テラーノベル
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三人は砂漠の坂を歩いていた。
「おい煙たいぞ。」悟浄が右手で煙を払う。
「はっはっすまぬそのうちなれるさ。」
悟空は灰皿に落として如意棒型煙管を懐にしまった。
「悟空は愛煙者ですからね。」
白馬に乗った三蔵法師が笑いながら言った。
険しい坂を歩き進んでいるとシュンと蛇の目傘が飛んできた。
「安全な場所へ避難しよう。」
三人と白蓮は物陰に隠れた。
「誰だ俺の寝床に入ってきたのは。」ピンク髪の男性が鼻を鳴らしながら現れた。
「すみません此処が近道なので。」
三蔵法師はゆっくり近づいた。
「ブヒー!此処が近道だとぉ!」気が立っているのか三蔵法師に目掛けて投げた悟空は懐から如意棒型煙管を蛇の目傘を払い除けた。
「和尚様大丈夫ですか?」
「ありがとう二人とも。」
悟浄も背中から大刀を抜いて構えた。
「どいつもこいつも…!」
「まるで悟浄だな。」
如意棒型煙管を吸って円を書くように吐いた。
「効くもんか。」蛇の目傘を回して煙を払い除けられてしまった。
「この野郎!」悟浄は大刀を振り回して男性に突っ込んだ。
「…っこのガキ。」男性は悟浄の足を蹴った。
「悟浄大丈夫か?」悟空の目は怒りに満ちていた。
「仏説阿弥陀経…。」三蔵法師は念仏を唱えた。
「許さない…。」
「ふん弱い癖に。」
悟浄はグッと砂を掴んで立ち上がった。
「悟浄もう一度煙を出して俺が背後で仕留める。」
「仏説法華経…。」三蔵法師の念仏がより強まる。
「あいよ。」悟空は如意棒型煙管を吸って目くらましをした。
「ゲホゲホ…。」男性が戦闘不能になった隙に悟浄が後ろで蹴りを入れた。
「どんなもんだい。」
「その傲慢さ俺達と旅して直そうぞ。」悟空の言葉に戸惑いを見せた。
「旅…?」
「ええ楽しいですよ。」三蔵法師もにっこり笑った。
「お前名前は?」
「猪悟能…八戒で良いよ。」
三人は笑い合い八戒を仲間に入れた。
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