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初めまして、陰キャの、藤宮 一人(ふじみや かずと)です。クラスでは目立たないように、そこそこ頑張っています。目立ち過ぎてもあれだし、暗すぎてもあれなので、友達は数人つくって、割と平和に過ごしています。
まぁ……陽キャに目をつけられないようにしているだけなんですけどね。
ところで――
――ここどこですか?
さっきまで、教室で友達と話していたら、変な所に来ちゃいました。あれ、もしかしてですけど……よくある異世界転移ってやつですか?漫画でよくある、お決まり展開じゃないですか。
そんな事考えてたら、
いや、早速王様みたいな人が出て来ました。なんか、やたらと豪華な服きて、見るからに偉そうにしてます。
まぁ、そんな事は置いておいて、周りをよく見渡すと――
――あれま…クラスメイト、全員飛ばされたみたいですね。どうしましょうか、この展開。
まぁ、1回落ち着いて、王様の話でも聞きますか。
「よく来たな。未来の英雄の卵たち。」
ワインのグラスを手首で回しながら、王様らしき人はそう、語り始めた。
「突然だが、君達には、勇者としてこの世界を救って欲しい 。」
やはり、漫画のお決まり展開が始まったようだ。
――その瞬間、隣から怒鳴り声が聞こえた。
「なんだよそれ!元の世界に帰しやがれ!」
どうやら、クラスメイトの陽キャの一人が、怒っているらしい。
お陰で鼓膜が破れかけた。
王様は、不気味に笑いながら、話を続ける。
「残念だが、君達が、世界を救うまでは帰れないのだよ。」
「なんだと…!」
「元の世界に帰るには、魔王の魔力が必要だ。魔王は膨大な魔力を持っており、その力で暴れている。そんな魔王の魔力が無ければ、元の世界には戻れないのだよ。」
いやそれって、貴方たちの都合でしょうが。と言いたいところだけれど、陰キャの自分が口を出せるわけもない。さて、こっからどうするべきか。
「え?」
思わず、声が出てしまった。突如、目の前に現れた、パネル?みたいなのに文字が書いてある。よく見ると
何故に英語なんだろうか。
いや、そんな事置いておいて、押すしかない、よな?
自分はそっと、YESを押した。
「なんだよ、これ…?」
ほとんどが、ERRORと書いてあり、数値すら見えない。期待した、自分がバカみたいだ。
「……レベル16?」
やっとまともなのがきたが……全く嬉しくない。レベル16ってよっわ!逆にどこでレベル上がったんだよ!?
「スキル?」
下にスライドすると、スキル欄があった。
「透過?」
一番最初に目に入ったのが、「身体透過」と言うものだった。パネルらしきものに触れ、説明を見る。
「身体透過とは、そのままの通り身体を透明にすることで、相手に見えなくなる。」
と書いてある。どうやら、制限など無いらしい。
自分は、そっとYESの方を押した。さて、どうなったのだろうか。今のところ異常は無さそうだけども……。よし、試すか。
クラスメイトの目の前に立ち、手を思いっきり振ってみる。服が擦れる音すらもしない。まるで、存在そのものが消えたみたいだ。
「気づいてない…!」
どうやら、クラスメイトは自分に気づいておらず、自分の声で、体を大きく跳ねさせた。
「何…!今の声!ねぇ、聞こえた?」
「え?なんにも聞いてないけど…」
やはり、見えないようだ。この力を使えば、ここから抜け出せるんじゃないか?勇者になるなんて死んでも嫌だからな。
王様がまだ話しているけれど、あっちの事情を聞くほど、自分はお人好しではない。陰キャってもんは、人の頼みを断れない。自分も同じだ。
――だけれど、王様。こいつの言う事は、どうしても信用出来ない自分が居た。自分の都合を押し付けて、利用しようとしているのが、バレバレだ。
そんな事置いておいて、ササッとここから出ましょうかね。