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fwak
fw視点
俺はとあるビルの屋上にきていた
静かで、雨の音だけが響く
高くて、冬だから寒い
俺の意思は決まっていた、扉からずっとまっすぐ進んでいく、そして、フェンスに手を掛けたときだった
扉の開く音が聞こえた
『いた…ふわっち…』
俺はできるだけ自然に、いつもあきなと話してる俺をだす
「あ、あきな、どうした?」
あきなは走ってきたのか、肩で息をしていた
『…えっと、迎えに』
「そっか!でもごめんな!俺ちょっと疲れててさ、一人にさせてくれん?あとから帰るからさ」
『…』
俺はできるだけ、あきなの顔は見なかった
死ぬ前に人の顔なんてみたらむなしくなるだけだから
『…やだ』
「…あのなぁ、お前はそういうところが…」
『…ッや、だ』
あきなの声が震えていた
そのせいで、俺は見たくなかったあきなの顔を見てしまった
「ッ!あきな…」
泣いてたんだ
青い瞳からは溢れるくらいに雫が流れていた
『ふわっちが、ッ死んじゃうなんてやだッ!やだよぉ…』
あきなは知ってた
俺が何をしようとしてたのかも、全部
「…なに、言ってるん?死のうとなんてしてないって…約束したやんか」
『じゃあなんでここにきてるの…?なんで、家から遠いところまできてるの?』
「それは…気分で…」
『気分でも!こんなとこに来るなんて…帰ろうとしてた?』
あきなの顔はグシャグシャで、雨なのか、涙なのか分かんなかった
なのに俺は言ってしまったんだよ
どうしても、その言葉が信じられなかった
「…俺に、死んでほしくない?ふざけんなよ」
『え…?』
「どうせお前は使命だから!そんなことを言えるんだろ!死んでほしくないとか、簡単に言うなよ!それ以上まで追い込まれてんだよ!そういうことしか考えられない程!」
強い言葉をぶつけた
あきなは一瞬困ったような表情を見せたが、それもすぐに変わった
『確かに俺は分かんないよ、そういう気持ちが…でも、死んじゃったらなんもできないんだよ?もっとああしてればよかったとか、後悔だけが押し寄せてきて…』
あきなはゆっくりと、俺に近づいてくる
『死ぬことはいつでもできるの…だからもう少しだけ、生きてみようよ…』
そして俺の右手を両手で握りしめていった
『人にそんな想いをさせない、後悔がないようにさせるために、俺たちがいるんだよ、それが、天使の役目なんだから…』
正直ごめんだった
苦しいのに、まだ生きろって言うのか
それ以上に苦しいことなんてなかったのに
「帰ろっか、一緒に」
俺は変わってしまったのかもしれない
『、!うん!』
やっぱり、この子には笑ってる姿がよく似合う
泣いてるあきなを見たとき、俺は嫌だと思った、泣いてほしくない、こいつには幸せになってほしいって
『えへ…止められてよかった!』
「そう?止められて悲しかった」
『ちょっと!それはないでしょ!』
「ごめんごめん、あ、傘かして?」
俺はあきなが手にもってた傘をとった
『え?なんで?』
「んー、ちょっと身長差がありすぎて首がおれそう」
『チビっていってんのか』
「まぁね、それに俺が傘もてばあきなの片手空くでしょ?」
『…そうだけど』
「はい」
俺はあきなに手をさしのべる
『何これ』
「子供とは手を繋いで歩かないとね~?」
『誰が子供だ!あんまり身長差だって変わんないじゃん!』
「にゃははw」
ぶつぶつ言いながらも普通に握り返してくれたんだけど
『手、冷た…カイロにもなんないじゃん』
「あー、夏には便利ですよー的な?」
『今は冬ね?』
「寒さを味わいたい人とか…」
『滅多にそういう人いないと思うけど』
「かといいながら離さないよね?」
『…しょーがなく』
ほんとに弟みたいで、なんかいいんだよな(生意気なときもあるけど)
暗い中、俺らは2人で歩いて帰った