テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
*.꒰ঌ𝕐𝕦𝕚𝕜𝕒໒꒱.*
259
*.꒰ঌ𝕐𝕦𝕚𝕜𝕒໒꒱.*
207
#オリジナルキャラ含む
Luna Emma
110
書くことが……無くなりました、
ということでまたまたいきなり始まります。
Let’s GO
翌朝。
教室に入ると、いつものように悠真が手を振った。
「おはよ、冴!」
「……おはよ。」
「……え。」
「?」
「今、おはよって言った?」
「言った。」
「俺に?」
「他に誰かいる?」
奏斗は固まる。
(え、昨日まで返事してくれなかったよな。)
「冴。」
「なに。」
「今日、世界終わる?」
「終わらない。」
「じゃあ夢?」
「違う。」
「ほっぺつねって。」
「嫌。」
「えぇ。」
「自分でやれ。」
奏斗は自分のほっぺをつねる。
「痛っ。」
「当たり前。」
「……。」
「……。」
そのやり取りを見ていたクラスメイトが、小声で笑う。
「最近あの二人、仲良くない?」
「神崎が一方的だと思ってたけど、石川も普通に話してるじゃん。」
「ね。」
その言葉は、冴の耳にも届いていた。
(……仲良く。)
なんだかむず痒い。
-–
昼休み。
図書室。
向かい合ってお弁当を食べる二人。
「今日の卵焼き。」
奏斗が一口食べる。
「うま。」
「……。」
「冴は?」
「普通。」
「一個ちょうだい。」
「嫌。」
「交換。」
「しない。」
「俺の唐揚げ。」
「……。」
「二個。」
「……。」
「三個。」
「……。」
「交渉成立?」
「……一個だけ。」
奏斗は思わず笑う。
「やった。」
冴は卵焼きを箸でつまんで差し出した。
「はい。」
「……。」
「……?」
「食べないの。」
「いや。」
奏斗は困ったように笑う。
「これ。」
「?」
「間接キスになるけど。」
ぴたり。
冴の動きが止まった。
「……。」
「……。」
三秒。
四秒。
五秒。
顔が、みるみる赤くなる。
「……っ!」
慌てて箸を引っ込める。
「わ、忘れて。」
「ごめん!」
「今のなし!」
「ごめんって!」
「……。」
沈黙。
奏斗は頭を抱えた。
(終わった。)
(嫌われた。)
すると。
冴が小さくため息をつく。
「……別に。」
「え?」
「食べるなら。」
「……!」
もう一度。
卵焼きを差し出す。
「……。」
「食べないの。」
「いや。」
奏斗は少し照れながら、その卵焼きを食べた。
「……うま。」
「当たり前。」
「冴が作ったの?」
「母さん。」
「お母さん最高。」
「……。」
冴は少しだけ笑った。
「ふふ。」
その笑顔を見た奏斗は。
(……ずるい。)
(そんな顔されたら。)
(もっと好きになるじゃん。)
-–
その日の帰り道。
奏斗は一人、空を見上げた。
「……やばいな。」
最初は。
話しかけるのが楽しかっただけ。
困った顔が見たかっただけ。
でも今は違う。
笑ってくれたら嬉しい。
名前を呼ばれたら嬉しい。
「おはよう。」
その一言だけで、一日頑張れる。
「……完全に恋じゃん。」
夕焼けに向かって、小さく笑う。
そして翌日。
この恋は、少しだけ動き始める――。
コメント
1件
うわっ、この回めっちゃ良かった……! 冴が「おはよ」って返した瞬間、奏斗が固まるの分かりすぎる(笑)。間接キスのくだりで赤くなる冴、可愛すぎて反則だわ。 で、それでも卵焼きをもう一回差し出すところで「ずるい」ってなる奏斗の気持ち、完全に理解した。ラストの「完全に恋じゃん」でグッときた。この甘酸っぱさ、たまらん🔥