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係員が合図を送ってきた。
俺はテレキャスターを背負って、二年ぶりに表舞台に出た。
大歓声が耳に詰まる。
最前列に去年の幹事長、英治が見えた。意外だ。羽田氏も客席にいた。目を少しずつ上に上げる。サークルの先輩、同輩、後輩が、喫茶店のマスター、ウェイトレスが、バイト先の仲間が、スタジオのオーナーが、食堂のおばちゃんが見えた。遠くスロープに沿って並ぶ木々が、人の中に植わっている。この日を期待していたのは、俺一人ではなかったのか。
続いて、バルドゥビーダさんが小走りに、ステージに登場した。あの走り方、あのギターは、待ち受け画面の頃と変わらない。