テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「……ラス、ダグラス!!」
ニクソンの声でようやくダグラスは我に返った。
「さっさとエストミールに向かうぞ。この町からエストミールは近いんだろ?道のりとか、分かってるんだろ?」
声を強くして、話しかけた。
「早く案内しろ、ダグラス。」
彼は真剣だった。ダグラスは慄いていたが、手を力強く握りしめ、エストミールへと向かった。ダグラスの足取りは徐々に早くなり、ヴェディを抜けた頃には走っていた。息は切れ始めていたが、スピードが落ちることはなかった。
―エストミールで、星外生命体が現れた、という報告が入ったのサ!!
息苦しそうに、ダグラスは走り続けた。
日が暮れ切った頃、二人はようやくエストミールに到着した。そこには大勢のCOMAの隊員が並んでいた。
「ダグラス、ニクソン。大丈夫サ?」
焦りに満ちていたエディが、二人に声をかけた。
「あぁ、なんとか到着した。」
「…」
ダグラスは黙りこんでいた。それでも、片手は震えていた。
「早くエストミールに突撃するサ!武器は軍部から持ってきたサ!さぁ、突撃サ!」
ダグラスは我に返った。ポケットにつっこんだままだった銃をついに取り出した。
「お前が苦しいのは分かっている。それでも、ジンを救うためなんだ。心が辛くても、進むぞ。」
エストミールは、見るも無残な姿に変貌していた。ほとんどの住宅地や施設が炎に包まれていた。また、星外生命体が町を覆いつくしていた。その星外生命体のほとんどは、”影”のようであった。まるで、液体のような—
「ダグラス!!遅かったわね!おかげでこっちは大変だったのよ!」
マグダレーナはライフルを構え、応戦していた。
「でも……どうしてここまで、町が残忍になったのかしら…どこもかしこも、星外生命体に焼き尽くされてしまったわね…」
マグダレーナは目を伏せた。
「この炎とかよ、全部星外生命体の仕業なのか?」
ニクソンは大剣を振るいながらマグダレーナに尋ねた。
「そうよ!あの星外生命体たち…民家とかをどんどん飲み込むように破壊したのよ。そのせいで……どんどん……!」
「住民は?全員避難できたのか!?」
ニクソンが必死で尋ねる。
「それは―」
「………サキ!」
「ど、どうしたダグラス!!?」
ダグラスは突然、大きく炎が燃え盛る施設へ走っていった。
「ダグラス!サキって一体…?」
ニクソンが大声で問いかけても、答えは返ってこなかった。その施設の近くには、アイザックとライナルトが星外生命体と交戦していた。
「ダグラス!そっちは僕がなんとかするから…!」
アイザックは氷魔法を何度も放ち続けていた。彼はかなり疲弊しているようだ。
「ダグラスはセシルを援護してくれないか……!!」
「…孤児院が………」
ダグラスは、燃えて朽ちる孤児院を茫然を眺めた。大きな爆発音が何度も起き、ダグラスはがくりと膝から崩れ落ちた。
『…ダグラス!聞こえてるサ?』
エディからの通信が入った。
『星外生命体がエストミール西部に大量発生したと通告が入ったサ。至急、西部へ移動をしてもらいたいサ!!』
「ほら、アズウィンド!!急いで向かって!!」
通信が切れた後すぐに、ニーナが駆けつけた。
「アズウィンドが急に……こんな場所で絶望しているのを見て、とっても複雑な気持ちだった。でも、どうにかしてこの町の星外生命体を追い払わないと!」
そうしてニーナは、強引にダグラスを立ち上がらせた。
「次はエストミール西部―。」
『お前が苦しいのは分かっている。それでも、ジンを救うためなんだ。心が辛くても、進むぞ。』
ふと、ニクソンの一言がダグラスの脳裏をよぎった。
「気を取り直して、星外生命体討伐、頑張ろう。」
「…」
ダグラスの目には、絶望が消えかかっていた。
コメント
1件
いやもう、冒頭から引き込まれました。ダグラスの慄きから走り出すまでの心情の変化が、ニクソンの「心が辛くても、進むぞ」という一言でぐっと締まって、胸が熱くなりました。孤児院の炎とダグラスが膝をつくシーンは、言葉にならない絶望がひしひしと伝わってきて、読んでいるこちらも息が詰まるようでした。それでも仲間たちの声で立ち直ろうとするダグラスの姿に、グッときます。次話、西部での戦いがどうなるのか、本当に気になります…!
モノクロナツキ
1,383
#オリキャラ
須古星 れい
152
#ミノえと
めんだこ
5,824
ゆうクロ。
245