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第20話 「遠くにおでかけ!」

「これ、あげるわ」

ある日、食堂でお昼を済ませた後、史花は夏実に紙を二枚差し出した。

紙の正体は、遊園地のチケットだ。

「これどうしたの」

「もらったの」

「誰に?」

「誰……私の友達よ」

(あ、これ以上突っ込んじゃいけないやつね)

史花がにっこり笑うのを見て、夏実は察しながら思う。

(篠塚……誘っても嫌がらないかな)

「前に映画に誘ってきたんだから、こっちが誘って悪いことはないでしょ」

「心読むのやめてよ史花!」

「顔に書いてあるわよ」

「……でも、そうだよね!」

「そうそう」

「うん! 誘ってみる!」

そんなやり取りがあった、その日の夕方。

「篠塚……これ、よかったら一緒に……」

昼間はああ言いつつも、結局ガチガチに緊張して京輔に遊園地のチケットを見せる夏実。

「……」

お茶をしていたテーブルに並んだ二枚のチケッ**************************

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