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#からぴち
まい
204
123
第33話 君らしく
次の日。
朝から、なんとなく身体が重かった。
ちゃんと寝たはずなのに、頭がぼんやりする。
💛「じゃぱぱーっ?」
💛「じゃぱぱーっ?起きてるーっ?大丈夫?」
隣を見るとたっつんが俺の顔を覗き込んでいた。
💚「え?あ、うん。起きてる起きてる。」
💛「ふーん……?」
校門をくぐり、教室に入って席に座る。
机の上には、昨日配られた期末考査の範囲表。
💚「……。」
もうすぐ期末考査。
勉強もしなきゃいけない。
でも、部活には相談がたくさん来ている。
それに――。
昨日の相談。
結局、ちゃんとした答えを出せなかった。
💚「……もっと頑張らないと。」
小さく呟いた。
*
放課後。
いつものようにたっつんと部室へ向かう。
💛「よし、やるかー。」
💚「うん!」
笑顔を作る。
……大丈夫。
今日も頑張ろう。
そう思った、そのとき。
💛「じゃぱぱ。」
💚「ん?」
💛「今日の相談、二つ来とるで。」
💚「二つ?」
💛「うん。」
机の上には、相談用の紙が二枚。
俺はそれを見た。
💚「じゃあ、俺こっちやる!」
すぐに一枚を取る。
💛「……俺も一緒にやるで?」
💚「大丈夫!」
昨日と同じ言葉。
たっつんが少しだけ黙る。
💚「俺、部長だからさ。」
💛「……。」
そして、俺は相談者の待つ教室へ向かった。
*
相談者の話を聞く。
悩みは、簡単なものじゃなかった。
俺は必死に考えた。
こうしたらどうだろう。
じゃあ、これは?
でも――。
どれもしっくりこない。
💚「……。」
相談者も困ったように笑う。
「やっぱり、難しいよね。」
💚「……ごめん。」
「え?」
💚「俺、ちゃんと解決してあげたくて……。」
「ううん。話聞いてもらえただけでも、ちょっと楽になったから。」
そう言って、相談者は帰っていった。
扉が閉まる。
静かになった教室。
💚「…………。」
俺は椅子に座ったまま、動けなかった。
*
部室に戻る。
たっつんはまだ自分の相談を終えていなかった。
俺は自分の席に座る。
机に肘をつく。
💚「……。」
なんだろう。
すごく疲れた。
身体が重い。
頭も、ぼーっとする。
でも――。
💚「……もっと頑張らなきゃ。」
そう呟いた。
💛「……じゃぱぱ。」
💚「あ、相談終わった?」
💛「…終わった。そんなことよりさ。」
💛「もう頑張っとるやん。」
💚「……。」
たっつんがこっちを見る。
💛「昨日も遅くまで相談のこと考えとったやろ。」
💚「……なんで知ってるの?」
💛「顔に書いてある。」
💚「そんなの書いてないよ。」
💛「書いてある。」
たっつんが少し笑う。
でも、その目は笑っていなかった。
💛「なあ、じゃぱぱ。」
💚「……うん。」
💛「俺に相談してみ?」
💚「え?」
💛「なんでも相談部やろ?」
たっつんは、自分の椅子を俺の方へ少し近づけた。
💛「今日の相談者は、じゃぱぱ。」
💚「………え?」
なんだか変な感じがした。
いつもなら、俺が相談を聞く側なのに。
今日は逆。
俺は部長なのに、相談者になってもいいのかな。
💚「……何を相談すればいいの?」
💛「今、困っとること。」
💚「…………。」
俺はしばらく黙った。
言葉が出てこない。
でも。
たっつんは急かさなかった。
ただ、待っている。
💚「……俺。」
やっと声が出た。
💚「俺、ちゃんと部長できてるかな。」
💛「……うん。」
💚「みんなが相談しに来てくれるのは嬉しい。」
💚「頼ってもらえるのも嬉しい。」
💚「でも……。」
胸の奥が、少しだけ苦しくなる。
💚「ちゃんと答えを出さなきゃって思うんだ。」
💚「せっかく相談しに来てくれたのに、何もできなかったら……俺、部長失格なんじゃないかなって。」
💛「……。」
💚「それに、もうすぐ期末考査もあるし。」
💚「勉強もしなきゃいけない。」
💚「部活のこともやらなきゃいけない。」
💚「みんなのことも……。」
そこまで言って、言葉が止まった。
💚「…………。」
自分でも気づいていなかった。
こんなにたくさんのことを考えていたなんて。
💚「……俺。」
ぽつりと呟く。
💚「もしかして……結構、無理してたのかな。」
たっつんは、少しだけ目を細めた。
💛「……うん。」
💚「やっぱり?」
💛「ちょっとだけな。」
💚「そっか……。」
俺は椅子の背もたれに身体を預けた。
力が抜ける。
💚「……なんか、疲れちゃった。」
💛「うん。」
💚「頑張らなきゃって思ってたのに。」
💛「うん。」
💚「……疲れちゃった。」
たっつんは、何も否定しなかった。
ただ、静かに俺の言葉を聞いてくれた。
*
しばらくして。
たっつんが、ふと口を開いた。
💛「じゃぱぱさ。」
💚「ん?」
💛「昔、俺みたいになりたかったんやろ?」
💚「……。」
夏休み。
あのとき話したことを思い出す。
あのアルバムを広げて。
💚「あー……。」
そういえば。
あのとき、たっつん――。
💚「……。」
顔、めちゃくちゃ赤かったな。
思い出すと、ちょっと面白い。
でもその後は、あのかわいい笑顔で笑ってたな。
💛「……なんや、その顔。」
💚「いや、別に。」
💛「絶対なんか思い出したやろ。」
💚「なんでもないって!」
たっつんが少しだけぷくっと頬を膨らませる。
そして。
ふっと表情を戻した。
💛「でもな。」
💚「うん?」
💛「一つだけ、君は勘違いしてる。」
💚「……え?」
たっつんは、俺の目をまっすぐ見た。
💛「…君が憧れた『たっつん』だって、なんでもできるわけやないで?」
俺の中の君は。
なんでもできて。
なんでも得意で。
なんでも上手い。
でも、なんでもできるわけじゃない?
💚「……。」
💛「そりゃ、俺だって人間やし。」
💛「そんな何でも完璧にできるわけやないやん。」
💚「…………。」
💛「失敗することもある。」
💛「分からんこともある。」
💛「疲れることだってある。」
俺は黙って、たっつんの話を聞いていた。
💛「だからさ。」
たっつんが少し笑った。
💛「これは、君が憧れた『たっつん』からの助言!」
💚「……助言?」
💛「今みたいに、何でも真っ直ぐに向き合うのもええ。」
💛「真面目に、一生懸命やるのもええ。」
💛「でも、それだけやと……疲れちゃうやろ?」
💚「……。」
💛「もっと、賢く生きよう。」
💚「え?」
💛「ズルいなんて言わせへんで。」
たっつんは、少し得意げに笑った。
💛「結局は、賢い者が勝ちや。」
💚「……。」
俺は少し考えた。
💛「…たとえ、雨のち曇りの日々だって。」
💛「明日はきっと晴れる。」
💛「そうやって生きてもええんやで。」
その声は、いつものたっつんより少しだけ優しかった。
優しく微笑むその顔になんだか安堵した。
💛「俺はな。」
💛「じゃぱぱには、じゃぱぱらしく生きてほしい。」
💚「…………。」
胸の奥が、じんわりと温かくなる。
俺はずっと。
たっつんみたいになりたかった。
強くて。
優しくて。
なんでもできる。
そんな人に。
でも――。
たっつん自身は。
俺に『自分みたいになれ』とは言わない。
むしろ。
俺に、『俺らしくいてほしい』と言ってくれる。
💛「もしこれから先、大きな壁に阻まれたら。」
💛「君はきっと、それを乗り越えようとするやろ?」
💚「……うん。」
💛「でも、そんなことしてたら、きっと大変や。」
💛「だからさ。」
💛「そんなときは、回り道して避けてもええんちゃう?」
💚「……回り道?」
💛「うん。」
💛「だって、そっちの方が楽やん!」
💚「……確かに。」
思わず笑ってしまった。
たっつんも笑う。
💛「ほら、暗い顔すんなって!」
💚「え?」
💛「せっかくのかっこいい顔が台無しやで?」
💚「……かっこいい?」
💛「…うん。」
たっつんが笑いながら、俺の背中をぽん、と叩く。
💛「俺が背中押したるからさ!ほら!」
💚「……はは。」
俺も笑った。
💛「じゃぱぱならきっと大丈夫!」
さっきまで、あんなに重かった身体が。
ほんの少しだけ、軽くなった気がした。
💚「うん、ありがとう。」
💛「う、うん…。」
たっつんの顔がみるみるうちに赤く染まっていく。
💛「ま、まあな…!俺、副部長やし。」
💚「うん。」
💛「てかお前!この前喧嘩した時、『一緒に歩きたい』とか言ってたくせにさ!!結局全部自分でやろうとしてるやんけ!」
💛「ふざけんな!!」
あ、いつものたっつんに戻った。
💚「ごめんって笑。」
💛「せっかく俺らは凸凹なんやからさ、2人でやったほうがもっといいアイデアが出るはずやろ?」
💚「確かに…そうだね。」
今度はちゃんと、笑った。
いつも通りに。
*
帰り道。
外はすっかり暗くなっていた。
💚「寒っ……。」
思わず肩をすくめる。
💛「また言うとる。」
💚「だって寒いんだもん。」
💛「はいはい。」
たっつんが笑いながら俺の手を握り、ポケットに入れてくる。
たっつんの手も冷たい。
俺も笑った。
今日、俺は。
何かができるようになったわけじゃない。
相談を全部解決できるようになったわけでもない。
期末考査だって、まだこれから。
でも。
一つだけ分かった。
頑張ることだけが、正解じゃない。
立ち止まってもいい。
誰かに頼ってもいい。
遠回りしたっていい。
そして――。
自分らしく生きてもいい。
隣を歩くたっつんを見る。
昔も今も変わらず、ずっと憧れている。
俺の『ヒーロー』。
でも今は。
ただの憧れの『ヒーロー』じゃない。
俺の隣にいてくれる、何よりも大切な君。
俺は小さく笑った。
💚「……たっつん。」
💛「ん?」
💚「今日、相談してよかった。」
💛「……そっか。」
たっつんも、少しだけ笑った。
冷たい風が吹く。
でも、不思議と。
さっきより寒くなかった。
気づくともう家の前だった。
💚「じゃ、また明日。」
💛「また、明日。」
たっつんの手を離し、家のドアをあける。
💚「え?たっつん帰んないの?」
俺が振り返ると、たっつんはまだその場に立っていた。
さっきから一歩も動いてない。
💛「え?あ、いや帰る帰る!!」
なんだか少し慌てている
💚「?」
……変なの。
ここまで読んでくださりありがとうございます!
今回は部長さんのお悩みでした!!
部長でも、じゃっぴらしく、いれたらいいですね!
今回も曲イメージです!笑
曲イメージ多いんですけど、好きなんですよね笑
全曲コンプリート目指してます笑
今のところ終わったのは
(ゆびきりレイン、マイヒーロー、サマーコール、Stories、これからメシ☆、ヴィヴァナッジです)
(Da-ChoとシャンパンタワーとかToriko!!!!とかいれるのめっちゃ難しいからコンプリートできないかも笑)
次回 第34話 もう一回挑戦しよ! ♡100↑
コメント
8件
ヴィヴァナッジって分かった!我天才!コメントしなきゃって思って見たら先こされた、(泣)まぁ合ってたし?大丈Vでしょ!なんつって!長文失礼!頑張ってください🙏
ヴィヴァナッジだー!
うわあ……たっつんが「今日の相談者はじゃぱぱ」って言ったところ、じんわり来ましたね……。ずっと自分を追い込んでたじゃぱぱが、初めて「無理してたかも」って言葉にできたの、すごく大事な一歩だと思います。「頑張ることだけが正解じゃない」って、たっつんに言ってもらえたの、読んでてほっとしました。ラストの手を繋いで帰るシーン、寒いのに温かい気持ちになりました🤍