独英のような何かです。もう主の妄想しか詰まってません。文字だけで胃もたれしても良い人のみどぞ☆
⚠・妊娠描写があります。あらかじめ雌雄同体設定なのでそこもご了承ください🙇
・グロ(?)あり、エロ無し
・文がおかしいかも、、、つまるところ駄文()
・期待をマイナスまで引き下げまくってご覧ください🙇
冬らしく冷え込むある夜。ちょうど1年程前だろうか。片想いの相手にバットを振った。
ドンッという鈍い音と共に命中し、少し出っ張っている腹を打ち付け、前に倒れた。
さっきまで愛おしそうに腹を撫でていた。居ても経ってもいられず尾行し、思いっきり頭を殴った。
幸い打ち所が良かったのか息がある。しかし、下の方から水のような透明な液体が出てきた。こういうのには詳しいからすぐに察した。
急いで車に積んで、後ろめたい父の遺品に向かって発車した。所業を考えれば分かるが、無駄に設備が整っている病院だ。一先ずそこで様子を見るという建前だった。
漫画や小説のような、ありきたりな高揚感なんてありゃしなかった、汗が酷い手でハンドルを握る。速まる鼓動と焦燥感に駆られながら、山奥へとアクセルをふかした。
もう辺りは真っ暗。
星が痛いほどよく見える、秋の晴天だ。だらんと気を失っているイギリスを抱いて、真っ直ぐ手術室に向かう。
一応だが医学校を卒業している身だ。記憶が新しく、テキパキと習った通りの処置を施していった。
ドイツ「…………どうしよ………」
医療従事者やそれ関係の者なら、葛藤する間もなく、母子共に生かす選択をし、命を紡ごうと健闘する事だろう。
でも、そういう気になれなかった。むしろ、赤子は消した方が良いのではとさえ思っていた。己のエゴと一般常識で葛藤するという事態に陥ってしまった。
結局、モタモタしている間にイギリスの容態が悪化して、中絶せざるを得ない状況になった。
もちろん堕ろした。特に何も考えずに、むしろノリ気だった。
しかし虚ろな目を覗かせるイギリスと目が合った途端に、自分の中から何かが込み上げて。意味も分からず、手近な清掃用のバケツに吐き出した。
処置をして3日目の昼下がりに、やっとイギリスは目を覚ました。お腹に赤子が居ないことに気づき、取り乱していた。
扉に手をかけ声を掛けたら、フリーズしてこちらを凝視してきたのをよく覚えている。恐怖が入り混じった涙目、おそらく一生忘れることのない表情だ。今でも脳裏に焼き付いている。
その後の事については、イギリスに、ただ淡々と、作業のように、ありありと手術室の行いを話した。これと言った動機も、嗜好も無かったはずだ。なぜこのような行動に出たのか、最後まで分からずじまいだった。
温かい声を意識したつもりだったが、途中で嬉々として語っていたらしい。やめてと引きつる声で懇願されても止めなかったこと、部屋を出たあと鏡の前で、自然と表情が緩んでいた事。
悪魔と言われても仕方が無いこの状況で、心はこの上なく晴れ渡っていた事。
鏡を前にして、自分自身身震いしてしまった。
リビングの暖房を最大にして少し考え込んだ。しかし、色々あり過ぎて、というかやり過ぎて疲れてしまっていた。しかも夜遅かった。馴染むソファに身を任せ、朝を迎える事にした。
それから、イギリスを半ば軟禁するようになった。
発狂して以来、もう精神が安定せず、食事もろくに摂らなくなったからだ。無理矢理詰め込ませても、食後にトイレに篭ってひたすらに、「ごめん」と繰り返しながら戻すほどだ。
栄養失調と脱水の恐れがあるゆえ、常に点滴を打ち続けている。しかし、無理矢理針を外す、なんてことがしょっちゅうあるものだから、刺し直しの痕で柔肌は荒れ、徐々に紫を帯びていった。
ずっと俯いて、病院を徘徊するイギリスの背中は、何とも切なく、そして小さいのだろうか。
ただ一つしか無いと言いたげな、力のこもった腕の中。そこに大人しく抱かれるだけのテディベアを、四六時中どこでも連れ回していた。
同じベッドで寝たり、白っぽい腹に顔埋めたり。少し異常だったが、最初は可愛く思えていた。
しかし、ある時から積極的に食卓のイスに座るようになった。吐かずにきちんと食べるようになった。これだけだったら、なんの気兼ねも無く喜べたのにな…………
湯気のたつスープを器用に掬い、古ぼけたぬいぐるみの口元にそれを押し付ける。ぬいぐるみの布や綿にスープが吸われれば、よしよしとぬいぐるみを褒めて撫で、目の上辺りにキスを落とす。
イギリス「ティムは偉い子!!どんどん大きくなってくださいね〜!」
以前では考えられない、明るい声色と表情でそう言い聞かせても、うんともすんとも言うはずの無い元ぬいぐるみ。
ティムと名付けられたそれは、イギリスによって不当に人間扱いされ、体が少しずつほつれても、食べ物によって汚れた口元を強引に拭われても、固定された表情でイギリスをただ受け入れた。
奇怪でしかない、行き過ぎたままごとだが、人間というものは恐ろしくて、
異常だと思っていたこの光景も、見慣れてしまえば日常の一部になっていった。
ティムの汚れが目立ってきた。当然だ。
気休めで与えて以来、ずっと肌見放さず持ち歩いているのだ。そろそろ洗濯くらいしたくなる。
週に2回、イギリスは病院の中庭で煙草を吸う。もともと喫煙者だったが、以前の妊娠の影響で禁煙していたのか、煙と共にストレスを吐き出したいのだろう。赤子の代わりを丁重にベッドに寝かせ、変わり映えしないトウヒの木を眺めながら、2時間近く煙草をふかす。
約2時間のスモークタイム。
唯一と言っていいほどの隙。
この2時間でティムを洗う事にした。
係り結びで閉ざされていた背中を開け、カビと、いくらかイケ好かない匂いを放つ綿を全て取り出し、そのままガワの口元の汚れを湯と石鹸で丹念に洗った。
揉み洗いの影響か少し色素が抜け、布地の肌触りも荒くなってしまったが、以前よりずっとマシに思えた。あとは洗濯機に放り込んで乾燥まで持っていくだけだ。
ドイツ「………眠い。」
しばらく洗濯機を眺めていたら、眠気が襲って来た。最近変に気を張っていたのだろうか、意識が洗濯機のモーターと共に揺られ始めた。ゴウンゴウン水音混じりに控えめに鳴る、この落ち着く生活音を間近に、瞼が重くなってきた。
重い瞼が完全に降りきる前に、いつの間にか自然と体はベッドに向かっていく。シーツと布団の間に飛び込み、僅かに残った意識を鼓舞してタイマーをセット、睡魔に甘えて意識を飛ばした。
ピ、ピ、ピ、ピ、ピピッ、ピピッ、ピピッピピッ、ピp(((((
ドイツ「…ゥ……ぁ゙ァ、寝た…………」
イギリスが帰ってくるであろう30分前に、ちゃんとタイマーは作動してくれた。早速二度寝したいが、もうそろそろ乾燥が終わる。
蒸気アイロンをかけて、新しい綿を詰めて、パックリ開いた背中を元通りにして………作業量が残り三十分で終わるかどうか怪しい。
現実逃避なのか、また睡魔が囁き始めている。まぁ、そんな事をすればイギリスが面倒くさくなりそうで、軽く払って洗濯機に向かった。
ドイツ「あッ」
イギリスは膝をついて、ただ呆然と洗濯機に釘付けになっていた。
イギリス「ティム…………?」
聞き取れぬほど小さな声で、だが確かにそう聞こえた。イギリスから溢れ出る重々しい空気が、イカリのように腹ぞこを抑えつけていた。
ドラム式洗濯機の中で回るティムにそこまでショックを受けたのか。肩に手を当て、幼児に話しかけるように声をかけた。
イギリス「…ティム………」
ドイツ「イギリスさん、ちょっとショックかもだけど、」
イギリス「ティム……」
ドイツ「もう少しの辛抱だから…」
イギリス「ティム…」
ドイツ「……後で、俺が全部元通りに…」
イギリス「ティム……」
ドイツ「………イギリスさん……?」
カッと見開いた、深海を思わせるような瞳に吸い込まれそうになった。肩にやった手を優しく降ろされ、頬に手をやられた。つい最近も、1年前も、元気だったあなたにもされたことの無い。夢にまで見た妄想だった。
細く柔らかいあなたの手に、今までの心労がバカになったように軽く、消えていった。しかし、あなたは変わらず不気味と思えるほど目をかっぴいて、こんな事を聞いてきた。
イギリス「あなたがティムを洗濯機なんかに入れたんですよね。ダメじゃないですか。」
抑揚の無い声に違和感を覚えた。
ドイツ「で、でも……相当汚れてたんですよ?あのままじゃアレ由来で感染症とk」
イギリス「我が子に向かってアレ?もう一度言ってみろ。」
ドイツ「……は…?」
涙ぐむ瞳で我が子………?そう言われ戸惑った瞬間、腹に激痛が走った。
ナイフを隠し持っていたのだろうか。かなり勢いのある一突きでたじろぎ、体制を崩した。そのまま馬乗りにされて何度も刃を突き立てられた。
殴って抵抗しようとしたが、かつて世界最強という肩書きは侮れなくて。死にかけのショボいグーパンチでは歯が立たず、そのまま床を貫通する程に強く突き刺され、手首からの鮮血が壁を汚した。
視界が血と貧血でべっとり見えなくなったが、声はやけに澄んで聞こえた。信じていた、ティムを返せ、感謝も憎悪も時間も全部全部全部返せ。そんな言葉が死に際の脳に、痛みと共に響き渡った。
一気に挙げだされたツケたち。だがその中に中絶の事など一切無かった。そんな事を知る権利も時間も、もう無かった。
乾燥した空気が喉に引っ掛かる今日この頃、自身の血肉とイギリスの涙で空間は重く、湿っぽく潤った。
コメント
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言葉では足りないほど自分に刺さる作品でした . . 、 🇩🇪 に我が子を殺 / されたショックで狂ってしまった 🇬🇧 ちゃんがかわいいと一瞬でも思ってしまった私はもう重症です () 🧸 を自分の子だと思い ( おままごと ) 始めるシチュ結構好きなんですよね . .
文豪がここに…‼︎‼︎ 全人類見るべき作品ですね… 語彙力すごすぎて… イギリス君とドイツ君の壊れちゃうぐらいの愛が良いです… 深い…‼︎‼︎何回も読みます‼︎
うお…夜更けまで起きててよかった、素敵なもの見られた サザエさんのアレを思い出しました…こういう話本当に好きなんです、イギ子とドイツは助かりませんでしたが私の命は助かりました 愛が行きすぎて歪むのはもはや🇩🇪の恒例と言っても過言ではありませんね… 妊婦ンヒュの話が書きたくなりました にこにこでお前の子供殺したよって話されるのキツイですね、可哀想なイギリス…しかも中絶って赤さんの手足からちぎ…