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こちらはirxsのnmmn作品(青桃)となります
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n番煎じの「〇〇しないと出られない部屋」ネタ。
密室に閉じ込められた初期組三人のお話です。
ないちゃんは言わずもがな、自他共に認める「効率厨」だ。
でも最近では、いふくんもその傾向があると思う。元々「慎重・堅実」と評されることが多い彼だけど、それは「優柔不断」とは違う。やるべきことが分かっている時の決断は、いふくんもないちゃんに及ばずとも割と早い。
…今僕は、それを身を持って実感している。
「なに…ここ」
ぐるりと辺りを見回すけれど、そこはホテルだかレンタルルームだかの一室のようだった。大きな窓にカーテン、テレビ、テーブルと椅子が1セット、大きめのベッドにソファがシンプルに並んでいる。キッチンにはコンロ一つと冷蔵庫もあるから、数時間過ごすには何ら不自由はなさそうだ。
だけどここで何をすればいいのか、何も知らされないままスタッフに連れられてきた。その狭い部屋で顔を付き合わせたのは、僕たち初期組3人だけだ。…あれ、そもそもあんなスタッフうちにいたっけ。
少し嫌な予感を覚えた瞬間、ないちゃんが「…うわ、まじか」と苦虫を噛み潰したような顔で小さく舌打ちした。その目線の先は、さっき入ってきたばかりのこの部屋の扉。入ってくる時には気にもしなかったその扉の内側を、振り仰ぐようにして僕も見上げた。
それから、大きく目を見開く。
「…セックス…しないと出られない部屋……?」
扉の上に書かれているその字面の意味が脳にたどり着く前に、ただ声に出して読み上げる。そしてそれから一拍分は余裕で遅れて意味を理解した。「はぁぁぁぁ!?」と、思わずいつもより一際大きな声が出る。
「いたずらやろ、どうせ」
いふくんが扉の方へすたすたと歩み寄り、ドアの取っ手に手をかけた。がちゃんとそれを下ろそうとしたけれど、びくともしない。その上についている鍵も、半回転させようとするけれど空回るばかりで錠が外れる気配はない。
「…まじ?」
そんな風にため息をつくものだから、僕は思わず更に大声を上げた。
「ちょ、ちょっと諦めないでよ…! 大体なに、この部屋! 漫画かなにかで使い古されたような要求してきてさぁ…! いたずらに決まってるじゃん!?」
「そうは言うても、ほんまに開けへんしな」
首を竦めるいふくんのそんな言葉を受けてか、ないちゃんはドアを開けることは諦めたとでも言うように部屋の奥へと戻って行った。とすんとソファに雑に腰かけると、長過ぎる足を尊大に組む。
「まぁいたずらにしろ本気にしろ、できることは一つじゃんね」
ないちゃんのため息混じりのそんな言葉の意味を理解するのに、さすがの僕でもさほど時間はかからなかった。
「ちょちょちょちょっと待って…!」
これだからしごでき効率厨は困る。感情なんて置き去りにして、現状を打破する唯一の最短ルートを突き進もうとする。
「そ、そんな簡単にそういうことしろって言われてもさぁ!?」
ないちゃんを追いかけて行ったはいいものの、ソファとは少し距離を取り、リビングの入口で僕は足を止めた。同意を求めるように後ろを振り返ったけれど、玄関の方からこちらに歩み寄ってきていたいふくんは、僕と目が合うと言葉なくもう一度首を竦めてみせた。そんないふくんの代わりにとでも言わんばかりに、ないちゃんが言葉の先を引き取る。
「まぁまぁ。条件は『セックスすること』でしょ? 別に3人じゃないとだめとは言われてないよね」
言って、ないちゃんは左手を持ち上げた。それから指を中へ折って広げてを繰り返し、ちょいちょいといふくんを呼ぶような仕草をする。
「…まぁ、それしかないよな」
吐息まじりに呟いて、いふくんは僕の横をすり抜けた。…は!? 嘘でしょ!? あの慎重で堅実ないふくんが、こんなあっさりこの展開を飲み込むの!? いつからそんなにないちゃんに毒されて効率を求めるようになっちゃったのさ。
「いむはイヤホンでもして、ベッドで布団にくるまってな」
にやっと笑って、ないちゃんは僕のワイヤレスイヤホンをぽいと放る。それを何とか空中で受け止めると、今度はいふくんにぐいと肩を押された。近くのベッドに倒れ込むと、言葉通り毛布と掛け布団を被せられる。
「終わって鍵開いたら呼んであげるよ」
毛布に覆われて視界が暗闇に遮られていく中、ないちゃんの楽しそうなそんな声が聞こえた気がした。
…うそでしょ、何で平気な顔してそんな選択できるの? いくら人間的に好意を持っているメンバー相手とは言え、男同士だし恋愛感情なんてないのに!?
僕は毛布の中で小さく身を縮めた。もうやだ、どんだけ効率重視なのあの2人。そりゃいつまで経っても開かない部屋の中で「どうしようどうしよう」てぐるぐる思考だけ巡らせるよりも、やることやっちゃった方が時間が短くて済むのは分かる。分かるけどね…!?
胸の内で不満を転がしながらも、耳に装着したイヤホンに触れる。…これ渡すならスマホもちょうだいよ。音楽を流して暗闇に溶け込んでしまえば、確かに全てが終わるまで何も見聞きせずいられたのかもしれない。だけど今このイヤホンは、スマホがなければただ耳栓の代わりでしかない。
…そう言えば、いやに静かじゃない? いくら耳栓のようにイヤホンをしていると言っても、何の音も突き抜けてこない。そう思って片耳分のそれを外してみた。怖いもの見たさ…いや、「怖いもの聞きたさ」? おそるおそる外したそれをぐっと握りながら、毛布の外側の音に耳をこらす。
「…ん…っ」
たまに漏れ聞こえてくる声と、少し荒い息遣いが聞こえてきた。ないちゃんの低い声と溶けるように、荒い2人分の息が重なり合う。そして時折、ぴちゃりと水音のようなものも聞こえてきた。ごくりと息を飲んだ僕は、自分でも無意識のうちにもう片方のイヤホンもそっと外していた。
「ま、ろ…っ」
苦しそうな声は、息も吸わせてもらえないほどの激しいキスのせいだろうか。微かに聞こえる声と音だけに耳をそばだてる。
…え、僕はてっきり、この効率重視の2人ならさっさと挿れて出して「はい終わり」かと思っていた。こんな貪るような息遣いのキスを繰り返し、雰囲気重視の行為を始めるとは思ってもいなかった。
「……」
そ、と手を動かして、毛布をわずかに持ち上げる。向こうからはばれない程度の空間がそこに生まれた。その瞬間、冷たい空気が毛布の中に流れ込みんでくる。熱くて息苦しかったことを今さらながらに自覚しながら、僕は胸いっぱいに酸素を吸った。
それと同時に、少しだけ拓けた視界には室内が映る。僕がいるベッドから少し離れたところにあるソファ。そこに2人の姿を見つけた。
さっき見ていた通り、ないちゃんはソファに座ったままだった。その上に覆いかぶさるようにして、いふくんが座面に膝を立てている。
僕の方からこそりと見えるないちゃんの横顔は、苦しさと快感という矛盾した波に、溺れるように眉を寄せていた。舌を出し、必死でいふくんのそれに絡めている。くちゃりと音を立てたとき、僕の腹の底辺りでずくんと何かが蠢くのを感じた。
いふくんの手は、ないちゃんのシャツの裾から差し込まれている。中で素肌の上を滑っているのか、時折ないちゃんが腰を捩って声を殺し、顎を跳ね上げた。そうこうしているうちに、いふくんが「ないこ、後ろ」と小さく指示を繰り出す。
「…ん」
熱っぽさと涙で潤んだ目で応じ、ないちゃんはくるりと身を反転させた。ソファの背もたれにしがみつくようにして背を向けると、いふくんの手がそのズボンにかかる。足元までずり下ろされたせいで、ベルトのバックルが床でごとんと硬質な音を立てた。
「…あ…っ」
ローションか何かのせいだろうか。水音が増し、ないちゃんの息が一層荒く熱くなった。ちゅぷり、なんてかわいげのある音だったはずのそれが、じゅぷじゅぷり、と鈍く激しい音へと質を転換させる。それに比例するように回転数は上がり、ないちゃんの後ろの秘部を掻き回すいふくんの指が速くなっていったのが分かった。
高校時代だっただろうか、まだ[[rb:初心 > うぶ]]だった僕は、クラスの友達に無理矢理AVを見せられたことがあった。
今目の前に広がる光景は、その時のものとは全然違う。ご都合主義のような動画とは異なり、一瞬で服を脱ぎ捨てたりしない。ないちゃんは上は着たままでズボンと下着を足首に引っ掛けたままだし、いふくんに至っては何も脱がずにズボンの前をくつろがせているだけだ。何ならこっちからは肝心な部分は見えない。だけどあの時のAVのように、全裸の男女が全てをひけらかして重なり合うよりも、よっぽど官能的に見えてしまった。
「ま、ろ…早く…っ」
ないちゃんはねだるようにそう声を漏らすだけ。わざとらしいくらいの嬌声を上げるAV女優のようには喘がない。いふくんに貫かれて腰を反らせながらも、必死で声を殺す。その姿の方が、僕にはよっぽど扇状的に見えた。
「…む、いむ!」
大きめの声が降ってきたかと思うと、突如として意識を呼び起こされる。
「え!?」
慌てて体を起こした僕は、一番に目に入ってきた天井と自分の周囲を交互に見比べた。
「やっと起きた。こんなとこでいつまでも寝てたら風邪ひくよ」
呆れたような声を降らせてくるのは、他でもないないちゃんだ。さっきまでのあられもない姿はどこへやら、きちんと服を着て身なりを整えている。
「…ないちゃん、服着てる…」
「はぁ? なにお前、寝ぼけてんの?」
眉を下げて苦笑を浮かべたないちゃんは、口元に手を当てて首を傾げている。…寝ぼけてる…? あぁそっか、僕寝てたのか…。そう思いながら辺りを見渡すと、そこは事務所の一室だった。あのわけのわからない部屋ではなく、見覚えのある部屋。そのソファに横になって、すっかり眠っていたらしい。
「そっか、そうだよねぇ! 僕寝てたんだ! さすがにあんなの夢に決まってるよねぇ!」
ソファの上にゆっくりと上体を起こしながら、僕は自分に言い聞かせるようにそう言った。
そうだそうだ、そうに決まってる! うんうんと一人頷いて納得していると、ないちゃんが訝しげにこちらを見据えてきた。その目を見つめ返しながら僕はまくしたてるように続ける。
「さっき変な夢見ちゃって…! えっちなことしないと出られない部屋みたいなとこに、いふくんとないちゃんと閉じ込められてさぁ…! しかもそこで2人は、ためらいなくほんとに始めちゃって…!」
なーんだ夢か、なんてほっと胸を撫で下ろした僕の前で、ないちゃんはまた苦笑いを口元に浮かべる。
「なにそれ、想像力豊かだねいむは」
「ないちゃんはともかくさ、いふくんまで効率求めて躊躇せずにないちゃんを抱き始めるからほんとにびっくりしちゃった…!」
それにしてもリアルな夢だった。腹の奥底で音を立てた熱さみたいなものの感覚は、今でもはっきりと覚えているくらいだ。
「その想像力と発想力を生かして、じゃあ次の企画立案はいむに頼もうかな」
「えぇぇぇぇ! それはひどいよ…!」
瞬時に青ざめた僕の顔を見て、ないちゃんは声を上げて楽しそうに笑いながら部屋を出て行った。
「ないこ、ほとけ起きた?」
いむの眠っていた部屋を出て会議室へ向かう途中、まろがそう言いながら歩み寄ってきた。
「起きたよ、つうか起こした。さすがに寝すぎだしね」
「寝るっていうか気失っとったやろ、あれは」
「純情なおこちゃまには刺激が強すぎたかね」
「毛布被り続けとったから酸欠ちゃう?」
「そのせいでこっちは激しい運動後に男一人かついで事務所まで戻らされたんですけど!?」
「ほとけを担いどったん、ほとんど俺な。どっちかって言うと激しく運動させられたんもこっちやし」
「いむ覚えてなかったよ。『夢かぁ!』って安心してたわ」
「現実逃避入っとりそうやな」
「そらそうでしょ」
「ふん、俺だって他メン同士のセックス見せられたら引くわ」とあしらうように鼻で嘲ると、まろは「えー」とからかうような笑みを浮かべてくる。
「見せられたら引くくせに、見られる分には興奮しとったみたいやけど。いつもより締め付けが激しかったし」
「はぁ? それはお前だろ! いつもよりイくの早かったくせに…!」
売り言葉に買い言葉で思わず声を荒げてしまった後、「しまった」と口元を抑える。今このフロアの近くには人はいないはずだけど、どこで誰に聞かれるか分からない。
ましてやいむに聞かれたらやっかいだ。夢だと思って忘れられるならそれが一番だろ。少しリアルな怖い夢を見ただけだ、そう思える方がきっといい。
「カワイソウニ」
同情するように…けれどわざとらしいくらいの棒読みで呟く。そのまま思わず、小さな苦笑いが漏れた。
コメント
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お久しぶりにコメント失礼します!! 初期組なの嬉しいです💕 ほんとにこんな場面だったらお話の通りになりそうだなって思いました〜 1番年下の水さんが夢オチだと勘違いしたのはまじで解釈一致すぎです👀 またお話しましょ〜!!
あおばさんの新作、読んだよ…🖤 「n番煎じ」って最初に言っちゃってるの、逆に好きだった。密室で効率厨2人が即決しちゃうの、しんどかった…いむの「ちょっと待って!」で泣きそうになったよ🥀 でも、夢オチかと思ったら現実のやりとりもリアルで、最後の「カワイソウニ」の棒読みが沁みた…🤍 続きも気になるけど、1話としてすごくまとまってた!