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ntj✗第1次wrwrd! 軍パロ
モブ国民登場、絡みあり
モブ国と絡みあり
kr.side
今日はこれから外交がある。ntj国の最南端にある外交館を使う。今回の相手はK国。あまりいい話は聞かない国だ。それに、俺たちが同盟を結んでいるwrwr国とは結ばない、というか申し出がなかった。まぁ側から見たら、俺らの方が弱く見えるのだろう。その方が好都合だ。国民にもあまり被害がないだろうからね。
うちの国は外交官がいないから基本総統である俺がでる。もちろん護衛はつけられるが、笑いつもいらないって言うんだけどなぁ。
tn「あ、のあさん」
「あの串うまそう」
今日の護衛はトントンさん。
kr「あ、ほんとだ」
「時間あるし食べてく?」
tn「いいですねぇ」
「親父、これ2本」
串屋「!?」
「ありがとうございますっ!出来立て用意しますんでお待ちください!!」
kr「ありがとう」
串屋「お待たせしましたぁ!」
kr「どーも、これからも頑張ってね」
そういうと深々とお辞儀をしてくれた。普段マスクをしているしフードもかぶっているからあまりバレることはないんだけど、。やっぱりあれくらいの年代の人にはバレるなぁ笑
tn「ん!うまぁ」
トントンさんが頬張っている姿を見て俺もマスクを外す。マスクを外すとザワザワし始めるが関係ない。お腹減った。
kr「ん!」
「おいひぃ」
tn「買って正解やな」
少し好奇心が出てきてしまってこういった。
kr「あそこの串美味しいですよー、ぜひー」
フードを外しながら言ったので悲鳴、黄色い悲鳴とでも言うのだろうか。が聞こえてきた。串屋さんは大忙しになってしまうけど、美味しいものは美味しい。うちの国の愛すべき国民には是非食べてもらいたい。
tn「www」
「いつ見てもおもろいっすわ」
「のあさんオタクばっかっすね」
kr「そぉかな」
「結構ぺいんと推しとかもいますよ」
俺たちは国民からアイドルグループのように慕われている。戦争のシーンとかは見せるわけにも行かないが、最近始めさせた武術の授業の特別講師として俺たちが行っているからさらに人気が増した、らしい(ぺいんと情報)
tn「そうよ」
「みんな目がハートw」
kr「でもトントンさんはリアコ枠でしょぉ?w」
tn「うっさいわ!w」
そんなこんなで街を抜けようとするも国民が押し寄せてくる。写真とかサインとか、いよいよアイドルだな。
kr「ごめんね、今日は後に用事があるからさ」
「帰りにまた寄るから、可愛くしておいてね♡」
さすがに媚を売りすぎかなとも思ったが、どうやら喜んでくれたようだ。
tn「あーあw」
「これはこれは、クロノア様~♡ですってww」
kr「うるさいな、笑」
さて、仕事だ。
tk「どうも、こんにちわ」
「K国総統のタキと言います、よろしく」
タキは手を出す。はぁ、何持ってんだか。俺を殺したいのが見え見えだ。俺はにっこり笑って言う。
kr「まぁ、まず中へどうぞ」
あからさまに不機嫌になったがまぁ知らない。
kr「さ、おかけください」
俺らの外交館の机はお互いの手が届かないけど資料のやり取りは楽なギリギリで作っている。
tk「ロウ、名前」
ro「はい、」
「クロノア様、はじめまして」
「K国の外交官を務めております、ロウと申します」
kr「うん、よろしく」
パワハラだな。ロウの目の下には隈がある。化粧で隠すよう言われたのだろうが、俺に対しては意味はない。会った時から体の一部を庇って動いているし確定でいいだろう。ってことは戦争は2週間あれば持ったほうか、。
「…」
tn「のあさん?」
kr「あぁ、ごめん」
「改めて、ntj、wrwr同盟国共同総統のクロノアです」
「よろしく、トントンさんどーぞ」
tn「うん」
「本日クロノアの護衛を担当しています」
「wrwr国の書記長、トントンです」
「よろしく」
相変わらず愛想がないなぁ。俺らといるときはニコニコしてんのに。まぁそれはさておき反応は普通だな。俺たちは通常顔を出さない。そのため誰が誰だかわかる人が少ない。基本国民と貿易国だけだ。大体俺は名前を出して貿易に行くことがわかっているからいいんだけど、護衛は今日になるまでわからない。あの冷酷なスターリンを想起させると噂されるトントンさんはこの人らにとって脅威だろう。そんな彼らの恐怖に拍車をかけるように声を作って心底低く、冷たく笑った。
kr「じゃあ、始めましょう」
kr「つかれたぁ、」
結局K国との貿易はなし。戦争も確定だろう。おそらく奴らは宣戦布告など優しいことはしない。
tn「はぁ、書類が増える…」
kr「ww」
各々心配はあるがそれはやはり戦争についてではない。そんなこの国と君が大好きだ。直接は言わないけどね。
tn「いやぁのあさん怖かったなぁw」
kr「いつものことでしょぉー?」
というのも外交中こんなことを言われた。
『いいのですか、これを断ってどうなるかなんて、知りませんよ』と。正直俺たちにそんな脅しは効かない。だから『どうぞご自由に。こっちは俺1人でも国を一つ滅ぼせる。』といつものセリフを言った。実際できるかはわからないが少なくともあいつには効いたようだった。いつも使う常套句。喧嘩を売られたと取るか滅ぼされる…と取るかは国次第。今回は喧嘩を売られたと考えただろう。さぁ、帰ったら共有して作戦会議だな。いつものとほとんど変わらないけど。
kr「あ」
街まで戻ってくると熱烈なファンたちが、笑
俺たちの姿を見るなり声を揃えて”お疲れ様でした、おかえりなさい”と言ってくれた。俺とトントンさんは目を見合わせ頷く。
「「ただいま!」」
国民に負けないほど大きな声で、笑いながら返事をする。すると一気に歓声が、笑 まぁ嬉しいことだ。
kr「じゃあ、時間あるから並んでもらって順番に対応するねー」
「2人で対応するよ」
tn「えー、おれいるぅ?」
「いるー!」とほんとにアイドルになった気分だ。
kr「だって」
国民との距離が縮まることは嬉しいことだ。そのあと俺らはサインしたり写真撮ったり握手したりといわゆるファンサービスをしていた。その中でも仲良くなったのはシャルという女の子だった。
sr「クロノア様ー!」
6歳ほどの女の子。小さいながらに健気に敬語を使って話してくれた。
sr「シャルです、えっと、いつも、クロノア様が、ヒーローみたいでかっこいいと思ってます!んっと、いつもありがとうございます!」
kr「シャルちゃん、ありがとね」
「シャルちゃんはntj国のこと好き?」
sr「うん!」
kr「嬉しいなぁ」
なにか特別なことを話したわけでもないけど、なにかを感じたからこうなったんだと思う。
シャルちゃんは俺たちと離れるときに泣きそうになった。
kr「シャルちゃん、手を出して」
sr「?」
泣きながら両手を出すシャルちゃんに前で指を鳴らした。マジックというやつだ。ぽんという音と共に俺自身を模ったぬいぐるみがシャルちゃんの手に置かれる。自意識過剰と言われたらそれまでだが、試しに作っていたのだ。『絶対に喜ばれる!』とぺいんとが言うから…笑
sr「わぁ!」
今日一番の笑顔になるシャルちゃん。喜んでくれたかな。
kr「それ、シャルちゃんにあげるよ」
「のあくんぬいぐるみだよ」
少し恥ずかしいが、”のあ”って呼び方が一番親しみやすいだろうと思いそう言う。
sr「のあくん、大事にする!」
mg「シャル、お礼を言いなさい?」
この女性方はシャルちゃんの母親だ。メグという。いい人なのがよくわかる。いつの間にか敬語の外れたシャルちゃんに一度は焦っていたが、俺がいいよと言ったのだ。
sr「クロノア様」
kr「どしたの?」
sr「クロノア様のことものあくんって呼んでもいい、?」
なんと。そんなことを言い出すとは思いもしなかった。
mg「シャル!そのくらいに…」
メグさんが止める。まぁそれはそうだろう。なんせ俺が総統だから。恐ろしくも思えるだろうなぁ。でも俺は初めてそんなことを言われて面白くて吹き出した。
kr「あははw」
「そんなこと言ってくれたのはシャルが初めてだよw」
「いいよ、それで」
sr「やったぁ!」
mg「いいのですか、?」
kr「俺は国民たちと仲良くしたいんだ」
「友達みたいに」
俺の理想は、もちろん今の情勢的に現実的じゃない。総統、国によっては国王はいわゆる”平民”とは違う者だからだ。高貴で、そして偉くなきゃいけない。その”えらい”をどう捉えるかなんて簡単な話で、「俺の言うことは絶対だ。お前たちはごみだ。」みたいな。俺様で嫌なやつ。でも俺は、国を代表しているだけであって国内を作っていくのはその平民だとわかっている。
だから、
kr「俺は国民、誰1人例外なく幸せであって欲しいんだ」
「みんなのことは俺が守るよ」
tn「かっこつけ」
kr「うるさいな、笑」
恥ずかしくなってくるじゃないか。
tn「でも、それができちゃうからかっこいいっすよねぇ」
kr「そりゃどーm」
「なんかみんな近いなw」
シャルちゃんが最後尾だったからかなんなのか、俺たちは円状に囲まれていた。みんながみんな喋っている。よく耳を澄ますと”俺ものあさんって呼ばせてください!”だとか”この国にいてよかった!”とか思わず泣いてしまいそうになる声が聞こえた。ぐっと堪えて
kr「みんな好きに呼んでね」と言った。
その後暗くなってきたのでお開きにして城へ帰った。
kr「ただいま」
家に着くと疲れがどっときた。国民とはいえ初対面の人と話すのは気を使う。
pn「クロノアさん遅い!心配した!」
kr「ごめんごめん笑」
「国民の方々にファンサってやつですよ」
pn「えー!」
「それなら俺も行きたかった!」
ファンの多いぺいんとはそれが自慢なのか執拗に国民に会いたがる。多いと言ってもしにがみくんよりは、らしいがちゃんとしたことは調べていない。
sn「あ、おかえりなさーい」
kr「うん、ただいま」
pn「クロノアさん勝手にファンサしてたぞ!」
「しにがみ!」
sn「え!ずるい!!」
「僕もちやほやされたい!」
pn「欲まみれかお前は!w」
tn「元気っすね」
kr「ねー」
トントンさんも疲れたのだろう。目がいつもより死んでいる笑俺も疲れたなぁ。どうしようもないし楽しいのも事実だけど。
pn「今度は俺たちも連れてってくれますよね!?」
kr「はいはい笑」
子供っぽいなとは思うけど、仕事はしっかりするし視点が色々あって俺からしても新鮮だ。しにがみくんも、コンピュータを使いこなして俺たちの仕事が円滑に進むようにしてくれている。トントンさんの方をチラッと見るともう眠そうだ。
kr「トントンさん、お風呂行こうか」
tn「あぁ、行きますか」
「次いつ入れるかわからんし、」
pn「え?」
あ、まだ言ってなかったな、。トントンさん眠くて何言ってるのかわかってない。
kr「あー、笑」
「明日の緊急会議で話すよ」
pn「会議起こすんですか?」
kr「うん、今日の外交で話したことの報告と今後の見解をね」
pn「あー、伝達しときます?」
kr「お、さすが」
「よろしく」
気を遣えるぺいんとらしい言葉に頬が緩む。トントンさんが袖を引っ張ってきたのでお風呂に急ぐ。
kr「眠いー?笑」
tn「ん、」
kr「そかぁ笑」
「早く入って寝ようね」
tn「ん、」
「今日一緒に寝よ、」
お付き合いを始めてしばらく経つが、トントンさんからそんなこと言うのは久しぶりだ。実は不安だったり、寂しかったりするときに言う。可愛いなぁと思う反面、戦争が待ち構えていることが原因だと思うと死んじゃ駄目だなと、より思わされる。今回の戦争、嫌な予感がするんだよなぁ。
翌日、お昼前に会議を入れてもらった。
kr「今日はいきなりすみません」
「集まってくれてありがとう」
「早めに報告したいことがあったのでね」
gr「戦争か!戦争なのか!」
グルッペンさんが目を輝かせながらこちらをみる。
kr「あくまでおれの見解ですけどね」
「K国の総統、および外交官と話をした結果、貿易の交渉は決裂」
「煽ってきたのでいつも通り返してきました」
「おそらく喧嘩を売られたと、勝てるだろうと思っているはずです」
「俺たちの戦い方は世界的にみても異例ですが」
「戦術を盗まれる可能性は低いので、いつもの戦い方で、ポジションだけいじればいいかと思ってます」
「意見あればお願いします」
つらつらと見解を述べていく。
rbr「戦争が起こるとしてどれくらい先だと考えている?」
kr「これも予想でしかないですが、2週間あれば長い方かと」
「短ければ4日後あたりだと思います」
ut「前線はどーするの?」
kr「いつも通り俺とトントンさんと、ゾムさんでいいと思います」
「今回、国民に被害が出る可能性が高いと感じています」
「ntj国とK国は近いので希望としては細心の注意を払い、前線により足の速い人材を配置したいです」
今回の戦争で国民に被害が出たら、と思うと心底怖い。昨日見たみんなの笑顔を思い出す。親を失ったり、子供を失ったり、恋人を失ったり、。そんなことがないように俺たちは同盟を組んだ。だからこそここは俺の国へ協力願いたい。
gr「わかった、いいだろう」
「クロノアが国民のところへ走った方がいいと思うのだがどうする」
kr「俺と持ち場を交代すると言うことですね」
gr「あぁ」
kr「ありがたい提案です」
gr「じゃあそれで行こう」
「シャオロン、行けるか」
sha「おう」
kr「ありがとうございます」
「では、各々準備をしつつで」
all「ハイル クロノア」
一通り共有を終わらせて部屋を後にする。前にしゃおさんに声をかけられた。
sha「のあさん」
kr「はい」
sha「持ち場なんやけどさ、のあさんいつもどの辺?」
kr「俺はー、」
「ここを中心としてーー、~」
sha「おっけっす」
「じゃあ俺はそこから100mくらいの持ち場に行っときますわ」
kr「了解です、インカムでの伝達でいいですかね」
sha「はい、じゃあそれで」
kr「ありがとうございます」
sha「お互い様ってやつやで」
kr「はい」
同盟を結んでよかったと思うことは今までも何度もあったがやはりいいな。よし、俺も集中しよう。自主練に行くか。
地下練習場。ここは一般兵(いわば警察のようなもの)が訓練するのに使われる。幹部のみんなは自室に設けているか、外で戦闘訓練をすることが多い。俺も自室にトレーニング器具は置いている。だが、ここの方が広く動きやすいからここを使っている。今日も一般兵の姿が多く見られた。いちばん多く人が集まっているところを覗くと、トントンさんがいた。今はウォーミングアップの素振りをしている。かっこいいなと素直に思う。すると、トントンさんと目が合う。キラキラとした笑顔でこちらに手を振るものだから一般兵たちはざわつく。なんせ厳格な書記長様だからだ。普段から冷徹で、国で一二を争う戦力を持つ男。そんな人が柔らかく表情を崩す相手とは、。一斉に俺に視線が注がれる。
kr「あ、笑」
「お疲れ様」
「「「「お疲れ様です!!!!クロノア総統閣下!!!!」」」」
こんなに堅苦しい挨拶はいらないと言ったんだが聞いてくれなかった。まぁでも、ちょうどいいしトントンさんと訓練しよう。
kr「今から入ってもいいですか?」
「一般兵もいい刺激になるだろうし、見学会ということで」
tn「いいっすよ」
「素振りからでええかな」
kr「うん」
返事をすると、木刀を投げ渡してくれる。久しぶりに握ったがなかなかに重い。トントンさんは剣を使った近接戦闘も得意としているからこういう練習をしているところをよく見る。俺も近接戦闘をすることはあるが、殴り合いの方が多い。あまり使い慣れてはいないから勉強になる。
tn「せーん」
「はい、お疲れ」
kr「ふー、」
少し息を乱した俺にトントンさんがタオルと水をくれる。
tn「久々なのについてこれるのすごいっすね」
kr「いや、まだまだだよ」
「これくらいで息上がってちゃ駄目だ」
tn「ストイックやな」
「まぁ無理もないか、今回はしっかりやんなきゃやもん」
kr「うん」
ふと周りにいた一般兵を思い出し、そちらへ目を向ける。ざわざわしている声を丁寧に聞くと、「これでまだまだなのか」「1000回の素振りがウォーミングアップだと、」などさまざまな声が聞こえてくる。それはとんとんさんも同じだったようで、2人見合って笑う。
kr「さて、手合わせ願おうか」
tn「久々にのあさんと手合わせできるの嬉しいっす」
kr「こちらこそだよ」
「じゃあ」
「「せーの」」
同時に地面を蹴り、間合いを一気に詰める。剣がぶつかりあう大きな音に驚くが、それはどうだっていい。なんせ俺たちはお互いが相手じゃないと公平で、本気の戦闘訓練ができない。つまり、これは本気の訓練であり、手加減をすることは相手を見下しているのと同じ。周りなど、関係ない。
今日の勝負は俺が勝った。これまた久しぶりの勝利である。
tn「あー、しんどいい、」
kr「いくら俺が苦手としてる剣での戦いでも譲れないよ」
「少し油断してたでしょ」
tn「う、、すみません、」
kr「まぁいいけど、」
汗を拭っていれば一般兵たちの視線が刺さる。期待の眼差しをむけていることから、質問があるのだろう。
kr「ふふっ笑」
「順番に質問受け付けるから、俺かトントンさん、聞きたい方に並びな」
「はい!ありがとうございます!」
質問に答えていると、その騒ぎを聞きつけたのかntjのメンバーがやってきた。
pn「あー!!!」
「またトントンさんと勝負してたの?!」
sn「ずるいですよ!」
tr「俺たちとも戦ってください」
「クロノアさん!」
俺はntjのメンバーになるとどうも手加減してしまうようで、自覚はないのだが途中で指摘をされる。本気のクロノアさんと戦いたいのに、って言われる。そう言われてもなぁ。が俺の本心である。無意識のうちのことを治せかぁ。あ、。
kr「いいよ、やろうか」
pn「本当に!?」
kr「うん、本気でやるよ」
tn「あぁ、なるほど」
トントンさんだけは意図を汲んでくれたようで、賛同してくれる。
kr「ただし、条件がある」
「3人同時に向かってくること」
sn「え、」
「そんなのクロノアさんが危ないんじゃないですか」
kr「舐めてもらっちゃ困るな」
「考えがある上で言ってるよ」
「ぺいんとたちがいうには俺はぺいんとたちを相手にしてる時手を抜いてるらしいじゃん?」
tr「はい、そうです」
kr「でもそれは俺が無意識でやってること」
「その無意識を意識的に止める練習がしたい」
「今度の戦争、俺の中に迷いがあったら人が死ぬ」
「俺の、俺らの大切な国民が死ぬんだよ」
いつにも増して真剣に話したからか、3人とも静かになる。
kr「俺は、それくらいの覚悟をしてる」
「今日は、3人全員が気絶するか、俺が一発喰らうまで続ける」
「いいね?」
「「「はい」」」
それからは簡単なことだった。でもコツを掴むのに戸惑ったし、何より大事な仲間を殴ることに抵抗があった。3人を1回ずつ殴って、勝負決まった時。俺の覚悟も、しっかり形を持った。
医務室
kr「ごめんね、?」
「痛いよね、」
目を覚ました3人にまず謝る。手加減するなと言われたし、手加減しないと言った。だがそれとこれとは違う気がする。
pn「いいですよ笑」
「いやぁ、俺たち生意気だったなと思いました笑」
tr「ぺいんとの言うとおりですよ、」
「本気のクロノアさん、3秒も目で追えなかったです」
sn「なんでクロノアさんがトントンさんとよく勝負してるのか、よくわかりました笑」
「僕たちじゃ、クロノアさんの相手はできないです」
kr「みんな、」
落ち込んで見える3人を前に申し訳なくて仕方がない。でもそれを口に出すのは戦った相手に対して失礼だ。
pn「だから、俺たちもっと強くなります」
kr「へ、」
tr「クロノアさんを守れるくらい強く!」
sn「クロノアさんと対等に戦えるくらい?」
tr「いやそれは言い過ぎですよ」
pn「調子に乗ったか」
sn「なんで!w」
そんなふうに俺を目標にしてくれる3人が眩しくて仕方がなかった。今まで大事にしてきてよかったと、心の底から思った。
色々あって、あれから1週間後。戦争の火蓋が落とされそうだった。外周を警備している一般兵から、南の方向から迫ってくる敵兵を確認したと言う報告を受けたのだ。一般兵を即座に国民の防衛にまわし、俺は放送塔へ向かう。
kr「これは緊急放送です。これは緊急放送です。落ち着いて俺の声を聞いてください。今、ntj国南から敵兵有りとの報告を受けました。ntj国民は今すぐ、wrwr国へ避難を開始してください。」
「また、敵兵の到着は10分後と推測されています。国民の皆さん、騒ぎが近くなったら電気を消して、玄関から1番遠い部屋で身を隠すように。とにかく、落ち着いた行動をお願いします。国民の皆さんは、このクロノアが全力を尽くし守って見せます。」
「それでは、行ってきます」
放送を切って、塔の上から持ち場へ向かう。俺の持ち場は最終的に最前線となった。1番最初に接敵する場所である。さあ、始めようか。
kr「こっち殲滅完了です」
ロボロさんと連絡を取り合い、状況報告を都度行う。
rbr「のあさん、次はな、」
「っ!」
「市街地に向かえ!いますぐ!」
市街地、という言葉を聞いてすぐに走り出す。向かいながら詳しい状況を聞く。
kr「どの辺ですか」
rbr「この前のあさんが言ってた、串屋の辺りや」
「住民のほとんどは避難が完了しているが、3番地14宅と他二つの家庭の避難は済んでいない」
「その周辺にいる一般兵は全員戦闘不能にされている。死亡した兵は現在1人。早くしないともっと死ぬ可能性は十分ある。」
串屋の近くの14宅は確かシャルの家だったことを思い出す。その話を聞いた頃にはその周辺についていた。敵兵と戦闘を繰り返しながら進む。正直今冷静さはない。ただがむしゃらに、戦い続ける。何度も不意を打たれたし、怪我もした。頬には切り傷が、腹には刺し傷が、背中には大きな線が入っている。3番地14宅に着いたころ、玄関のドアが開いていた。
kr「っ、」
深呼吸をして中を覗けば、今入ったところなのかシャルを襲おうとする敵兵と必死にシャルを守るメグが見える。2人にすら見つからないように敵兵を切り伏せる。
kr「はぁッ、はぁっ、」
「無事、?」
「シャル、メグさん、」
確認をした直後に向かい、二つ左に行った家からSOSが聞こえる。
kr「この辺はもう誰もいないから、走ってwrwr国まで行って」
「いいね」
それだけ言い残してSOSの元へ走る。酸素が回っていない。失血量が多い。でもそれは止まる理由にはならない。ドアを勢いよく開ければ惨事の後だった。亡くなったと聞いた一般兵だろう。息が止まった。その奥にいる小さな男の子とそのお母さんを見て、その泣き顔を見て、自分の無力さを知る。もっと早く持ち場を離れることができていれば、。そんなこと考えても無駄だと言うことはわかっている。わかっているが、考えないこともできない。固まっていると不意にその男の子の声が聞こえる。
「後ろ!」
kr「ぇ、」
しっかりと頭に一撃くらった。視界が歪むはずなのにそれどころか全てが明瞭に見えた。崩れた体勢を持ち直してすぐ蹴りを出す。
kr「はぁ、」
それで俺の何かが切れた。何が切れたとかそう言うのははっきりしないけど。
「のあくん、?」
不安そうな視線を感じて顔を上げる。右目のあたりを血が伝う。すぐに拭う。
kr「お父さん、守れなくてごめんね」
kr「俺は、今から、やらなきゃいけないことがあるんだ」
「お母さんと一緒に、wrwr国まで、行けるかな、?」
「その怪我で行かれるのですか、?」
お母さんが心配そうに聞いてくれる。こんな、国民1人救えない奴に、ほんと、いい人ばかりだ。この国は、。なんで、こんないい人が悲しまなきゃいけないのだろう。
kr「はい、行きます」
「俺は、どうしても貴方達の大切な人を奪ってしまった俺を許せない」
「大丈夫、死にはしないと思う」
「じゃあ、気をつけてね」
お母さんが何か言いかけた言葉を最後まで聞かずに、走り出す。敵兵がやったことには間違いない。そんなことわかっている。わかっているさ。でも、俺は国民を守ると誓った。宣言した。それを守れないくせに何を言っているんだ。甘えは許されない。許してはいけない。だから、俺は今日、K国を滅ぼすんだ。
それからのことはよく覚えていない。いつの間にか終わっていて、周りには敵兵の死体と血溜まりがあって、なぜかロウという男だけ、目の前に座っていた。
kr「あれ、」
ru「助けてください」
小さな声でそう言い続ける彼を、俺は無意識のうちに生き残らせていたようだ。あぁ、貿易の時にふと思ったことがあったのだった。
kr「ロウ、お前がK国をより良い国に作り変えろ」
「俺はもう、K国には用がない」
それだけを言い残してその場を去った。俺はwrwr国の住民避難所まで足を運んでいた。なぜかって、?謝罪しなければいけないと思ったからだ。戦争が終わったらここへきて、戦況を話すというのが恒例だから。
ドアを開けて国民の前へ立つ。相当ひどい顔と怪我なのか国民の目は、例外なくまんまるだ。
kr「戦争は、終わりました」
「勝ちました」
「俺は、国民を、守り切ることができませんでした」
「あんなことを言っておきながら、ロードを、救えませんでした」
「ごめんなさい」
深く深く頭を下げた。足音がした。
「顔をおあげください」
俺はそれに従って、顔を上げた。あの時心配してくれたお母さん、クロムさん、だったか、。
「クロノア様は何も悪くありません」
「夫は言っていました。この国のために死ねるのなら、そんなに幸せなことはないだろうと」
「私は夫を誇らしく思います」
「クロノア様も、ぜひそうしてくださいませんか、ロードも、名前を覚えてくださっていて、飛んで喜んでいると思います」
「クロノア様、ありがとうございます」
クロムさんは泣きながらも、ゆっくり伝えてくれた。
kr「もちろんですっ、もちろん、誇りに思っています」
「ありがとうございますっ!」
他の国民からも称賛の声をもらった。どうしてそんなことを言ってくれるのかと問いかけると、備え付けのモニターに俺が戦っているところを中継で流していたようだ。「そんな怪我を負っても、吐血しても気を失っても我々を思い戦ってくださったクロノア様には感謝しかない」と言ってくれた。
kr「俺は、あなたたちのような、国民に、恵まれて、」
「しあわせです、」
それだけいって俺は意識を手放した。
tn.side
クロノアさんが戦争を終わらせたかと思えば、すぐに避難所まで向かった。俺も笑えないくらいの怪我をしていたが、クロノアさんが今にも死にそうな顔で歩き出すもんだから、心配でついてきた。
どうやら、国民が1人亡くなったようだ。1人、とはいえどクロノアさんにとっては10人にも1000人にもなり得る大切な人だ。どれだけ絶望したことだろう。どれだけ自分に失望したことだろう。どういって元気を出して貰えばいいだろう。そんなことを考えていると、国民の1人から始まって、いろんな人がクロノアさんに感謝を述べた。クロノアさんは、解放されたような、安心したような、でも一生背負っていくような顔で最後の言葉を口にした後、倒れた。
tn「クロノアさん!!!」
「ロボロ聞こえとるか、担架用意せぇ!」
「今すぐ迎えに来い」
倒れたクロノアさんの元に国民が寄ってくる。でも運び出すのに邪魔にはならないような距離感だった。本当にお互いを思っているんだろうと感じた。担架が来るまでずっと声をかけてくれていた。クロノアさん、あんたはこんなとこで死んじゃだめだよ。こんなにいろんな人に愛されてるんだから。こんなに俺が愛してるんだから。だめだよ。いなくなっちゃだめだ。
ロボロが出した担架に俺も乗せられて城へ帰った。のあさんは運ばれている間に、一言だけ「頑張ってくれたみんなにも、会いに行かなきゃ」と言った。それ以降は一言も発さなかったし意識も戻らなかった。俺とのあさんはぺ神の運営する救護隊の手によって手術をした。俺が起きたのは、手術から3日後だった。現在はさらに2日経った。のあさんは、未だ目を覚まさない。
tn「はぁ、」
sp「まぁた浮かない顔して」
「その顔でクロノアくんと会うの?」
tn「あー、いや、」
sp「ふふ、意地悪言ったね」
「心配だもんね」
tn「おん、」
俺はぺ神に運動を禁止されているから、書類整理をするかのあさんを見つめるくらいしかやることがない。だから俺は、午前中と寝る前にここに立ち寄る。手を握って、自分の額にあてて一息ついてでていく。最近はずっとそれの繰り返しだ。
sp「俺の予想だともう起きていいんだけどなぁ」
kr「そう、なんですね、」
tn「のあさん!?」
kr「へへ、実は起きてました」
tn「え、いつ、」
kr「トントンさんがため息ついたところかな」
tn「もぉー、心配してたんよ、?」
kr「ごめんね笑」
「心配してくれてありがと」
tn「それはいいですけど、」
いつの間にか目を覚ましていたのあさんは、イタズラっぽく笑う。本当に申し訳ないと思ってるのか、、。まぁ、生きててくれたらそれでいいけど、。
tn「はぁ、」ポロッ
「ぁれ、」
「とまんなッ、」
kr「、とんとんさん、」
「ょ、、いてて、」
俺が静かに泣いていると、のあさんが体を起こして抱きしめてくれた。
tn「のあさ、、むりしちゃ、」
kr「やだ、これは無理じゃない」
まだ全身が痛いだろうに俺を離そうとしないのあさんは、温かった。のあさんの体温を感じて、とても安心したことに気づいた。そっか、のあさんは死なないって確信はしてたけど、本当かどうかはわからない。不安だったのか。
tn「のあさん、」
「のあさん、」
噛み締めるように何度も口に出す。よかった。目が覚めてよかった。
kr「なぁに、トントンさん」
優しい声。久しぶりにゆっくり抱きしめられた。
tn「愛してます」
「もう俺を置いて、どこにも行かないで、」
気がついたらそう言っていた。無意識だった。
kr「俺も愛してるよ」
「今回はごめんね」
のあさんは少し間を空けて俺だけの声でそう言う。
sp「ちょっとー、俺のこと忘れてない?」
kr.side
kr「忘れてないですよ笑」
しんぺいさんが不服そうに言ってくるから思わず笑う。
kr「ッ、」
全身が軋むように痛む。やっぱり今回は無理をしすぎたようだ。まぁ、その間の記憶はないんだけど。
sp「大丈夫?」
「クロノアくん、今回いつもと違う怪我の仕方だったけど、」
kr「あぁ、笑」
「いや、それが俺もよく覚えていなくて、」
sp「え、」
俺がいくらしんぺいさんと話していようがトントンさんは、俺を離さない。随分心配かけたなぁと、申し訳なくなるが同時に甘えたで可愛いなと思う。しんぺいさんはと言うと、覚えていないことに絶句していた。
kr「そんなにひどかったですかね」
「切り傷は多かった印象ですけど」
sp「ほんと、、怖くなってきた、」
「普通の人、そんな怪我したら2度と歩けないくらいなんだよ?」
kr「そんなか、」
自覚がないしどんな攻撃手段を用いたかすらも記憶にないから、実感がない。んー、まぁ動けるようになったらわかるか。ん?なんか走る音がする。聞こえてくるとトントンさんはしぶしぶ離れた。
「「「クロノアさん!!!」」」
kr「お、」
ntjのみんながすごい勢いでドアを開け放った。
pn「お、じゃないですよ!!」
「どれだけ心配したと思ってるんですか!」
sn「ほんとですよ!」
「クロノアさん暴走するし、なんか1人で避難所まで行ってるし、そしたら倒れたとか聞いて!」
「ほんとに死んじゃうかとッ、」グスッ
kr「ごめんね、笑」
tn.side
もう少しくっついていたかった、。はぁ、でもまぁ仕方ないだろう。さすがにntjメンバーのまえでイチャイチャできない。のあさんは、自分がもっと強ければなぁと言う顔をしている。申し訳なさそうで、困っていて、なんだか儚くて。すぐにどこかに行ってしまいそうな雰囲気を持つのあさんは、怖い。
–ジジジ—
『書記長様聞こえますでしょうか!』
俺のインカムに声が届いた。他のメンツにはいってないようだ。俺は話を待ってもらうようにして応答する。
tn「こちら書記長トントン、どうした」
『クロノア総統に言伝があるのですが、目をお覚ましになりましたか』
tn「あぁ、ついさっき」
『変わっていただくか、スピーカーにしていただいてもよろしいでしょうか!』
tn「わかった、変わる」
『ありがとうございます!』
tn「のあさん、一般兵から」
それだけ告げてインカムを渡す。
kr.side
kr「お疲れ様、どうした?」
『お疲れ様です!』
『ただいま城の入り口を背にし、東の方向に、我が国を目標としている可能性が高い兵が多く見られます!』
『どういたしますか』
kr「どこの国かわかる?」
『国の旗を掲げておりM国だと見受けられます!』
M国は確かK国と強く関係を持っていた国だ。俺たちとの戦争を前に連絡をとっていた可能性は十分にある。トントンさんに手を出してもらい、Mとだけ書く。察してくれたのか、おそらくゾムさんに連絡を入れてくれた。
kr「わかった」
「できるだけ遠くで様子を見てもらっていいかな」
『了解しました』
kr「これからの連絡は俺のインカムに直接で大丈夫だから」
『はい!失礼します!』
–プツ–
kr「さて」
俺は一息ついて立ち上がる。軽くストレッチをして、体の痛いところを探る。右肩と、腰、背中左脇腹ぐらいだろうか。
pn「え、え、?」
「何してるんですか」
kr「これから仕事かもしれないよ」
「準備しておいで」
「確認に行ってくる」
pn「クロノアs」
tr「わかりました」
kr「ありがと」
トラゾーは相変わらず察しがいいな、と感心しつつ放送塔へ向かう。道すがら部屋に立ち寄り、服を着替え、剣を取る。体の痛まない動き方を探しつつ、登っていく。報告のあった方角を見る。やはり俺の国の兵は優秀だ。姿を確認し、さらにここを目標にしていることを確実だと判断し、幹部へ一斉通信する。
kr「幹部の皆さん、ご心配おかけしました」
「クロノアです」
「先ほど兵からの報告を受け事実確認をしたところ、東方面より向かってくるM国の軍団を確認しました」
「これは、宣戦布告のない戦争を意味します」
「到着予想は1時間半弱、今すぐ準備をお願いします」
『了解』
14人分の返事を聞いて、国民放送に切り替える。
kr「国民の皆さん、ご心配おかけしました」
「総統のクロノアです」
「連日となってしまい申し訳ないのですが、現在、東の方角」
「ntj国から城を見て左、wrwr国から城を見て右から」
「M国の兵の接近を確認しました」
「西の方向への避難をお願いいたします」
「まだもう少しだけ猶予があります」
「この間のように、落ち着いて避難をしてください」
「今度こそ、悲しい思いをさせないよう、精一杯努めます」
「待っていてください」
放送を終わりにすると両国から歓声が聞こえた。俺1人に注がれるエールだった。心を引き締めて、塔を降りた。
俺たちの戦争は、俺の、この心は、この国とともにある。
完