愛をもっと残酷に。夜宮雨です。
もっと残酷にしていきますね。
見てくださりありがとうございます!!
昨日の傷がまだ痛む…。
彼が付けてくれた包帯を外すと、火傷の跡や大きい傷の跡まで残っていた。
またあの紅薔薇が傍にある…
この紅薔薇はいつしか白だったのだろうか…
そう思う内にまた扉が開く。
「おはよう菊」
「…….おはようございます….」
前の傷が痛んで抵抗出来る事もない為、大人しく挨拶をする。
でもその挨拶は虚しく、小言の様な有様だった。
「取り敢えず、今回は午後からだ」
「……はいッ」
また…悲痛をあげることになる…
そう思うと苦痛な程に嫌だが逃げ場がない以上菊には何も出来なかった。
「それじゃあな、俺の菊♡」
額にキスをし、扉を閉めて颯爽と去っていた。
いつしか菊も此処を出られるのかと一つの希望を彷徨らせていた。
だけど、その願いは天には届かないぐらいの薄い希望だった。
『いつしか此処を出られます様に______』
午後の時間になった。
「Hello、菊?」
元気そうに挨拶をする。
そして、その元気を上回る狂喜に変わった。
「今回も楽しませてくれよ♡」
「….ッ」
もう此処に私の味方や逃げ場はない…。
光も希望も…
ただ、願うことしか出来ない….。
今夕も悲痛で苦痛な叫び声が部屋の中に響くだろう。
菊の心の声は微かに消えそうだった。
「あ”ぁぁぁッ!?」
血が周りに飛び散り、菊の悲鳴だけが此処を染めていく。
するとお構いも無しに彼が話しかけて来る。
「なぁ、菊?」
「俺は菊の誰にでも優しい所が好きなんだ」
「でも、その優しい所が他人に知られる事がもっと嫌なんだ…」
意味が分からない….
声も途切れ途切れに聞こえて来る。
人を刺しながら良く言える立派な言葉だ。
「だけど、これが俺の”愛し方”なんだ♡」
愛し方….それは彼が思っている愛し方とは違う。
彼は狂っている。狂人の様に歪んでいる。
何も応えないで黙っていると刺す回数を増やしてきた。
「う”ぁ”ぁッぁ」
「何で黙るんだ?」
「俺は菊を365日24時ずっと見て愛し続けているのにな」
痛すぎて言葉を発したくても発せない。
「ア”ーサーさッん、や”めッッ」
「それじゃあ、菊は俺のこと…好きか?」
菊の傷口を触りながらそう問い掛けてきた。
「ぁ”….」
だけど泣き叫び苦痛が続いたので力は限界を迎えていた。
菊はその応えを言う暇もなく意識が途絶えていった。
「….」
血塗れになった菊の身体を抱きしめる
「これが….俺の愛シカタ…♡」
彼の顔は酷く歪んでおり、涙が一雫流れていた。
まるで心と身体の意見が合ってない様に…。
コメント
15件
こういうの大好き…(((
菊さんもっと刺されて……(最低だこいつ 可哀想なのに可愛いっていう気持ちがクッッッッ
うへ、うへへへ、、き、菊ちゃん、可哀想ッ!だけど可哀想なのがまたいい!もう叫び声からして絶っっ対にめちゃくちゃ痛いのがわかりすぎて辛い(´;ω;`)