あと1ミリが遠くて
たった1センチは近いんだ
僕にとってこの街は特別だ。
すごく都会でも、すごく田舎でもない、ごく普通の街だ。
それでも特別だと思うのは、
たくさんの仲間がいるからだろう。
特に好きな人がいることは大きい。
でもそれも今日で終わり。
好きな人は遠くへ行っちゃう。
ここから300キロ以上離れた所へ行ってしまう。
だからこれがラストチャンス
やり直しはきかない。
「おはよ!元気にしてた?」
『おはよ。今日も元気だね』
「僕はいつだって元気だから!」
『はいはい、そう言って熱出すの誰?』
「、、、僕」
『そうでちゅよね〜蒼ちゃーん』
「くそむかつくなぁ!この筋肉が!」
『別に筋肉は悪口じゃないからw』
「知ってるし、、、ポロポロ」
『どうしたの?』
「今日でもう会えないんだよね、、、」
『うん、そうだよ』
「あのさ、、、」
『俺さ、、、』
〚あっ、、、〛
「先にいいよ」
『ありがと』
『あのさ、俺好きな人出来た』
「は?」
へ?どういうこと?
え?え?僕失恋したってこと?
こんなに頑張ったのに意味なかったんだ。
悔しくて、視界が泪で滲む。
あぁもう無理だ。ラストチャンスすら出来なかった。
『、、、蒼?聞いてる?』
「ふぇ?なんだった?」
『だーかーらー!』
『俺は蒼が好きだよ』
「ん?」
「え?ちょっと待って?え?え?」
理解が追いつかない
蒼が隙?すきって隙?好き?鋤?
あぁそういうこと僕の事が好きってことか
「はぁ?!」
『あ、気づいた?』
『ずっとアピールしてたよ俺』
『周りの奴らも蒼以外全員気づいてたんだけどw鈍感すぎだよ』
「、、、ポロポロ」
『えぇ〜なんで泣くのぉ』
「嬉しかったから、、、ポロポロ」
『泣き止んでよぉw』
そう言いながら君は僕の目元にそっと口付けを落とした。
真っ赤になって手で隠すと
『大好きだよ』
っと耳元で言われた