テラーノベル
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学園に通う貴族の子女として、馬車と侍女付きでしか外出できない私にとって、秘密の図書館にたどり着くのは簡単ではなかった。授業の合間を縫い、侍女の目を盗んで学園の古い棟に忍び込んだ。小説の記憶を頼りに、埃だらけの隠し扉を見つけ、薄暗い図書館に足を踏み入れる。そこには、禁じられた魔法の知識が沢山眠っていた。
埃をかぶった本棚の奥で、私はついにそれを見つけた。「他者と入れ替わる魔法」と題された古書。ページをめくると、魂と身体を交換する魔法の詳細が記されていた。危険で、成功率も低い。だが、成功すれば、私はミーティアになれる。彼女の美しさ、彼女の魔法、彼女の運命――すべてが私のものになる。
私は震える手で本を握りしめた。私はこの本を異空間へ収納した。この禁術は私の最後の希望だ。だが、ミーティアを茶会に招いたり、二人きりになるのは危険だ。後で怪しまれれば、貴族社会での私の立場が危うくなる。どうすれば彼女に近づけるか――その答えは、意外な形で訪れた。
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