レロのやり返し! 『』めろ 「」レロ
抱き合ったまま、しばらく。
メロの腕は相変わらず緩む気配がなく、
レロはその温度に身を任せていた――が。
(……今だな)
完全に油断している。
そう確信した瞬間、レロは一気に動いた。
「……っと」
ぐるり、と体を入れ替え、
流れのまま壁へ。
『――え?』
一瞬で形勢が逆転する。
背中が壁に当たり、
メロはぱちりと目を見開いたまま固まった。
『……っ!?』
理解が追いつくより先に、
頬にじわじわと熱が集まっていく。
「はは……やっと隙見せた」
余裕のある声。
さっきまでとは違う、完全に“勝ち側”の表情。
「ここまでにしとく」
そう言って、
レロは一歩だけ距離を引いた。
『……』
数秒の沈黙。
そして、少しだけ唇を尖らせて。
『……なんで、途中で止めるんですの……?
期待してましたのに』
ムッとしたような、
不満を隠さない表情。
その仕草が――
あまりにも、無防備で。
「……っ」
レロの心臓が、跳ねた。
(……妹なのに、これは反則でしょ……)
一瞬、言葉を失って視線を逸らす。
「……調子乗るなよ。
俺が本気出したら、もっと大変なんだから」
『……ふふ』
赤いままの頬で、
それでも目だけは楽しそうに細める。
『では……次は、最後までなさいます?』
「しない!!」
即答。
でも、その声は
さっきより少しだけ、慌てていた。
――勝ったはずなのに、
最後に動揺したのはレロの方。
からかい合いの均衡は、
まだまだ崩れそうにないままだった。






