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#からぴち
まい
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第32話 部長らしく
11月も終わりに近づいていた。
朝、布団から出るのが少しずつ嫌になってくる。
吐いた息が、ほんの少し白くなった。
💚「さむーーーい!!」
外に出るともう極寒!!
俺は寒がりだから、もしこれ以上気温が下がったりしたらまじで冬眠しちゃうって!
💛「朝からうるさいなぁ。」
隣を歩くたっつんが、呆れたように笑う。
💚「だって寒いんだもん!」
💛「俺だって寒いわ。」
たっつんも寒がりだ。
鼻先が赤くなっている。
💚「じゃあ一緒じゃん!」
💛「何が?」
💚「寒がり仲間!」
💛「なにそれ。」
そんなくだらないことを言いながら、二人で校門をくぐり、教室へ向かう。
ついこの前まで、俺たちはまともに話すことすらできなかった。
でも今は、こうしていつも通りに笑えている。
……よかった。
本当に、よかった。
そう思いながら、俺は教室のドアを開けた。
*
放課後。
💛「じゃぱぱー! 今日、相談来てるでー!」
💚「ほんと!?」
部室に入るなり、たっつんが一枚の紙を差し出してきた。
💛「うん。文化祭終わってから、ほんまに増えたなぁ。」
💚「なんでも相談部、大人気じゃん!」
💛「部長さん、嬉しそうやな。」
💚「そりゃ嬉しいよ!」
俺は紙を受け取った。
相談内容を読む。
学校生活についての、ちょっとした悩みだった。
💚「よし! 今日も頑張ろう!」
💛「おー。」
たっつんが軽く手を上げる。
俺も手を合わせた。
💚「……って、たっつんは今日は別の相談担当だったね。」
💛「え?」
相談が増えてから、こうしてそれぞれで違う相談を受けることも増えた。
💚「俺が、この相談やるね!」
💛「いや、俺も一緒に――」
💚「大丈夫大丈夫!」
俺は笑った。
💚「最近、俺もだいぶ相談に慣れてきたし!」
💛「……そう?」
💚「うん!」
たっつんは少しだけ不安そうな目で俺を見つめた。
でも、それ以上は何も言わなかった。
*
💚「うーん……。」
相談者が帰ったあと。
俺は机に突っ伏していた。
💚「……難しい。」
💛「どないしたん?」
向かいの席に座っていたたっつんが聞く。
💚「いや……。」
さっきの相談。
いろいろ考えた。
話も聞いた。
一緒に方法も探した。
でも――。
💚「俺、ちゃんと力になれたのかなって。」
💛「ちゃんと話聞いとったやん。」
💚「でも、結局答えは出せなかった。」
💛「……。」
💚「もっといい方法、あったんじゃないかな。」
俺は机の上の相談用ノートを見る。
ページには、俺が書いたいろんな案が並んでいる。
💚「せっかく相談しに来てくれたんだから、ちゃんと解決してあげたいんだよ。」
💛「…じゃぱぱ。」
💚「ん?」
💛「相談って、全部『答え』を出さないかんもんなん?」
💚「……え?」
たっつんは、いつものように笑っていた。
💛「まあ、そりゃ解決できるならした方がええけど。」
💚「……。」
💛「俺らが全部答え出さなあかんわけやないやろ。」
💚「……でも。なんでも相談部はなんでも解決するし、それに俺は――」
俺はノートを閉じた。
たっつんの目を見る。
その瞳が微かに揺れている。
💚「この部活の、部長だから。」
💛「……。」
💚「みんなが相談しに来てくれるなら、俺がちゃんとしなきゃ。」
たっつんが、少しだけ目を細めた。
💛「最近、よう言うな。それ。」
💚「え?」
💛「『俺は部長だから』って。」
💚「……。」
自分でも、気づいていた。
最近、何かにつけてそう言っている。
相談が来たら、俺がやる。
困っている人がいたら、俺が助ける。
うまくいかなかったら、俺のせい。
💚「だって……。」
俺は小さく呟いた。
💚「みんな、俺たちを頼って来てくれるんだから。」
💛「……うん。」
💚「だったら、ちゃんと応えたいじゃん。」
たっつんは何も言わなかった。
*
その日の帰り道。
💚「じゃあ、また明日!」
💛「おう。」
家に着いて、自分の部屋に入る。
鞄を置いて。
制服を着替えて。
机の上に学校のプリントを広げる。
💚「……。」
期末考査。
その文字が目に入った。
💚「……あ。」
そういえば、もうすぐだった。
教科書を開く。
国語。
数学。
理科。
社会。
英語。
💚「…………。」
俺はそっと教科書を閉じた。
💚「……明日からやろ。」
そして、今日の相談ノートを開く。
さっきの相談について、もう一度考える。
もっといい方法はなかったのか。
別の考え方は。
もっと、相手のためになる答えは――。
💚「……。」
気づけば、時計の針が進んでいた。
*
翌日。
💛「じゃぱぱ。」
💚「ん?」
💛「昨日、ちゃんと寝た?」
💚「……寝たよ?」
💛「何時間?」
💚「…………。」
💛「何時間寝たん?」
💚「……わかんない。」
たっつんがため息をついた。
💛「顔に出とるで。」
💚「え、そんなに?」
💛「うん。」
💚「……まあ、ちょっと考え事してた。」
💛「相談のこと?」
💚「うん。」
💛「……そっか。」
また、たっつんは、それ以上何も言わなかった。
*
放課後。
また相談が来た。
💚「じゃあ俺、行ってくる!」
💛「待って。」
たっつんが呼び止める。
💛「……俺も行くで。」
💚「え?」
💛「二人でやろうや。」
💚「……。」
一瞬、俺は迷った。
でも――。
💚「……うん。」
頷いた。
ふたりで半分こって約束したし。
たっつんが隣に並ぶ。
💛「じゃ、行こ。」
💚「うん!」
二人で相談者の待つ部屋へ向かう。
廊下の窓から見える空は、もうすっかり冬の色だった。
日が落ちるのも早くなった。
寒くなった。
期末考査も近づいている。
やることは、きっとこれからもっと増えていく。
でも俺は
もっと、ちゃんとしなきゃ。
もっと、頑張らなきゃ。
『もっとみんなの期待に応えなきゃ。』
だって俺は――。
この部活の、部長なんだから。
コメント
6件
うーん、抱え込まないでほしー!たっつん直してあげて、、、!今回も面白いし好きです!♡200いきました!頑張ってください🙏
ここまで読んでくださりありがとうございます! 書くの忘れてたんでコメント欄で! 次回 第33話 君らしく ♡100↑
うわ、この回めっちゃ胸にきた……。じゃぱぱが「部長だから」って自分にプレッシャーかけまくってるところ、見てて切なくなったわ。たっつんの「全部答え出さなあかんもんなん?」って言葉、優しく刺さるよな。寝不足で顔に出てるのに気づかないふりするとことか、もう完全に頑張り屋さんの典型。でも二人で半分こって約束、ちゃんと生きてるのがいいんだよな。期末と部活の両立、応援したくなる回だった🔥