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#うちはイタチ
琴葉つきね
979
#コメントいっぱい頂戴!
「ハァ……ハァ……!」
地下塩湖に、荒い息遣いと水飛沫の音が響く。
「へぇ……なかなかやるじゃん、木ノ葉のボッチャンに忍具ちゃん♡ でもねぇ、俺の砂鉄は無限なんだよ!」
テッサが腕を振るうと、アイネが投げつけた磁気遮断苦無の隙間を縫うように、黒い砂鉄の崩落が押し寄せてくる。
「くっ……! 砂鉄の密度が高すぎる!」
「アイネ、退がれ! 景門、開!!情熱・花鳥風月の舞!!」
ロイスの全身から溢れ出す緑色のチャクラの炎。幻術と超高速の体術が交錯し、テッサの砂鉄の槍を強引に粉砕していく。
「あはっ♡ 凄い熱量! 凄い周波数! 脳みそが痺れて食べちゃいたいほどの音だよぉ!」
シズクの吹く笛の高周波がイワドの重力波を相殺し、
「アカネさんには……指一本触れさせない!!」
マキナの操る数十本のチャクラ糸が、蒸月の吐き出す灼熱の水蒸気を強引に裂いていく。
「ちっ……面倒くさい雑魚どもが……!」
傷を負ったカムラが、メガネを叩き割りそうなほど目を怒らせて立ち上がった。
その全身から、これまでにない禍々しい『闇電』が溢れ出す。塩湖の水面が黒い雷撃でパチパチと狂暴に跳ね上がった。
「大蛇丸様すら解明し得なかった仙術の真理……! こんな辺境のガキや木ノ葉の小僧共に邪魔されてたまるかぁぁぁっ!!」
全チャクラを暴走させたカムラが、黒い雷の巨塊となって私とミズキに向かって一直線に突進してくる。
「アカネ!!」
後ろでナラク先生の『武御雷』の雷鳴が轟き、サエ先生の『未来視』の鋭い指示が飛ぶのが見えた。
だけど——私とミズキは、指示されるより早く、すでに動いていた。
「ミズキ!」
「言われなくても!!」
ミズキの白眼が怪しく光る。
カムラの漆黒の闇電の中に流れる、ほんのわずかな「チャクラの節目(点穴)」。
「アカネ! カムラの右胸、三寸奥! 僕の柔拳でそこを突きます! あなたの風で、闇電の雷圧をすべて外側へ受け流しなさい!!」
「任せなさい!!」
私は深く息を吸い込んだ。
恐怖もない。焦りもない。
(風は……固めるんじゃない。流すんだ。私と……世界の境目を無くすんだ……!)
私の中で、背中の『風の龍影』が静かに、だけどどこまでも巨大に広がっていく。
『竜人化』の硬い甲冑でもない。ただの風遁でもない。
周囲の空気、地下塩湖の湿り気、そしてカムラの放つ闇電の衝撃波……その全てと私のチャクラが、完璧な一つの「嵐」として調和していく。
これが——私の一族の……『秘術・竜神化(りゅうしんか)』!!
シュウゥゥゥ……ッ!!
カムラの放った絶望的な闇電の濁流が、私の全身を包む無音の風の渦に接触した瞬間、まるで滑らかな水流のようにあらぬ方向へと受け流され、塩湖の水面を爆発させて消えた。
「な……っ!? 闇電が……消えた……!?」
無防備になったカムラの視界に、完璧な足さばきで踏み込んだ日向ミズキの姿が映る。
「洗練を知らぬ抜け忍に、日向の柔拳の神髄をお見せしましょう」
澄み切った白い瞳。無駄の一切ない指先。
「柔拳法・八卦六十四掌——仕留め!!」
ドドドドドドドドッッ!!
「グガアアアアアアアッっ!!」
カムラの体内の点穴がすべて打ち砕かれ、体内の闇電が逆流。カムラの身体が地下塩湖の水面へと激しく叩きつけられ、二度と動かなくなった。
「カムラが……やられた……!?」
「マジかよ……引き上げるぞ!」
首領であるカムラが倒れたことで、テッサ、イワド、蒸月の三人は瞬時に戦意を喪失。蒸月の広げた濃霧に紛れ、敗走するように闇の奥へと消えていった。
静寂が、地下塩湖を取り戻す。
「ふぅ……ふぅ……」
風の渦が静かに消え去り、私はその場にへたり込んだ。
全身の力は抜けているけれど、以前のような『竜人化』のあとの身体が壊れるような激痛はどこにもない。ただ、どこまでも心地よい達成感と、澄んだ風が胸を満たしていた。
「……見事なものでしたよ、アカネ」
見上げると、ミズキが汗を拭いながら、相変わらず澄ました顔で私を見下ろしていた。
「なによ……ミズキのくせに、素直に褒めるなんて珍しいじゃない」
「勘違いしないでください。あなたの風が少しだけマシになったから、僕の柔拳が百パーセントの威力を発揮できただけです」
「ふんっ! 相変わらず一言多いんだから!」
私がべーっと舌を出すと、ミズキはフッと口角を上げ、どこか優しげに目を細めた。
「ですが……認めざるを得ませんね。あなたのその泥臭い風は……案外、悪くない」
「……え?」
思わぬ言葉に私がパチグリと目を丸くしていると、後ろから賑やかな声が押し寄せてきた。
「アカネさぁぁぁん!! 無事でよかった!! ああ、世界を救ったあなたのその美しい姿……今すぐ婚姻届を……!」
「マキナ、しつこい! 蹴るよ!」
「あはっ♡ 今日のシンフォニー、最高だったなぁ! ミズキくんとアカネちゃんの合奏……ゾクゾクしちゃった! やっぱりふたりとも食べちゃいたい♡」
「シズク、あんたは一回武御雷で焦げた方がええな」
ナラク先生が日傘をパチンと閉じ、サエ先生がお汁粉の缶を美味そうに飲み干す。
ロイスとアイネも「素晴らしい情熱だった!」「新しい忍具のデータがたくさん取れたよ!」と笑顔を見せていた。
大蛇丸の影を追う邪悪な組織『彼岸』の野望を打ち砕き、私は『竜神化』という一族の真の力の一片を掴み取った。
たつまきの里の、名もない小さな風。
だけどこの風はもう、どんな大国の嵐にも、闇の恐怖にも負けはしない。
「さあ、行こうか!」
私は仲間たちを見振り、真っ赤な髪を誇らしく風になびかせた。
私の、私たちの忍としての物語は、この広い世界へ向けて、どこまでも駆け抜けていくのだから!
コメント
1件
読了したわ!いやー、今回の戦闘シーンは鳥肌立った……!特にアカネが「竜神化」でカムラの闇電を受け流す場面、めちゃくちゃ熱かった🔥「固めるんじゃない。流すんだ」って思考にたどり着くのが、これまでの成長の積み重ねがあってこそでグッと来たわ。ミズキとの連携プレーも完璧で、「泥臭い風は案外悪くない」って素直じゃない褒め方にニヤニヤしちゃった。戦闘後の仲間たちの賑やかな掛け合いも好き。次はどんな敵が出てくるのか楽しみ!