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まきぴよ
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おその★
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数日後。
仕事を終えた九人は、いつものように阿部と目黒の家へ集まっていた。
今日は自然発生ではない。
康二が、
『大事な話あるから全員集合!』
とグループチャットへ送ったからだった。
「大事な話って何?」
ラウールが床に座りながら聞く。
「仕事?」
岩本もソファへ腰を下ろす。
「仕事やで」
康二は少し得意そうに答えると、持ってきた大きな封筒をテーブルへ置いた。
佐久間がすぐに身を乗り出す。
「何それ!」
「企画書」
「康二が企画書持ってる!」
「俺かて持つことあるわ!」
深澤が笑う。
「なんかもうカメラマンっぽいね」
「やろ?」
康二は嬉しそうに笑ってから、全員へ資料を配り始めた。
阿部も受け取る。
表紙には。
白と黒を基調にした仮のビジュアル。
その下に、九人の名前が並んでいる。
「雑誌?」
阿部が聞く。
「そう」
康二は立ち上がった。
「今度、九人で雑誌の撮影やります」
渡辺が資料をめくる。
「それだけなら、別に大事な話じゃなくない?」
「ここからや」
康二が胸を張る。
「今回」
少し間を取る。
「カメラマン、俺です」
数秒。
静かになった。
そのあと。
「えええ!?」
佐久間が一番大きな声を出した。
ラウールも目を丸くする。
「康二くんが全部撮るの?」
「基本は俺」
「すごいじゃん!」
深澤も資料から顔を上げる。
「本当に?」
「ほんまに」
康二は嬉しそうだった。
「編集部の人からお願いされた」
岩本が笑う。
「よかったじゃん」
「めっちゃ嬉しかった」
宮舘も頷く。
「楽しみだね」
「せやろ?」
康二は満足そうに頷く。
その横で。
渡辺だけは。
じっと企画書を読んでいた。
「……ねえ」
「何?」
康二が見る。
渡辺は資料の一文を指差した。
「これ何?」
康二が見る。
そこには。
『白と黒を基調とした艶のある世界観』
『メンバー同士の親密さ、距離感を生かした撮影』
と書かれている。
渡辺が読む。
「親密さ、距離感」
「うん」
「で」
次の一文。
『交際中のペアについては、本人の了承を得た上で、より近い距離感のカットも撮影予定』
渡辺が顔を上げた。
「より近いってどこまで?」
「そこ?」
阿部が笑う。
「大事でしょ」
渡辺は真顔だった。
深澤も改めて資料を見る。
「あ、本当だ」
「ふっか今気づいたの?」
「俺、康二がカメラマンってとこしか見てなかった」
岩本が横から覗く。
「本人の了承を得た上でって書いてあるじゃん」
「それはそうなんだけど」
深澤は少し警戒した顔で康二を見る。
「康二の考える“近い”が怖い」
「なんでやねん」
「だって写真好きじゃん」
「関係ないやろ」
「テンション上がって、もっと近く! もっと! とか言いそう」
「言うかもしれん」
「言うんじゃん」
深澤がすぐ返した。
佐久間は。
逆に楽しそうだった。
「いいじゃん! 恋人なんだから!」
渡辺が睨む。
「お前は関係ないから気楽なんだよ」
「俺はラウと康二と三人でめちゃくちゃ近くする!」
ラウールが笑う。
「それは普通に楽しそう」
「ほら!」
阿部は資料を読みながら。
少しだけ目黒を見る。
目黒も同じところを読んでいた。
「めめ」
「ん?」
「どう思う?」
目黒は。
何でもないように答えた。
「俺は何でも大丈夫」
阿部がすぐに顔を上げる。
「待って」
「何?」
「俺が大丈夫じゃない可能性あるでしょ」
「あ」
目黒が笑う。
「そうだった」
「そうだったじゃないよ」
康二が吹き出す。
「めめ、やる気満々やん」
「だって」
目黒は阿部を見る。
「あべちゃんと撮るんでしょ?」
「撮るけど」
「じゃあ嬉しい」
あまりにも素直に言われて。
阿部が少し黙る。
佐久間がすぐに気づく。
「あべちゃん照れてる!」
「照れてない」
「顔ちょっと赤い!」
「うるさい」
康二が手を叩いた。
「はいはい、そこまで」
「カメラマンっぽい!」
「今日それ何回言うねん」
笑いが落ち着いたところで。
康二は少しだけ真面目な顔になる。
「でもな」
九人を見る。
「無理なことは絶対せえへん」
阿部も。
渡辺も。
深澤も。
康二を見る。
「編集部の人とも話してる。距離近い写真は撮るけど、本人が嫌やったらやらん」
「うん」
「その場でやっぱり嫌ってなってもやめる」
「うん」
「俺もちゃんと見てるから」
康二は阿部へ視線を向ける。
「安心して」
阿部は。
少しだけ笑った。
「分かった」
「俺、みんなのこと知ってるから」
康二は資料を軽く叩く。
「格好いい写真撮りたいけど、それより本人らしい写真撮りたい」
岩本が頷く。
「じゃあ任せる」
宮舘も。
「俺も大丈夫」
渡辺が宮舘を見る。
「勝手に俺の分まで決めないで」
「翔太の分は決めてないよ」
「ならいい」
「でも俺は翔太と近い写真撮りたい」
「……後で話す」
佐久間が。
「結局撮るじゃん!」
と笑った。
「でな」
康二は。
待ってましたと言わんばかりに、別の紙を取り出した。
「俺、もう撮りたい構図考えてきた」
深澤が。
「早くない?」
「これ考えるために昨日寝るの遅なった」
「仕事に影響出すなよ」
岩本がすぐ言う。
「大丈夫大丈夫」
「康二の大丈夫、今ちょっと信用ない」
阿部が笑った。
康二は気にせず。
最初の紙をテーブルへ置く。
「まず」
書かれていた名前は。
阿部。
目黒。
「俺ら?」
阿部が見る。
「そう」
康二は資料のイメージを見せる。
「めめあべは黒」
「二人とも?」
「二人とも黒」
艶のある黒い衣装。
背景も暗め。
輪郭を縁取るような光だけが入っている。
阿部が。
「かなり暗いね」
「そう」
康二は楽しそうに説明する。
「でも顔はちゃんと見えるようにする。全部真っ黒にするんやなくて、光で二人浮かせる感じ」
「へえ」
目黒も資料を見る。
「格好いいね」
「やろ?」
康二は次のラフを出す。
棒人間に近い簡単な絵。
一人が前。
その後ろからもう一人が腕を回している。
阿部が。
少し嫌な予感を覚える。
「これ」
「うん」
「俺?」
「前があべちゃん」
「後ろ?」
「めめ」
阿部が目黒を見る。
目黒は。
嬉しそうだった。
「いいね」
「めめは黙ってて」
「何で?」
康二が笑う。
「あと」
さらに一枚。
「二人で額近づける」
阿部が目を細める。
「どのくらい?」
「これくらい」
康二が。
佐久間を相手に実演しようとする。
「なんで俺!?」
「分かりやすいやろ」
「やだ! 照れる!」
「照れるんかい」
ラウールが笑う。
康二は結局。
自分の手を顔に見立てて説明する。
「触れるか触れへんかくらい」
「近いね」
阿部が言う。
「近い」
康二は頷く。
「でもキスはせん」
渡辺が。
「そこまで行ったら雑誌違うでしょ」
「分かってるわ」
康二は続ける。
「あと、手」
「手?」
「二人とも指輪あるやろ」
阿部と目黒が。
ほぼ同時に自分の手を見る。
婚約指輪。
康二は。
それを指差した。
「手重ねてもらって、指輪も見える写真撮りたい」
阿部が少し驚く。
「指輪まで?」
「出してええなら」
マネージャーと編集部側では問題ないらしい。
阿部は少し考えて。
目黒を見る。
目黒も。
阿部を見る。
「俺はいいよ」
目黒が言う。
阿部も。
自分の指輪を見る。
「……俺もいいよ」
康二が。
にっと笑った。
「決まり」
「次」
康二が紙を入れ替える。
岩本。
深澤。
「俺ら?」
深澤が身を乗り出す。
「いわふかは白」
「白?」
「二人とも白」
今度は。
白を基調にした衣装。
背景も明るい。
でも。
光を柔らかく落として。
影を薄く残す。
岩本が。
「さっきと真逆だね」
「そう」
康二は頷く。
「で」
また。
ラフを出す。
椅子に座る岩本。
その後ろから。
深澤が肩へ腕を回している。
深澤が。
固まった。
「……これ俺が後ろ?」
「そう」
「照じゃなくて?」
「ふっかさん」
「逆じゃない?」
康二が首を横に振る。
「逆にしたい」
深澤は。
まだ意味が分からない顔。
康二は少しだけ真面目になる。
「照兄って」
「うん」
「いつも守る側やん」
岩本が。
静かに聞く。
「まあ」
「ふっかさんも、みんなの空気見たり、支えたりしてるけど」
康二は。
二人を見る。
「今回は」
少し間。
「照兄がふっかさんに預けてる写真撮りたい」
深澤の表情が。
少し変わる。
岩本も。
何も言わずにラフを見る。
「ふっかさんが後ろから肩に腕回して」
「うん」
「照兄は力抜いて座る」
「……俺、力抜くの?」
岩本が笑う。
「そう」
康二も笑った。
「めっちゃ抜いて」
「難しそう」
「ふっかさんに任せればええやん」
深澤が。
少しだけ照れたように。
「まあ」
と言う。
そして。
岩本を見る。
「できる?」
岩本も見る。
「ふっかが支えてくれるなら」
深澤が。
「何それ」
と笑う。
でも。
少し嬉しそうだった。
康二は。
すでに頭の中で写真を見ているような顔をしている。
「絶対ええ写真になる」
「で」
最後。
宮舘。
渡辺。
渡辺がすでに少し警戒している。
「何」
「まだ何も言ってへんやん」
「康二の顔が楽しそうだから嫌」
宮舘が笑う。
「聞くだけ聞こう」
康二は。
三枚目のイメージを出した。
「だてなべは」
少し間。
「黒と白」
渡辺が。
「一人ずつ?」
「そう」
「どっちがどっち?」
「だてが黒」
「しょっぴーが白」
佐久間が。
「似合う!」
とすぐに言う。
宮舘も。
「いいね」
渡辺は。
資料を見る。
「で、何すんの?」
康二は。
珍しくすぐに答えなかった。
紙を見ながら。
少し考える。
「最初は」
「うん」
「もっと近い構図考えてたんやけど」
渡辺が。
「やっぱり?」
「でもな」
康二は二人を見る。
「二人って」
「何」
「そんなにベタベタ触らんでも、距離近く見えるやん」
一瞬。
渡辺が黙る。
宮舘が少し笑った。
「そう?」
「そう」
康二は。
二人を並ばせる。
「ちょっと立って」
「今?」
「イメージだけ」
宮舘が立つ。
渡辺も。
面倒そうにしながら立った。
「しょっぴーこっち」
「はいはい」
二人を。
少しだけ距離を空けて並ばせる。
「だて」
「うん」
「しょっぴー見て」
宮舘が。
渡辺を見る。
「しょっぴーは正面」
「見るなよ」
「康二が見ろって」
「分かってるけど」
すでに。
空気が変わる。
康二が。
「あ」
と小さく声を出した。
佐久間も。
「あー」
ラウールも。
「分かる」
阿部も思わず笑う。
渡辺は正面を向いている。
宮舘は渡辺を見ている。
何も触れていない。
でも。
距離が遠く見えない。
康二が。
「ほら」
と嬉しそうに言う。
「なんか一番大人っぽい」
佐久間が感想を言う。
渡辺が。
「うるさい」
と返す。
康二はさらに。
「しょっぴー」
「何」
「ほんのちょっとだけ、だて側寄って」
渡辺が。
一歩ではなく。
身体を少し傾ける程度に。
宮舘側へ寄る。
「そう!」
康二が指を鳴らす。
「これ」
「何が」
「これでええ」
「触らないの?」
目黒が聞く。
「触らん方がええかも」
康二は。
かなり真剣な顔になっていた。
「手だけ」
「手?」
「二人の手が近くにある感じは撮りたい。でも、がっつり握らんでええ」
宮舘が。
「指先だけとか?」
「そう!」
康二の目が輝く。
「さすがだて!」
渡辺が。
「何で分かるんだよ」
「分かるからやろ」
宮舘は普通に答える。
「……もう座っていい?」
「ええよ」
渡辺はすぐにソファへ戻った。
その耳が。
少し赤い。
佐久間が気づいて。
言おうとした瞬間。
渡辺が睨む。
「何も言うな」
佐久間は。
口を閉じた。
でも。
顔だけで笑っていた。
康二は三組分の資料をテーブルに並べる。
黒の阿部と目黒。
白の岩本と深澤。
黒と白の宮舘と渡辺。
同じ「恋人」でも。
全部違う。
「三組とも」
阿部が紙を見ながら言う。
「全然違うね」
「そうしたいねん」
康二は頷いた。
「同じ撮り方したくない」
「なんで?」
ラウールが聞く。
康二は。
少し考えて答える。
「だって」
三組を見る。
「みんな、付き合い方違うやん」
阿部と目黒には。
阿部と目黒の距離。
岩本と深澤には。
岩本と深澤の距離。
宮舘と渡辺には。
宮舘と渡辺の距離。
それを。
一つの「恋人同士」という形に。
無理やり当てはめたくない。
「本人らしい距離撮りたい」
康二が言う。
「外から見た“こういうカップルなんやろ”じゃなくて」
その言葉に。
阿部が。
少しだけ目を上げた。
外から。
勝手に。
関係を作られたことがある。
存在しない関係を。
写真で本物のように見せられたことがある。
だからこそ。
今度は。
自分たちで選ぶ。
自分たちが。
これが自分たちだと言える写真を。
「いいね」
阿部が言った。
康二が笑う。
「やろ?」
「うん」
そして。
阿部は。
自分と目黒のラフを見る。
後ろから抱きしめられている自分。
顔を近づける二人。
重ねた手。
「……でも」
「何?」
「撮影中、康二がテンション上がりすぎたら止めるからね」
「なんでまだ信用されてへんの?」
深澤も。
「俺も止める」
渡辺も。
「俺も」
康二が。
「三人とも!」
と声を上げる。
目黒だけが。
相変わらず。
自分たちのラフを見ながら言った。
「俺はもっと近くても大丈夫だけど」
阿部が。
すぐ隣から目黒を見る。
「めめ」
「何?」
「黙って」
「はい」
リビングに。
笑い声が広がった。
撮影日は。
まだ少し先。
それでも。
康二の頭の中では。
もう。
九人の写真が。
少しずつ形になり始めていた。
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現実で🧡がみんなを撮った写真集があればあたしも欲しい‼️ やっぱりメンバーの中からしか見えない顔などいっぱいあると思うので(*^^*) みらさんのお話はすごく優しさに満ち溢れている世界でいつも読んでいて気持ちがいっぱいになり涙が溢れてきます いつもあたたかい作品ありがとうございます(*・ω・)*_ _)ペコリ

おはようございます☀ 一気に読みました。 🧡の考えて構成し出来た写真集 現実に発売して欲しい 3組のカップルの見たい 毎回癒しです♪凄いです。 続き待ってます♪
実査にはカップルでは無いかも知れないけど🧡の撮影した写真集は見てみたい、普段の決まった構図のメンバーでは無いプライベート感満載の写真集、発売されたら買うv(´∀`*v)ピース