大我ver
「四季ぃ!」
白いドアが勢いよく開いたと思えば、白いタキシードの大我は四季に近付く。
「ッ大我さん!」
ギュッと抱きついてきた四季を抱きしめながら、ベールに隠れた目を覗き込むように屈んだ
「…似合うな」
二つ並びのホクロを撫でて、愛おしそうに目を細める。
「んへへ…俺可愛い?」
首を傾げる四季の細い腰を掴み持ち上げる、急な事に驚いて大我にしがみついた四季。持ち上げた四季のお腹に顔を埋めるように抱き締める。
「世界で何よりも可愛いぞ」
「ん〜…なら良かった」
「大我さんが可愛いって言ってくれるなら嬉しい」
くぐもった声で話す大我が大型犬のように思えて、セットされたその頭を四季は撫でる。
「好きだよ、大我さん」
その言葉にカッと目を開いた大我は四季を椅子に下ろす。優しく髪を崩さない程度に髪を撫でる。
「そんな可愛いことを言う四季には、お菓子をやる!!」
何が良い?とジャケットから差し出されたお菓子はどれも四季の好物しかなくて、四季は大我に愛されていることを喜ぶ。
「ありがとな大我さん」
「!こっちこそだ、ありがとな四季」
四季は傷だらけの大我の手を優しく包み込んで撫でる、この手で多くを守ってきたんだ。
目付きが悪いとか、人相が悪いと怖がられている大我だが四季にとってはこの上ないほどに優しく、男前な人だと思う。
その目には四季だけが映っている。
それが四季にとっては嬉しいのだ。
「俺さ…お菓子より欲しいのがあんだけど…」
小さく呟いた四季を大我は見つめる、愛しい子の為ならば何をあげようか?
お菓子、服、ゲーム、雑誌。
きっと何をあげても四季はありがとうと笑うのだろう。ならば、大我は四季の望むことを叶えてあげたい。
「?なんだ?」
「あ…のさ…」
急に顔を赤く染めて、口をモゴモゴとしている。四季の言葉を大我はただ待つ。
優しく微笑みながら。
「…百鬼って名字が欲しいんだけど…」
目を顔ごと逸らして四季は落とした。
「!四季の為なら幾らでもやろう!!」
逸らしていた顔を正面に向けさせて真っ直ぐ目を射抜く。
「百鬼四季になってくれ!」
四季も大我も笑った。2人を木漏れ日が祝福していた。
『包み守り抜くと決めた幸福』
コメント
8件
最高! たいしきってほとんどみないからまじで嬉しい!


あぁぁぁ!!幸せになってくれーー!!