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【反キリストを思わせるような描写があります。ご注下さい】


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「…あぁ、来るなと伝えたのに。」


エリオが、犯されている。

暗い室内で、廊下の灯りに、見ていてこの上なく気分が悪くなるような笑みを浮かべたガイオと一緒に照らされている。ズボンを脱がされ、上着がはだけ、神父に抱きかかえられて。あられもなくしっかりと此方に向けられた彼の下半身に、獣のペニスが刺さっている。手が震えて声が出ない。汚い、汚い。私の天使が目の前で汚されている。エリオの顔を、見てやれなかった。泣いている事しか、分からない。

「この子はいいねぇ…泣く様も綺麗だ。やっぱり、に息子によく似てる」

ガイオが小さくため息を吐いて声を出した。気持ち悪い。声を出すな。天使を汚した獣の魔女め。私の足が言うことを聞かず、まっすぐ二人の方へ向かう。拳を握りしめ、気付かぬ内に神父の皮を被ったこの獣の顔を殴っていた。何度も、何度も、何度も。何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も。自身の拳の皮がすり減り、血液が滲むくらい。人を殴ったのは、これで2度目だ。1度目はいつか、思い出せないけれど

飛び出た男の目玉を踏みつぶしてしまい、ようやく我に返った。

「……エリオ」

赤黒い汁が付着した手を彼の頬に伸ばす。そこでようやく顔を見た。目元を泣き腫らし、殴られたのか、口元も赤くなり少し膨らんでいる。私の、私だけの天使の純白の大きな翼は、見る影もなく汚れ、目も当てられなくなってしまった。

「…もう、死んでる?」

エリオが口を開き、私の手に頬を擦り付けて問い掛けてくる。こないだ撫でた時と変わらない、暖かい頬。反対の手を彼の背中に回し、抱きしめた。

「うん。もう、君を痛めつけた獣は死んだよ」

涙が零れそうになったが、下唇を噛んで堪える。泣きたいのは、私じゃない。

「……女神様の銅像の前だから、ユーリもう、御加護もらえないや…汚れちゃった、ぼくも…ごめんなさぃ……」

そういうとエリオは私の肩に顔を埋め、静かに泣き出した。怖かった、苦しかったと何度も呟いて。彼を抱きかかえて立ち上がり、彼のいう銅像の前へ向かう。マリアが、何食わぬ冷たい顔で此方を見ている。

「目の前にしてエリオを助けられない愚者の加護なんて、俺はいらないさ。」

鉄臭い手をマリアに伸ばし、顔をなぞる。綺麗な大理石の色がたちまち赤黒く変わった。私はマリアの鼻先に僅かに入ったヒビを殴りつけ、鼻をへし折った。神でもなんでもない、ただの石の感触だった。

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