旋律ver.
「四季」
聞こえた旋律の声に立ち上がり潤む瞳で見つめた。
「旋律っ!!良かった!きてくれて」
「めっちゃ安心したぁ〜…」
初めて会った時には考えられないほどに旋律のことを四季は信用と愛を感じている。
「急に怖くなってきちゃってさ……」
俯いて地面をじっと見つめている四季が意を決して声を出して旋律に聞いた。
「……あの時…右京の時の恩返しで、私と結婚したの?」
右京の手下に旋律含め多くの桃が捕らわれた。それを助けたのが同じく捕まっていた四季だった。
四季は旋律が義理人情を持った優しい芯の通った人間だと知っている。
だからこそ酷く不安になる。
もし、旋律が恩返しとして好きでもない自分と誓いを立てるのならば…。と
四季自身が恩とも思っていないそのことで、旋律を縛ってしまっているのでは…。と
もし、そうなら今直ぐにでも結婚を止めるほど四季は、旋律を思っている。
「旋律は…義理人情もった、優しい人だ…」
「四季…」
ぽつりと落とした本音に四季は余計に泣きそうになってくる、好きだからこそ縛りたくない。幸せになって欲しい。
「おれ…旋律には、幸せになって欲しい…」
だから、と続けようとした四季をそっと抱きしめた旋律。
「そんなわけねぇよ…」
「四季じゃなきゃ、俺は幸せになんかなれない」
四季の震える背中を撫でながら旋律は言い切った。
「それに…四季が俺らを助けてくれた恩は、時間稼ぎの時に返したつもりなんだけどな…」
四季の髪に指を通しながら旋律は言った。学生の時は短かった髪は旋律と年を越えていくうちに腰までの長さになっている。
「そんな!ちゃんと返してもらったよ!」
「だろ?なら分かってんだろ…」
「俺が心の底から四季を望んでんだよ」
涙ぐむ四季の目元を親指で拭い、笑った。
「ちゃんと、心の底まで俺のものになってくれよ」
「四季」
「う、ん…うん!」
「旋律のになる!」
涙を流しそうな四季に微笑んでハンカチを渡して、傷だらけの手で同じく傷が目立つ四季の小さく愛おしい手を握った。
「愛してる」
『恩は幸せで返すから』
前にpixivの方で来ていたリクエスト…
すっごい遅くなってしまったぁ…
旋律さんの口調が未だ分かっておらぬ…
次回からは、洋風のウェディングじゃなくて、和式の神前式になります…
コメント
12件

旋律だいっっっすきなのよ!! 心の底から俺のものになってくれってセリフでもう家の中なのに発狂しそうになった笑笑笑笑 がちでさいっっこうだったぁー!!
スゥゥゥ、漫画見れてない自分が憎い…ごめんよ… でも尊いのは分かった!