コメント
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この作品めっちゃ好きです、🥹
S「吉田さん、上乗っていい?」
Y「ん、どうぞ」
S「ありがと、手は頭の横、」
Y「ここらへん?」
S「もうちょっと、ん、そこ」
Y「次は?」
S「目は前髪で隠して、そう」
Y「横向いた方がいい?」
S「斜めの方がいいかも、」
Y「わかった、」
S「じゃあ撮るね 」
白くて、ふわふわの肌に
夕焼けが反射している茶色の髪。
その髪の間から微かにみえる
大きくて吸い込まれそうな美しい目。
S「綺麗、」
Y「終わり?」
S「終わり、ありがとう」
Y「うん、大丈夫」
Y「なぁ」
S「ん、?」
Y「なんで俺なの、」
S「え?」
Y「他にもっと綺麗な人いるじゃん」
S「なんでって、言われても、」
Y「男ばっかり撮って」
S「別に、女の人は興味無い、」
Y「ホモなんだ 」
S「っ、逆に聞かせてもらうね」
Y「なに」
S「俺の事キモイとか思わない、?」
Y「うーん、最初撮らせて!って
急に言われた時は若干引いたけど、」
S「引いたけど,,,?」
Y「人にはそれぞれ
趣味ってもんがあるんじゃないの?」
S「そこは理解するんだ、」
Y「お前ホモって否定しねーの? 」
S「実際そうだし、」
Y「げ、まじ?」
S「うん、」
Y「ふー、ん」
歯切れの悪い言葉を
吐き捨てた吉田さんは
スマホを触り始めた。
Y「あ、今日これな」
S「わかった」
週末吉田さんは
わざわざ学校から1番
離れている俺の家へと
足を運んでくれる。
そのお礼。俺がスイーツを奢る。
S「ちょっと、よく見せて」
Y「あ、おぅ、」
Y「店の外見が、これ」
吉田さんが
指を右へスワイプする。
Y「あっ!」
俺の肩が上に跳ねる。
Y「みた、?」
S「えぇ?」
うん。みたよ。
ピンクのラメを瞼にのせて
5本ほどの束まつ毛。
ちゅるんとした唇。
黒の大きいリボンを胸元に着けて
フリフリの白い襟。
不器用ながら付けたネイルチップ。
量産型、?って言うのか。
S「なにを、?」
Y「とぼけんな、見たんだろ」
S「うわっ、」
俺よりも小さい手が
俺の襟元を勢いよく掴む。
Y「みたん、だろ、」
S「み、た」
Y「はぁぁ、/」
ゆっくりと襟から手が離れる。
S「人には、趣味が、ある、もんね」
Y「煽ってんだろ、くそ、」
S「や、そんなつもり、て、えぇ、?」
横を向くとそこには
耳まで真っ赤にして
泣いてまつ毛が束感になった
吉田さんが俺を睨んでいた。
S「え、うぇ、は、え、?」
Y「も、さい、あく」
俺は無意識に
カメラに手を伸ばしていた。
Y「何、撮ってんだよ、ば、か」
S「きれい、きれいだよ、吉田さん」
Y「黙れよ、へん、たい」
S「俺に撮らせて、?もっと、
誰も知らない、吉田さんみせて、」
Y「は、やっ、ぱ、きも、い」
S「いい、きもく、て」
初めての気持ち。
なんだろ。心臓が、
初めて心臓の役割を
果たしてる。みたいな、
なんだか、俺の、
俺だけのものに
したい。綺麗で可愛らしくて
でも、強気で、短気で。
これが【愛おしい】
まだ、同じクラスになって
初めて吉田さんを見て。
たったの2ヶ月。
S「吉田さん、俺好き」
Y「は、」
S「俺、吉田さんにドキドキする、」
Y「知ってる、」
S「へ?」
Y「何となく、俺に向ける、目線とか」
Y「他の女子と同じ、
恋する、乙女、てきな」
S「うそ、わかりやす、い?」
Y「うん、めっちゃ」
まだ乾ききっていない
吉田さんの頬を伝う
涙を指で取り舐める。
S「俺、嫌われてもいい、」
Y「なにが、言いたい」
S「引かれてもいい、でも
そばにいて、」
Y「なんだよ、それ」
軽く俺の頭を突いて
立ち上がる。
Y「今から付き合え、ばか」
佐野勇斗。高校3年生。
初恋をしました。
俺の恋心が燃え尽きても
このフィルムはきっと
一生残ると思います。
それまで付き合ってください。
吉田さん。好きです。