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三蔵一行は汗だくで宿屋に着いた。
「いらっしゃいませ。」
美しい美女が出てきた。
「今夜泊まらせて下さい。」
悟空は少し照れながら言った。
「勿論ですわどうぞ。」
一行は安堵して各々の部屋に入った。
「ふぁ…。」悟浄はあくびをして眠りついた。
「ヒーン。」
白馬は馬小屋で風呂に入ってい
た。
「へへどれにしようかな。」
八戒は饅頭選びを吟味していた。
「ふー…。」悟空は如意棒型煙管を吸っていた。
「南無妙法蓮華経…。」三蔵法師は念仏を唱えていた。
「フフ馬鹿な人達私が妖怪とは知らずに。」宿主の美女が回ると耳が尖った妖怪に変わった。
「何だこの嫌な気配は。」
悟空は如意棒型煙管を構えた。
「悟空胸騒ぎがする…。」と悟浄が目を擦って部屋に入ってきた。
「あれは…羅刹女です。」
「羅刹女?」八戒は饅頭を頬張りながら三蔵法師に問いた。
「あらあたし有名人じゃん♡」羅刹女は不気味な笑みを浮かべて姿を現した。
「聞いた事がある牛魔王の妻で紅孩児の母だよ。」悟浄は大刀を構えて腰を低くした。
「ご名答坊や!」
一行に扇を投げて攻撃を開始した。
「此方は蛇の目傘で反撃だ。」八戒が蛇の目傘を回して防御した。
「傘使いの豚かぁ面白い。」扇を仰いで八戒を吹き飛ばした。
「八戒!お前良くも…。」如意棒型煙管を吸って羅刹女に向けて吐いたが払い除けられてしまった。
「お猿の坊や小細工は良しな。」
「次は俺の番だー!」悟浄が大刀で羅刹女の腕を切る。
「っ…。」三蔵法師はよろめく羅刹女を見てニヤリと笑った。
「悪いなこれは如意棒型の煙管でな。」と悟空は如意棒型煙管を伸ばした。
「便利な煙管だな。」八戒は起き上がって鼻をかいた。
「私を愚弄する気か?」
「愚弄ですか宿主に化けて騙したのはあなたではありませんか。」三蔵法師が珍しく怒った。
「温厚な和尚様が怒らせるなんて八戒風を起こせ。」
「わかった。」八戒が蛇の目傘を回し風を起こし悟空はその風に乗り如意棒型で羅刹女の腹を殴った。
「うっ…。」
「南無妙法蓮華経…。」三蔵法師が念仏を唱えると羅刹女は苦しみ出し消えて行った。
「哀れな女だ。」悟浄は悲しそうな顔で呟いた。