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ただ主ちゃん(現:本気狩る☆メロンパン@低浮上)様からのリクエストです。
リクエストありがとうございました!!
遅くなって本当にすみません!!
夜はすっかり更けていた。
灯りを消した薄暗い部屋で、同じベッドに寝転がる、僕とカナダさん。
背中に回された腕は、いつも通り優しかった。
抱き寄せる力は強すぎず、呼吸に合わせて背を撫でる。
息をする度雲に沈み込んでいく、そんな心地だ。
僕はそのまま、彼の胸に額を預ける。
甘えるよう頭を埋めても、彼は静かに微笑むだけ。
「寒かった?」
「…ううん」
毛布を整え、肩口を覆い、指が離れる。
それ以上は、来ない。
──何度目だろう、と思う。
想いを伝えてから二年。
互いの多忙の隙を縫って、二人の時間を作ってはこうして触れ合って、同じベッドにいる。
それでも彼は、越えてこない。
安心させる抱擁。
眠りを促すようなリズム。
愛されているのは分かる、痛いほど。
けど……
狭い腕の中でわざと身動ぎ、ピタリと密着させる。
僕の期待の鼓動が伝わるように。
でも、カナダさんは腕を解かないまま、ただ穏やかに声を紡ぐ。
「……眠れない?」
責めるでもなく、焦るでもなく。
あるのは、気遣いだけ。
「ええ。……もう少し、起きてたい」
僕にしては勇気を出した方だ。
分かりやすい誘いに彼は深い息を吐いた。
「…明日仕事でしょ。夜も遅いし、今日はもう寝よう?」
抱き寄せる腕はそのままで、触れる場所は増えない。
思わず、乾いた笑いが漏れた。
胸の奥に溜まる、言葉にならない苛立ちを隠すように。
──ああ、これは。
完全に、焦らされている。
結局その夜は何も起きなかった。
…いや、起こせなかった。
あの後、額に落ちた柔らかな口づけを最後に、目を閉じてしまったのは自分だ。
腕の中は温かくて、心が緩んで……
それが余計に、胸の奥を重くする。
翌朝、「よく眠れた?」と穏やかに笑う目の前の彼に、頷くことしかできなかった。
会社のデスクに向かいながら、小さく重い息を吐く。
……また、踏み出せなかった。
触れ方も、声も、視線も。全部優しい。
それなのに、一線だけは越えてこない。
…期待してるのは僕だけなのかな。
そう思うと、彼の純粋な愛を穢しているようで──胸が痛んだ。
「Japan?」
そんな時、背後からかけられた声。
振り向くと、そこにはアメリカさん。
キリッとした眉は心配そうに垂れている。
「なんか元気なくね?話なら聞くぞ?」
…鋭い。そんなに顔に出ていただろうか。
「大丈夫だ。他の奴には普通に見えてる」
「心読んでます?」
「俺に日本人程の察する能力はないぞ」
あれは読心術じゃないんだけどな…
ズレた会話で和ませてくれたおかげか、少しクリアになった頭で考える。
「……じゃあ、聞いてもらえませんか」
「おう!」
慎重に言葉を選びながら、昨夜のことをぽつぽつと語る。
同じベッドにいたこと。
何も起きなかったこと。
自分が、少しだけ期待していたこと。
言葉が止み、静まり返る空間。
「あー……」
間延びした声を出したアメリカさんは、大袈裟に肩をすくめた。
「あいつ、日本には甘いからな」
笑っているのに、どこか疲れたような仕草。
「甘いってか、大事にしすぎなんだよ……ほんとに」
最後の一言だけ、独り言みたいに小さくて。
ぽん、と軽く背中を撫でられる。
大きな掌の重みが、昨夜の腕と重なって、また少し胸が痛む。
「まあ、それがあいつなりの”優しさ”なのかもな」
そう言って、アメリカさんは小さく息を吐いた。
それは呆れたような、疲れたような顔。
理由は分からない。
けれど──きっと、カナダさんの内情を散々聞かされているのだろうと、なんとなく察した。
「……でもな」
視線は動かないまま、トーンの落ちた声。
「日本がそんな顔してんの、気に入らねぇ」
思わず顔を上げると、彼はいつもの軽い笑みを浮かべていた。
なのに、目だけは妙に真剣だ。
「恋人を不安にさせてどうすんだって話だろ?」
その言い方に、胸が揺さぶられる。
責められているのは自分ではないはずなのに、なぜか息が詰まった。
アメリカさんは一歩近づき、少し身をかがめる。
「なあ、日本」
口元が、悪どく歪む。
僕が反応するより早く、耳元に落ちてくる低い声。
「”イイコト”教えてやるよ」
青い瞳が面白がるように細められる。
──絶対に、ろくでもない。
そう思ったのに。
ごくり、と自分の息を飲む音が、やけに大きく響いた。
あれから約半月が経った。
久しぶりの二人の時間。
カナダさん家のリビングのソファで並んで座る、穏やかな時間。
僕の大好きな、いつもの時間だ。
約5cm。
ソファにつく、互いの小指の間。
触れそうで触れない、もどかしい距離。
勇気を出した僕は、見えない境界線を乗り越えて、大きな手にそっと、指を絡める。
じんわり染み込む彼の高めの体温が、とても心地良い。
「…ふふ」
小さく漏れた笑い声と共に、長い指が僕の指を絡め取る。
こんな子供みたいな触れ合いにも、僕の心は浮き足立つ。
…もっと深く触れたら、どうなってしまうんだろう。
そんなことを思いながら、コテン、と隣の肩に頭を預けた。
珍しい重みに、彼は目を細めて微笑む。
嬉しそうで、理由を探るような目。
照れくささを押し殺しつつ、僕も視線外さない。
そのまま、首にゆるりと腕を回し、上目遣いを寄越した。
「ね、ベッド…連れてって」
「…なぁに?今日は甘えたさんだねぇ」
肌で感じる、返事までの一瞬のこわばり。
でも、彼はすぐに平静を取り戻してしまって。
ふわりと僕を抱き上げる腕は、いつも通りの優しさだった。
ふかふかのベッドに降ろされた僕の隣で、同じく横になるカナダさん。
毛布をかけてくれた手が流れるように背に触れる。
ポン、ポンと叩く、眠りを促すリズム。
…これでは、また”いつも通り”だ。
「どうしたの?眠れない?」
問いかける声に、演技はない。
でも、その焦ったさが今はちょうど良かった。
おかげで、覚悟が決められる。
「…そう、ですね」
「モヤモヤしすぎて、眠れないです」
驚きで力が緩んだその瞬間。
腕から抜け出して起き上がり、彼を跨ぐ。
手を頭の両側に付けば、隠しきれない焦りが見えた。
「に、日本…なにして」
「ねえ、カナダさん」
わざと遮った言葉。
語気の強い呼びかけに戸惑う彼の視線を逃がさぬよう、悪戯っぽく目を細める。
そして、”彼”みたいに軽く肩をすくめて、言った。
「You gonna keep teasing me like that?」
空気が、目に見えるほど張りつめる。
大きく見開かれたカナダさんの瞳に、段々と濃く広がる濁り。
「……それ、誰に教わったの」
答えを待つ気はない。
嫌に穏やかな声が、暗に釘を刺す。
対して、分かってるでしょ、と笑顔で黙りを決め込む僕。
しばらくして、フハッ、と呆れた笑い声が響いた。
「君は本当に、僕を煽るのが上手だね」
瞬間、視界が揺れて、背中に柔らかな感触が伝わる。
気づけば、大きな影が僕を覆って、世界が反転していた。
「僕を困らせて楽しい?」
黄昏みたいに仄暗い表情で、鋭く輝くメープル色の瞳。
常人なら逃げ出す”それ”から、僕は一瞬も目を逸らさない。
ただ、確信を宿してほくそ笑む。
「あなたが優しすぎるのが悪い」
言葉は続かなかった。
噛みつくような勢いで唇を塞がれ、息を奪われる。
それは、互いの覚悟の証だった。
理性の箍を外しても、カナダさんは優しかった。
唇に、舌に、手に。全身を丁寧に愛撫され続け、どこもかしこも気持ちいい。
でも……それじゃ、足りない。
疼きがじくじくと腹の奥に集まって、濃くなる感覚。
まるで、じっくり弱火で煮詰められるようだ。
「日本、後ろ…触るよ」
震える指先が後孔に触れ、軽く押し込むとすんなり先が埋もれていく。
それもそのはず。
何度もの期待のために解した入口は、指三本を抵抗なく受け入れるようになっていた。
「っ!?………今度は僕にやらせてね」
一度引き抜かれたそれは、増えた二本指と共にローションを纏い、再び侵入してくる。
熟れた腸壁を掻き分け、第二関節までを埋めた、その時。
コツン、と指先が凝りに触れる。
それだけでも、弾けてしまいそうに強い快楽が生まれた。
「ぅあ゛ッ!!?かなださ、ッんぅ゛!!」
「ここだね。分かりやすくて助かるよ」
見つけた弱点を挟んで捕らえる三本指。
擦り上げて、摘んで捏ね、押し潰して。
神経を直接いじられるような暴力的な刺激に、腰が高く跳ねる。
「ふふ。ココ、気持ちいいね」
「きゅうきゅう締め付けて…指が噛みちぎられそう」
僕の反応が相当お気に召したらしい。
上機嫌に動き回る指は止まる気配がなく、散々いじめられた前立腺はぷっくり浮き出てしまうほど。
こんなところだけは、全然優しくない。
「も、ッ、そこ…い゛、い、かりゃ…ぁ゛!!」
「はゃ゛く、ぅ…ちょう、ら゛ぃ、っ…!」
半分泣きそうになりながら懇願したことで、ようやく彼は動きを止めた。
「わかった。…痛かったら言って」
指が引き抜かれ、入れ替わるよう宛てがわれる、カナダさんの欲望。
その熱量に、彼もまた待ち望んでいたのだと改めて知る。
僕だけじゃない。安心感で心身が解れていく。
その隙にペースを早めたソレの先端が、奥壁に触れた。
「…っ、入っ、た…よ…」
頑張ったね、と頭を撫でられる感覚。
自然と胸がキュッと締め付けられ、視界が潤んでいく。
入った。カナダさんが…僕に。
ずっと待ち望んでいた触れ合い。
ああ、やっと。やっと……うれしい…っ!!
溜め込まれた気持ちが解放されるよう、僕の先端から白濁が噴き上げた。
「んぁ゛ッッ!!」
きゅぅぅと強くうねってナカのモノを締め上げる。
その瞬間、息を飲む音と同時に、何かが胸に落ちる。
真っ赤なそれは、真上の彼の鼻から、ぽたぽたと流れ落ちていた。
「っ!?ご、ごめん…」
かっこわるい……と顔を逸らして必死に止めようとする彼。
血管が切れるほど僕に興奮して、それでも格好つけようとして……
さっきまでと違って、なんか…可愛い。
少しだるい体を起こし、両頬を包んで引き寄せる。
そして、依然流れ出る血をぺろりと舐めとった。
「……は、」
「…ふふ」
「甘い、ですね」
見開かれた瞳には、悪戯な笑みを浮かべる自分の姿。
我ながら演技が上手い。
嫌に冷静な頭でそんなことを思っていると、プチッ、と何かが切れるような音がした。
「…なんだ、余裕そうじゃん」
「遠慮しなくていいってことだよね」
目尻の垂れた優しい目が、鋭く細まる。
…ああ、”これ”を待っていた。
「恨むなら自分を恨んでよ」
食い込むほど強く掴まれた腰。
ギリギリまで引き抜いたかと思うと──重たい衝撃と激しい接触音が脳を犯した。
「はや゛、ッ、あ゛ッ!!」
「お゛ぐ、つよ、ぃ゛ッ」
「ほら、こうッ、されたかったん、でしょ、っ!」
突く度に深まる眉間のシワと、震えるモノ。
カナダさんも、僕のナカで、気持ちよくなってくれている。
その事実に、胸がトプトプと満たされ、蕩けるような幸せがじんわりと広がった。
「かなだ、さんッ、が、っはぁッ…きもち、よさそ、ぅん!…だから…」
「ぼく、も、ぅッ゛、うれ…ッしい…」
伝えられた嬉しさと照れくささで、へへ…と漏れる柔らかな声。
カナダさんは零れそうなほど大きく見開いた目を瞑ると、それはもう大きな溜息を吐いた。
「ッ!!!……はぁぁぁ……もう」
「どれだけ僕を困らせて……喜ばせば、満足するわけ?」
見下ろす獰猛な瞳は緩く細められ、甘ったるい橙の光が輝いている。
呆れたようで、嬉しくてしょうがない。
そんな、歪んだ笑み。
「まっ…ぉ゛ッ!!?」
全身を貫くような、快楽のスパーク。
バチバチと脳を焼く絶頂が訪れるも、すぐさま次の衝撃が襲ってきて、欲を吐き出してしまう。
「や、いま、イッ…んぁ゛あ゛、ッ!!」
「あはっ、イキっぱなしでかわいい」
押し上げられた高い所からずっと降りられない。
気持ちいいしか分からなくて怖い。
なのに──
彼が嬉しそうだから、それでいい。
意識的に締め付けてやると、滾りがビクビクと震えるのを感じた。
「ぅ゛あぁ…出そう…」
「日本、出すよ。しっかり味わって」
力強い腕が、拘束するように腕ごと抱きしめる。
全部を包み込まれる幸福感で、僕の快楽の張力は、完全に決壊した。
「ふぅ゛…ん、ぐぅッ!!!」
「ッア゛ァッッッ!!!」
二人の荒い息だけが響く、暑い室内。
処理に奔走する脳で、ぼんやりと余韻に浸る。
初めて味わう強大な快楽。
最後までやり切った達成感。
そして、焦れから解放された悦び。
…よすぎて、死ぬかと思った。
ピクピクと震えの残る肉壁に、ドロリと絡みつく熱い粘液。
視界には小さな火花が散り、モヤがかかってきている。
このまま、今日は寝てしまおうか。
気だるさと満足感に任せ、瞼を閉じようとした、その時。
「おなか…あつ……ぅぎゅッ!!?」
気を抜いた体の奥へ殴り掛かる、強い衝撃と快楽。
「まっ…かな、っや゛ぁ゛!!?」
「我慢させた分、ちゃんと返さなきゃだもんね」
「遠慮しなくていいよ。僕もしないから」
腰を止めないまま、大きな手が、ショートする頭にそっと触れる。
語り口も撫でる手も優しいのに、視線が僕を捕らえて離さない。
「満足するまで頑張ろうね、お互いに」
美しくも妖しい、穏やかな笑みに身体が悲鳴をあげる。
この飢えた獣に喰い尽くされる、と。
だが──
弱々しい腕が、彼を引き寄せる。
欲深い僕の心は、”もっと”をねだっていた。
コメント
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Twitterで加日を執筆していらっしゃる事を知ってからずっと待ち望んでおりました… 琥珀さんの文章は物語と一緒にその場にいるような臨場感があって、本当に私の語彙では表せきれないほど大好きなんです🫶 可愛くて甘い大人な加日をありがとうございました!
ありがとうございます。これのおかげで毎日が頑張れます。やはり尊いは生きるうえで必須ですね…。
加日ありがとうございます。命救われました。徹夜お疲れ様ゆっくり寝てね