7月22日。
夏休みスタートまであと3日。
「ポイント20-14、マッチポイントです」
暑い。
「紫乃お願い!」
暑い。
「前行く」
転けかけて床に手をついた。
「おっけーナイス!」
シャトルを打ち叩く音が鳴り響いた。
「ゲームセットです」
「4人ともお疲れ」
側にいた部員がタオルを持ってきてくれた。
「ありがとう、紫乃前取ったのナイスだったよ」
「、、あぁ、うん」
「大丈夫?体調悪い?」
「私冷やすやつ持ってくる、先生呼んできた方がいいよね」
「私呼んでくる」
視界がグラグラする。暑さのせいだ。
「ごめんシャトル飛んだ、、どうした? 」
「あ、佐倉。紫乃がちょっと」
「扉開けて風送ろう、うちわも使って」
目を瞑っていると涼しい風に吹かれて、なんとか持ち堪えられそう。
「最近すごい暑いからね、しかも体育館なんて地獄よね」
「めっちゃ、、暑いです」
保健室で各部を冷やし、少し寝たらだいぶ良くなった。
「まだ夕方前だから、もうちょっと外が涼しくなるまで帰らない方がいいわ」
「わかりました」
「あ、さっき幡中さんが寝てるとき男の子が来て、幡中さん見に来たみたいだったわよ」
「、、同じ学年ですか?」
「うん、背高めで、、眼鏡かけた子。制服だったから運動部じゃないのかしら」
え、宇治?
「そう、ですか」