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「……なんで、私には、こんな……」
「君も、優しくしてほしいとでも……?」
わざと、答えをはぐらかされている気がする。
「……私は、あなたにとって、何なんですか?」
“特定の恋人はいない”と、真梨奈に言ったのが思い起こされる。
「興味……前にも、そう言ったでしょう?」
相変わらず、彼がうそぶくようにも答える。
「そんなことじゃなく、この関係の意味を聞いてるんです」
どうでも関係性をはっきりしてほしくて言いつのる私に、
「意味…ですか……」
私の頭の横に両手をついて、射るような視線を投げかけながら、
「……体だけの関係…とでも、言ってほしいですか」
政宗医師は、そう淡々と告げた。
「……。そうなんでしょうね……」
口から渇いた笑いが漏れる。
「……だから、優しくすることも、私にはないんですよね……」
笑ったはずが、目尻から涙が流れたのを感じた。
こんなことは、元々わかっていたはずだった。
だからこの男にそれをぶつけたところで、私自身は何も傷つくことはないと思っていた。
なのに、涙はわけもなく流れた。
「……なぜ、泣いたりするのです……」
ベッドに横たわる私の淫らな裸体を、彼の冷えた眼差しが映して、込み上げる苦い思いに目をスッと横へ逸らした……。