なんやかんやあって心さんが家に泊まることになった。
和馬「おい、夜麻」
夜麻「おー、お兄おかえり」
和馬「この事ちゃんと言わなかったな?」
夜麻「あ!心ちゃんいらっしゃい!」
心「夏祭り以来だね!」
和馬「心さんくるなら先に言えよな」
夜麻「だってお兄ちゃん起きてもずっと部屋にいるじゃん」
心「出不精なんだ。まあ、意外じゃないや」
和馬「失礼な」
心「じゃあ今日と夏祭り以外で外出したのは何回?」
和馬「……ないですけど」
心「やっぱり。ここで出不精な君に提案をしよう!」
心「海に行こう!」
和馬「行かない」
心「即答すぎなんだけど!?」
心「なんなら被ってたし!」
和馬「っていうか心さん人混み苦手なのにまた人がいる所行くの?」
心「海は夏祭りより平気だから!」
心「んー、あ、夜麻ちゃんは行く?」
夜麻「ボ、私はいいや。」
心「そっかー、優くんもくるよ?」
和馬「優で釣れると思ってるの?」
心「固いなー」
夜麻「お兄ちゃんブレないよ、これじゃ」
心「気が変わるまで待つか。夜麻ちゃん遊ぼ!」
夜麻「うん!」
和馬(俺は部屋にいるか)
西陽がジリジリ日をさす頃、リビングからする楽しそうな声に落ち着きが見られた頃
和馬「あー、だりぃ」
心「どうしたの?」
和馬「夕食、俺が作るんだけど、大丈夫?」
心「なんで?」
和馬「嫌じゃないかなって」
心「思わないから!なんなら逆に食べてみたいくらいなんだけど」
和馬「じゃあ作るかー」
夜麻「今気付いたけど、お兄ちゃん敬語抜けたね」
夜麻「いつ抜けたの?」
和馬「ちょうど夏祭りの時」
夜麻「2人は…どういう関係?」
心「どういう…君はどう思う?」
和馬「知り合い、ではないし。友達…じゃない?」
心「そっか、友達か……!」
夜麻(嬉しそう)
夜麻「友達なら海付いて行った方がいいんじゃない?不審者、とかいるだろうし」
和馬「……俺が海嫌いなの分かって言ってるだろ」
夜麻「心ちゃん可愛いから危なそうだなー」
夜麻「可愛い妹のためだと思ってさ。ね?」
和馬「はぁ、分かったよ。行くよ」
心「え?!いいの?」
和馬「行かないって言っても心さん諦めないでしょ」
心「半分諦めてたんだけど…」
心「あ、好きなものには弱いって……」
和馬「…なんだよ」
心「シスコンだったんだ……」
和馬「違う、断じて違う」
心「隠さなくていいのにー」
和馬「俺の拒否権はいまだにないのか」