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うぇいあ
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【初めに】
初めまして、こんにちは!
作者の「白雪 ふわり」と申します!
今回初めて第五人格の創作ストーリーを作ってみました!!
これらのストーリーは、ネットや公式のストーリーなどから独自に考察をして作成したストーリーです。
キャラクター等の解釈違いなどがあるかもしれませんが、温かい目で見てくださったら嬉しいです!!
尚、内容はあくまでエンタメとして楽しんでいただきたいです!!
よろしくお願い致します🙇🏻♀️🙇🏻♀️
第三実験グループサバイバー3-1-4 - バーテンダー「サム・バーボン」
「サム・ヘイワード」は、貧しい一家の一人息子として生まれた。
彼の両親は、ずっと農家として暮らしていたが、サムが生まれてからというもの、サムの学費を稼ぐために飲食店を営みはじめ、昼は料理上手な母親がレストランを、夜はバーを営んでいたという先祖から受け継いだレシピ本のレシピを用いて酒を作り、父親がバーを経営していた。
田舎だったため、あまり通ってくれる人はいなかったが、サムの母親の腕と多種多様な料理と酒のレシピが載っているその本、そしてヘイワード夫妻の明るく気さくな性格のお陰で、彼らはなんとか店の経営をできていた。
そんなある日、サムの両親が経営する飲食店に、その国の政治家が訪ねてきた。その政治家は、サムの父親が提供した「ドーフリン」という酒を大変気に入り、いつしか国の中心地からこの飲食店がある田舎町まで、毎週のように通うようになった。そしてまた、その噂を聞きつけた国中の人々がヘイワード夫妻のバーを訪れるようになった。
政治家は無類の酒好きとして知られていたため、サムの両親が経営する店ではいつも「ドーフリン」に大量の金を費やしていた。何度も通ううち、その政治家とヘイワード夫妻は親しい友人になっていった。
政治家がすっかりヘイワード夫妻の店の常連になった頃、ヘイワード一家の生活を大きく揺るがせる事態が起きる。
その事の発端は、政治家がヘイワード夫妻にも半分の利益を提供することと、定期的に製造状況や売れ行きの報告をすることを条件に、「ドーフリン」を自分の名で売る提案をしたことだった。政治家と親しくなりきっていたサムの両親は彼を信用しきっており、すぐに承諾をした。 その日の帰り際、政治家は「ドーフリン」の生産のためにレシピが必要だと言って、ヘイワード夫妻の宝物だったレシピ本を持ってその店を出て行った。
しかし、その政治家は二度と彼らに顔を見せることはなかった。その上、レシピ本をも失ってしまったヘイワード夫妻は、料理を作ることも、「ドーフリン」を客に提供することさえ困難になってしまう。
また、政治家がヘイワード夫妻の店を出入りすることがなくなってしまった事が皆に知れ渡ってしまい、ただでさえ嫉妬で虐げられていた街の人々の間で、「ヘイワード夫妻は、政治家に何か無礼を働いたのだ。お偉いさんにそんなことができるなんて、あいつらは極悪人だ。」という噂が広まってしまった。そのため、サムの両親が経営する飲食店の客足は、しだいに開店当初の客足すらをも下回ってしまうようになった。
それが原因で、ヘイワード夫妻はサムの学費だけでなく、家族3人で暮らしていくためのお金さえも稼ぐことが出来なくなっていき、店も潰れてしまった。
ヘイワード一家は他の家の残り物を恵んでもらうことでしか、食料を調達できず、また、 不運にも、広まった噂のせいでヘイワード一家に優しく接する者など一人もいなかった。いつも食料を恵んでもらおうと他の家の戸を叩けば何も貰えない上に罵詈雑言を浴びせられ、運良く何かを恵んで貰えても、とても食べ物とは呼べないような、ゴミになる部分に等しい食べ物の切れ端や、腐っているものばかりだった。だが、命を繋ぐには、ヘイワード一家にはこれらを食べる以外の選択肢は無かったのだ。
暑い夏の晩、その日ヘイワード一家は3日間何も口にしていなかった。サムも両親も、大変衰弱していた。ヘイワード夫妻は、やっとの思いで隣人から、食べ物を手に入れた。それは1匹のまるまると太った生魚だった。
ヘイワード一家は久しく肉や魚など口にしていなかったため、久しぶりのご馳走だと舞い上がり、薪の準備をしてその魚を調理して、お腹いっぱいになるまでその魚食べた。
その日の魚は、サムにとってももちろん最高のご馳走だった。食べているうちに涙が出てきて、サムは顔がぐしゃぐしゃになるほど泣いた。両親はそんな彼を見て、大笑いした。 そんな些細な幸せだけでよかった。金持ちになんてならなくても、家族さえいれば
いい。サムは幼心ながらに、強くそう思った。
だが、皮肉なことに、ヘイワード一家の些細な幸せはその晩が最後だった。魚の加熱が十分ではなかったのだろうか。それとも、元からその魚が腐っていたのだろうか。ヘイワード一家は食中毒になってしまったのである。彼らは高熱に見舞われ、何度も嘔吐を繰り返し、激しい脱水症状に襲われた。
皮肉なことに、医者に診てもらう金がヘイワード一家にあるはずもなく、そんな状況に見ても、誰一人としてヘイワード一家を助けようとする者はいなかった。朝から晩まで食中毒の症状に襲われ、ヘイワード一家は耐え難い苦痛に苦しんだ。
彼らの暮らす地域は、夏が雨季であるために、水溜まりから水を飲むことができていたが、 拍車をかけるように、食中毒によって免疫が低下していたせいだと思われるが、サムの両親は感染症にかかってらしまったのである。サムに飲ませる水だけは両親が丁寧にろ過をし、煮沸消毒をしていたのだが、彼らには体力がほとんど残っておらず、自分たちの水は水たまりから直接飲んでいたらためだろう。
しかし、ヘイワード夫妻は、サムに優しく声を掛け、励まし合いながら命を繋いでいた。
だが、皮肉にも最後には、ヘイワード夫妻は、サムの前で亡くなった。
サムは、体力的にだけでなく、両親が亡くなったことで、心の支えを失ってしまい、精神的にも完全に参ってしまった。そして彼は、「次に生まれてくる時は、 家族と幸せに暮らせますように。」と祈るように死を覚悟して目を閉じた。
次にサムが目を覚ました時、 彼の目に初めに飛び込んできたのは、きっと彼の両親と普通に暮らせていたら、一生立ち入ることもないような煌びやかな装飾がされた美しい天井を見つめていた。 彼は、神が自分に慈悲を垂れ、自分を天国に送ってくれたのだと思った。