【プロイセン×ロシア帝国(腐)】
神カプを提供してくださった神様:おむすび。 さん
↑このお方を崇めましょう。
◤◢◤◢◤⚠️attention⚠️◢◤◢◤◢
※旧国※[No political agenda.]
・地雷の方は今すぐ疎開警報発令
・語彙力が絶賛家出中
・二人は既に付き合っています(←これ重要)
「…はぁ……寒いな‥‥…」
雪に閉ざされたロシア帝国の館は静まり返っており、カツン…カツン…と自分の硬い足音だけが廊下にこだまする。
それにしても、ここは本当に室内なのだろうか。雪が絶え間なく降る野外よりは何倍もマシだが、それでも室内とは思えないほど寒気がするからたまったものじゃない。
呼吸をするたびに視界を横切る白い吐息に少々うんざりしながら、こんな寒いところに住んでいるなんてあいつの神経はどうなってるんだ…と心の中で軽く呆れる。
廊下の突き当りで立ち止まって”確かこの応接室だったはず…”と小さく呟きながら、
見るからに重そうなチェスナット色の扉をノックし、古びた蝶番の音とともに扉を押し開ける。
部屋に入ると火が赤々と燃える暖炉が目に留まり、肌を刺すような廊下の冷気との寒暖差に少々驚いた。
ふと暖炉の手前に視線をずらすと、暇そうに長い睫毛を伏せながら椅子に腰かけているロシア帝国の姿が目に入る。
露「プロイセン…随分と遅かったね。道にでも迷ったのか?」
普「はぁ?…いや、雪が邪魔で移動に時間がかかっただけだ。悪かったな、」
時計を見るとまだ5時36分。
事前に決めていた時間は5時30分だから、そこまで遅くはないはずだ。
”会議のたびに5分ほど遅れて入室しては一切詫びないお前に言われたくない”と言い返そうかと思ったが、言ったところでこいつは大して気にも留めないだろうと思い、口を噤んで外套を脱ぐ。
露「なぁプロイセン」
普「なんだ?」
露「君がつけてるそのベルト…見覚えがないけど、ちょっと汚れてるし新品ではないよな…。古いやつなのか?」
普「ぇ……ぃ、いや‥これは、大英帝国から借りたやつだ」
露「……英帝から…?へぇ……」
相変わらず無駄に整った澄まし顔で頬杖をついているロシアだが、先ほどよりも声が冷ややかになったような気がして、忍び込むように心の中に不安の影が落ちる。
こいつに対して嫌悪感を感じたことはないし、恋人なのだからそこまで危機感を持つ必要はないのだが、やはり体を這うようなロシアの視線には少々不安を感じてしまうのだ。
それにしても…まさか、他人のベルトの種類まで覚えてるとはな…。
まさかこいつ、何か勘ぐって変な勘違いでもしてるのではなかろうか。もしそうだったら――…
普「‥‥‥(まぁ…いいか、)」
普「それで…用事って何なんだ?」
露「あぁ、これだよ。この誓約書と、この前の締結文書の資料で――――…」
普「…これで以上か?頼み事っていうからもっと重要な何かだと思ってきたんだが…」
露「…嗚呼、さっきまでは頼み事はこれだけのつもりだったんだけどね。気が変わった。」
普「は?どういう意味だ?」
露「一旦部屋を変えよう。ちょっとついてきてくれるか?」
普「‥‥‥‥?」
ふわりと微笑むロシアだが、相変わらず声も視線も冷やかさを含んでいる。
やはりこいつは…何かを勘違いしているようだ。確かに、先ほどの自分の勘違いを生みやすい言い回しも悪かったとは思うが…相変わらずこいつの嫉妬癖への煩わしいという感情がにわかに膨らむ。
普「なぁ、ロシア…?おい‥‥…ロシア帝国?」
返事は無い。ただ俺の腕を掴んでツカツカと歩き続けている。
その冷静で閑雅さを保った後ろ姿が逆に威圧感を増長させているようで、心の糸が縮こまるような感覚を覚えた。
ロシアがとある扉を開けて中に入ると、そこは寝室のようだった。
普「ッぁ、おい、ロシ
すると言葉を遮るように俺の腰をそっと引き寄せてやや乱暴にベッドの上におろされる。
普「…は……?」
露「なぁプロイセン、英帝のところで何してきたんだ?」
普「いや、ちが…とりあえず、落ち着けよロシア…。お前は思い込みが激しすぎる、」
露「…何をしたのか聞いているだけで、”浮気を疑ってる”なんて私は一言も言ってないよ?」
露「でも‥そうやって”浮気について疑われてる”と思い込むのは、図星だからなのか、?」
普「っ、いや、だってお前なんか苛立ってるし…そりゃあ浮気を疑われてるって思うのも当然だろ」
露「……ふぅん…、そうか。じゃあ、英帝からそのベルトを借りるなんてどういう事情があったんだ?」
露「服を脱がない限りベルトなんて他人から滅多に借りないだろう?」
普「いや…ちが…、まぁ確かに、服を脱いだのは事実だが…」
露「……認めるのか。随分と挑発的な物言いをするんだね、見直したよ」
”見直した”なんて皮肉を口にしながら嘲笑を浮かべる彼の様子に、「やっぱり勘違いしているのだな」と確信する。
それにしても、「服を脱ぐ」=「行為をする」とは限らないのに…気が立って思考の回転が鈍くなっているのだろうか。
でも…そんなところが…
可愛いんだよな…♡
露「で、英帝の家で何したのか教えてくれないのか?」
普「‥‥見れば分かるだろ?」
露「…‥‥‥!」
露「それはどういう意味だ?」
普「…」
露「ふーん…そうか。私という恋人がいながら‥‥ねぇ‥‥?君がここまでの贅沢者だとは思わなかったよ」
そう冷たく嗤っているロシアだが、普段氷のように凍てついて濁っている彼の目が、一瞬雪解け水のように揺れて滲んだのを見逃すわけがない。
そろそろ…もう良いだろうか…。
普「‥‥おいロシア、見れば分かるって言っただろ?」
そう言って軍服のベルトを外し始める。
露「ぇ…?」
軍服を捲って、腹部を覆う血の滲んだ包帯を「ほら」と見せると、少々たじろぎ始めた。
普「軍事同盟に関する書類を渡したくて英帝の家に向かう途中でフランス軍の奴らに襲撃されたんだ」
普「そこで英帝の部下達に治療してもらってなんとか無事に済んだんだが…」
普「国の化身だから人間よりも丈夫な体であるとはいえ、大怪我を我慢して遥々来てやった俺を浮気者扱いとは失礼だな‥‥」
露「‥‥…は…?だったら最初にそう言えば良かったんじゃないのか…?最初に言ってくれたら私だって
普「謝罪はしないのか?
露「!」
露「‥‥プロイセン…‥‥…すまない…」
自分がフランス軍に襲撃されたのも全部事実だが、それを知る由もないロシアをここまで責めるのは少し可哀想かもしれない…が、いつもマイペースすぎるこいつに振り回されてるのだから、少しくらい仕返しをしたって良いだろう。
少々揶揄いすぎてしまったことへの謝罪の意で、伏し目がちに狼狽の色を浮かべるロシアの唇にそっとキスを落とす。
冷たい彼の唇が、雪解け水のように溶ける感覚を覚えた。
コメント
9件
はぁ…最高。 なーんでそんなに物語を作るのが上手いんですか神なんですか神なんですね…
なんか、もう最高ですありがとうございます。 「そんなところが、可愛いんだよな♡」ってところがなんかもう想像通りすぎて好きです。 露普のときは圧倒的に(攻め)→→→→→→(中略)→→→→→→→→♡←←←←(受け)って感じなんですけど逆になるともう共依存だろってくらい両方愛の重さがえげつないと思うんです。で、一見ろてちゃんはグイグイいってプロちゃんが周りの人に心配されるんですけど本人内心ろてが自分の事しか見てないという事実に興奮するんですよ、でもそれを表に出さないっていうね。露普は露普で受け(プロちゃん)の愛の方が重いっていうのも良いと思うんです。つまり何が言いたいかというと、ろてちゃんはグイグイ想いをオープンにしてまわりを牽制?したりするタイプで、プロちゃんは一見普通に見えるけ ど内心すっごい激重感情持ち合わせてて実はヤバい系みたいなのが良いんだよねって話です。普露増えろ露普も増えろマジで増えろ。 超絶長文スンマセン感情爆発しました。
すみませんね、小説書いてる間に思ったことをコメント欄で暴発したいタイプの人なので、少々コメント欄でぶっぱなします(?) これ…最初は露普書こうと思ってたんですよ…。 でも途中で、ぇこういう展開もいいなぁーって思って急遽普露ってことにしました。なんかさ、BLって (攻め)→→→→→→→♡←←←(受け)みたいな構図が多いけど、個人的には受けの愛が重くても良いと思うのよね。ていうか個人的には、受けの愛が重いカプの方が好きですわんっへへは(?)