はじめまして、さきいか太郎です
今回、わなかぶを書かせていただきました
ほのぼのです。
見ていただけると、とても嬉しいです
それでは、どうぞ
俺は小峠華太、和中の兄貴が事務所のソファで寝ているという激レアの状況に立ち会った
アラサーの極道だ。
噂によると、和中の兄貴は寝起きが悪いらしく無理矢理起こそうものなら、
四肢切断のダルマだ。
普通の人なら起こさないだろう……………いや俺も起こしたくない。
起こしたくないがしかし、
(兄貴…………………………なんで資料の上に寝るんですかッッ)
兄貴の下敷きになった資料が今必要なのだ。
兄貴の背中に押し潰された資料は、速水に頼んでいた物だ。
回収する暇がなくてすっかり忘れていた…………………………
速水への怒り半分、自分への怒り半分、抱きながらも俺は打開策を練る。
どう考えても引っ張ってとれる面積ではないし、出来るだけ起こしたくない。
どうしたものかと考えていると、
⌈…………………………ん」
兄貴が寝返りをうった。仰向けから横になった兄貴の体勢は俺にとって好都合だった。
これなら起こさずに引っ張ってとれる……………………………………………………
そう考えた俺は、早速行動に移すことにした。
右手で兄貴の背中とソファの間に隙間をつくり、左手で資料を少しずつ引っ張る。
(あと、ちょっと……………起きないでくださいね)
努力が実り、俺は資料を手にいれることに成功した。
もう二度とこんな思いはしたくないな。
達成感に浸っていると、俺はあることに気づく。部屋の温度だ。
今、季節は冬……………それなのに暖房器具を使っていないし、毛布も掛かっていない。
俺は、デスクワーク用の膝掛けを兄貴にかける。安物だが、無いよりはマシだろう。
ふと、兄貴の顔に目をやる……………………………………………………
いつも凛々しい眉毛は、曲線を描き、八の字に結ばれた口は、ほんの少し笑っているようだった。
美しい。思わず見とれてしまう。
俺は、その顔をよく見ようとソファに手をつき、しゃがむ…………………………
すると次の瞬間、ソファについていた手を兄貴が掴んだのだ。
俺は混乱する。起きてしまったのか?起こしてしまったのか?分からない。
このままだと両手、両足とお別れをすることだけは
分かる。
反射的に目をつぶるが……………いつまで経っても痛みがこない。
こない代わりに、俺はソファに引きずり込まれ、抱き枕状態になった。
動こうにも、手は掴まれたまま足はがっしりとホールドされている。
⌈兄貴?」
⌈……………………………………………………」
背中に兄貴の吐息が当たる。怖い。
俺の体内からどくんどくんと心臓が脈打つ音が聞こえる。
すると急に、兄貴がボソボソと喋り出す。
⌈…………………………さむい」
⌈湯たんぽ?」
⌈暖かい」
⌈…………………………眠い」
⌈……………………………………………………」
あぁ、納得。やはり安物では、兄貴を満足させられない。
俺もこのまま寝たいが仕事がある、何とかして解放してもらおうとするが、
⌈俺は湯たんぽじゃありませんよ」
⌈……………………………………………………」
⌈聞いてます?」
⌈……………………………………………………」
⌈和中の兄貴?」
⌈……………………………………………………」
寝てしまった。
俺は、動けないまま2時間を過ごした。
まぁ、でもこの2時間収穫はあった。寝ているときの狂人兄貴は可愛いということだ………………
⌈カブトぉ、俺に夜這いとは覚悟はできているんだろうなぁ」
⌈あ、いえ、誤解ですッッ」
⌈問答無用、腹くくれぇ」
⌈~~~~~~ッッ」
この後、獣のようなおせっせをしたのは言うまでもない。
(完)
コメント
7件
きゃぁあぁぁぁぁあぁしんだよまじいいいい意味で
うォォォ❗️わなかぶ尊いッ❗️ありがとうございます😭いやもう本当最高、、華太君頑張れよ