『　藤原兄弟　』

恭平　side

俺の隣にはすやすやと眠る可愛い弟。

今日は久々に親戚が来る予定で、

駿も謙杜もみーんなわくわくしとってん。

でも、駿は高熱出してもうて、

一回戻してもうたし会うのは止めとこか

ってなってん。駿、最初はめっちゃ、

しんどそうにしとってみんなで看病しててん

で、ちょっと落ち着いた頃に、親戚が来て、

誰か対応せなあかんから、大にぃと、

丈にぃと和にぃは親戚の方へ向かった。

それで駿佑も寝たから、流星と謙杜、俺も

一回親戚の方へ向かった。

駿、身体弱くて親戚にあったのなんて、

2歳くらいの時に一回しかないねん。

もちろん親戚の人も駿が身体弱いこととか、

顔とか性格とか全部分かってる。

でもその親戚の人は謙杜を溺愛しとって、

「　謙杜くんは可愛いね　」

「　謙杜くんは勉強して偉いね　」

なんて言葉しか出てこーへん。

駿が可哀想やなって。

駿はこの楽しい空間の中、

苦しんでるのにって。

俺は駿が心配になって上に様子を見に行った

そしたら顔を真っ赤にして泣いててん。

泣いてる駿はほんまに可哀想で辛そうで。

見てるこっちまで泣きたくなってもうた。

その後落ち着いて、駿からの可愛いお願い。

「　一緒に寝たい、手繋いで。　」

それに俺は軽く「　ええよ　」と返して、

駿はすやすやと眠りについた。

きっと泣いてたのは謙杜のことやろな。

きっと駿は、

謙杜ばっかり甘やかされてずるい。

でも俺が病気で勉強も出来ないバカやから、

お兄ちゃんたちに嫌われてる。

きっと俺は邪魔な存在なんやろうな。

謙杜みたいに元気で可愛かったらな……

とか思ってるんやろ。

親戚も親戚やで。駿が辛い思いしてるのに、

わざわざ謙杜ばっかり可愛がって。

お兄ちゃんたちも、親戚と謙杜だけやなくて

駿の様子も見に来てあげてよ。

駿、泣いてるんやで。辛いんやで。

駿が起きたら、色々聞いてみよかな。