ出してしまったけど、たしかにあれはジュエリーショップの前だったような。
「…だからか」
「ん?」
「ちょっと前に…ジュエリーショップの前で、ジヨンを見かけて…」
「ええ、見られてたんだ!恥ずかし……って、え、もしかして、俺がもうほかに好きな人がいるみたいなこと言ってたのって、そのこと?」
泣きながらわけもわからず言った先程の言葉を掘り返されて思わずぐっと喉が詰まる。
「…だ、だって、あんなところで…知らない女の人と、楽しそうに、してたから」
「……んん?女の人?」
彼はきょとんとした顔をしたあと、声を上げて笑った。
「な、なに笑ってんだよっ」
「あーはは…いや、あれ俺のはとこ」
「はとこ…!?」
「ちなみに男ね」
「は!?」
「細くて、昔から女の子みたいな格好好んでしてたし、髪も長いからね…後ろから見ればたしかに、女に見えるかも」
まだ可笑しそうに笑っている彼に、俺は畳み掛けた。
「じゃあ、あの電話は?今日、してた」
「電話?」
「廊下の奥で、」
『この前の、今日の夜……考えてて、』
『ふふっ……うん、』
『…………楽しみ』
「なんか今日の夜考えてるとか…楽しみとか…」
「ああ、聞かれてたんだ」
「微かにだけど……。そのあと話があるって言われて、最近冷たかったし…だからてっきり俺、今日、別れようって言われるのかと思って…」
「…ふーん?だからあんなかわいいことしたんだ?」
「…うるせーよっ」
「というか別れようとしてるのに楽しみって言うと思う?」
「いやだから、もうジヨンにはほかに好きな人がいると思ってたから!今日俺の別れて、その人とこう、付き合えるのが楽しみ、てきな…」
「いや、想像力すごすぎ…だけど、俺が不安にさせてたからだもんね、ごめん」
「い、いや…謝ることじゃ…」
「はーよかった…誤解が解けて。このまま俺がふられたらどうしようかと思ったよ」
「な、俺がふるわけないだろ!」
言ってからハッとした。にまにまとニヤけるジヨンの顔、うるさ。
「…電話の相手はヨンベだよ」
「え、」
「タプヒョン、ヨンベに相談したでしょ?ヨンベから言われたの。タプヒョンすごい寂しそうにしてたぞって。普段そんなこと俺に言わないのに、言うってことは相当参ってるって」
「…、」
「だからさ、ほんとはもっとこう、ベタだけど…夜景が見えるレストランとかでかっこよく渡そうかなって思ってたんだけど…早い方がいいって判断して、今日にしようって。その話だったの」
早とちりもいいところだ。ここ最近の自分の行動や先程襲いかかったことを振り返るととんでもないことをした。恥ずかしすぎる。いたたまれない。穴があったら入りたい。
「ぅう〜〜…」
「え、なに?」
「だって、全部俺の勘違いだったって気づいたら…すげー恥ずかしい…っ!」
「え〜かわいくてよかったけどなぁ。寂しいって落ち込んじゃうのとか嫉妬しちゃう姿とかもうたまんなくて、」
「それ以上言うな!絶対!」
怒って吠えても、ジヨンは嬉しそうにしていて、恥ずかしさも怒りも静まっていく。なんだかんだ結果オーライで、ジヨンとは別れずに済んだし全部俺の勘違いだったし、まあいいか。
そう思ってほっと息をついた。下げた視線の先、薬指のリングが見えて心の奥がむずむずする。
「………きれい」
「…うん。喜んでもらえてよかった」
彼は微笑むと、俺の左手を握った。その手にもお揃いのリングが嵌めてある。
「一生、俺から離れないでね?」
これじゃまるでプロポーズだ。もちろん答えは決まってるけど。
「…………ああ」
俺も離す気ないしな。
皆様お付き合いいただきありがとうございました!
え?嫉妬要素少なくね?と思いましたよね?わたしが一番思ってます。嫉妬するタプさん書きたかったのに…ただの勘違い乙女が爆誕。ご要望にお応えできずに悔しいばかり。すみません…。
読んでくださりありがとうございました♡
コメント
8件
完全に油断してて見るの遅くなってしまったよ、😭まじで今回も最高でした、!感動して目から鼻水でた💦ジヨンの発言全部勘違い要素になってるの好きです。運命ですね、これは。なんでこんな神作作れるんだよ

え!え!え!!!!え!!?😭😭😭😭😭ほんとにありがとうございます😭😭😭マジで最高です😭😭😭
タプさんが乙女すぎて好きですっ…🥺💘 不安になりすぎて泣いちゃうタプ可愛いしジヨンもジヨンで指輪買うとかイケメンですねェ!?! (?) もう、ね大好きです🫶