扉は閉まり、また新しいお題が出てきた
【手を繋いで 二度と離さないでください】
また平和なお題だ
「二度と…」
「二度と」が少し気になったが、しょうがない
3人は手を繋いだ
扉は開き、手を繋いだまま次の空間に行った
すると、お題が変わった
【次のお題が出るまで…】っと
意味深な文を残したが、3人はそれに気づかずに次の空間へ
お題がまた出現した
【 1時間 むし】
今までお題とは違い、どこか意味深だった
1時間 むしだけ
3人は不思議そうにお題を覗き込んだ
「むし…ですか…」
小川はそう呟くと、天井から虫が落ちてきた
小川の頭の上に虫が着き、2人はそれに気が付いた
「!きゃぁぁぁぁぁ!!!」
加藤はその光景を見て叫び、手を離した
「無理…!!どっか行って!!」
「落ち着けって…!」
加藤は右腕をブンブン回し、どっかに行ってほしそうに興奮気味で叫んだ
「…!!」
小川はなにかに気づいた
冷や汗を書きながら、柳と手を繋いだまま加藤の手を取った
バンッ
なにかが発砲した音がした
空間中にままならない空気が流れた
小川の頬から血が垂れ流れた
2人は後ろを振り返った
壁の中から拳銃が出てきており、一歩間違えたら加藤は死亡していた
加藤は膝から崩れ落ちた
「あ…あ……」
加藤は驚きのあまり声が出なかった
小川は柳と手を繋いだまま血を拭き取った
「なるほど…虫っと言ってしまえば降ってくるのですね…」
小川はそう言うと、また虫が降ってきた
虫は小川の腕に張り付いた
「!!」
加藤はまた離しそうになったが小川はガッチリ掴み、離さないようにした
柳は痺れを切らし、ガシッと虫を掴み、遠くに投げた
「もうやだぁ…!!」
加藤はそう言っていたが、虫を遠くに投げたおかげで落ち着きを取り戻した
2人はストンッと膝を曲げて座った
「…」
(つまり…1時間も虫のことを言わなければいいのか…)
柳はそう思い、終始無言になった
虫嫌いなら嫌なお題だ
加藤は虫のせいであんまり喋らなくなった
「…皆さん…」
「?」
柳は反応したが、加藤は反応しない
その時だった 加藤の頭に虫が現れた
加藤は息飲んだ
「!!…いやぁぁぁぁぁぁ!!!」
加藤はまた叫んだ
小川はギュッと加藤の手を握った
柳は虫を取ろうとするが、加藤が暴れているせいで取れない
「…すみません」
小川は小声でそう謝った
小川は右足を上げ、加藤の首を狙った
ゴキッ
「あ…」
っと、加藤は声上げ、そのまま地面に倒れた
虫は驚き、どこかへ飛んで行った
柳は一瞬のことで見ていることしか出来なかった
(今…何が起きたんだ…?)
柳は困惑していると、小川は柳の方へ視線を向けた
「!」
柳はそれに気付いた
小川は手の甲を使って頭を撫でた
「え…」
思わず、言葉をこぼした
「すみません…こうしないといけなくて…」
小川は申し訳そうに言った
「あ、いえ…」
柳はそれを鵜呑みにした
今の状況が分かってないが、
(もしかして…幻覚でも見てたのか…?)
柳はそう自分に言い聞かせた
本当はそれでないのに…恐怖心でそういうのを見てしまったのではないか?
柳は再びそう言い聞かせた
加藤が気絶したまま2人だけの空気が流れた
時間が分からないから、あとどれぐらいなのかが分からない
柳は口を開こうとしたが、なぜか気まずいような気がした
すると、小川が口を開いた
「柳さんって、学生なんですか?」
小川はそう言うと、柳は驚いた
急に学生か聞いてくる
だが、話さないのも癪に触れる
「はい…なぜ…?」
柳は素直に答えた
そして、疑問を投げかけた
小川はそれに答えた
「顔が幼く見えたので…
それに…身長を気にするのは学生だけですし…」
小川はそう言うと、柳はムッときた
顔が幼く見えるのはしょうがないっと思っていたが、身長まで…
柳はムッとしたまま聞いた
「じゃあ、小川さんは大人なんですか?」
そう聞くと、小川は答えた
「えぇ大人です」
「大人のくせに、身長をいじるのは違うと思います!」
柳は少し感情的になりながら聞いた
小川はその光景が可愛く思え、「ふふっ」っと笑った
柳はそれ見てまたムッとした
ポンッと小川は手の甲で柳の頭を撫でた
「柳さんは私の弟みたいです」
小川はそう言うと、柳は気になった部分があった
「弟…?」
小川に弟がいたことだ
小川は弟のことを淡々と話した
「弟はあなたみたいに似ていて、負けず嫌いで、感情豊か…でも、人のために犠牲にしたいが、引っ込み思案…
そんな弟が愛らしく思えてしまいましてね…」
小川はそう言うと、いつもの優しい笑顔とは違い、どこか嬉しく感じている…こんなこと今まで話せなかったのだろうかっと言う言わんばかりな顔をしている
柳はそんな小川を見て、どこか胸が痛くなったが、
(小川さんが楽しそうに話している…こんな話…初めてしたのか…?
……まぁ、小川さんが楽しかったらいっか)
柳はあまり深く考えずに小川の弟の話を聞き続けた
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こんばんは!主です! 6話が完成したので投稿します!よろしくお願いします!