注意事項
・一話参照
・沢山ゲーム実況者様がチョロっと出てきます。口調が変な部分がありましたら、コメントで教えてくれると嬉しいです、訂正いたします。
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まず、どう声をかければ良いのか。
分からなかったんだ。
grは前世の記憶を思い出してから、罪悪感というものに押し潰されそうになっていた。
仲間を1つのミスでこの手から失ってしまったから。
tnと会って、少し気が楽になった。
また、国を作ろうって言ってくれた。
それから、皆と合流し、国を築き上げた。
それまで、長い時間はかからなかった。
いやかかったのかもしれない。
楽しくてそれすらも感じなかった。
zmが子供を抱いているのを廊下で見かけた。
子供はふわふわとした水色の髪で、蜂蜜を溶かしたような目をしていた。
涙が溢れそうになっていた。
そんな姿を見て、ホッとしたのはきっと、grだけではないはずだ。
前世、ciという男は涙を流さず我慢ばかりする性格であったからだ。
すぐさま会いに行きたくなった。
この手で、抱きしめてやりたかった。
でも、grにそんなことが許されるのだろうか。
1つの戦争が始まった。
ciは始まる前に階段から転げ落ちて足を負傷してしまった。
それに、皆が怒っていた。
大きな戦争だ。負ける訳には行けないから。
皆に怒られ、挙げ句の果てに頭を叩かれてたりもした。
ciは泣いていなかった。唇を噛み締めて俯いていた。
grは、その時なんと言っただろうか。
覚えているのは、
そんな奴この軍にいらない
と、彼を突き飛ばしてしまったこと。
きっと、その言葉はciを酷く傷つけた。
ciは隠れてその足で戦場に向かった。
zmが必死に止めていたが、ciは首を振って歩いて行った。
皆は無視していた訳では無い。
zmだけがciに気づいただけだ。
帰ってきた。
帰ってきたのだ。
戦いが始まり、1日目。
ciが庇って爆発に巻き込まれたという、知らせだけが帰ってきた。
彼は、帰ってきたと言えるだろうか。
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だからこそ、ciになんて声をかければ良いのか、分からなかった。
久しぶりなんて、馴れ馴れしく声をかけられない。
ciに付けた傷跡はきっとまだ残っている。
泣いてくれるのは嬉しい。
ciが、本音を出せるようになったことを表す。
ただ、喋りかけて泣かれてしまっては訳が違う。
仕方なく、grは部屋に戻って椅子に腰をかけた。
国旗が、騒がしく風で動くのを、横目で眺めて。
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「ci。」
「…ぐ、ぐる、ぺ。」
quに抱っこされたままciは、こちらをジッと見ている。
ふう、と深呼吸をして帽子を外す。
じゃり、と地面を歩きciに近寄る。
「私は、ciの道を正しく作れただろうか。」
「…ぁえ、?」
「ciが、幸せになるための道を、私は本当に正しく作れていたか??」
「…う、うんっ、つくれてた、」
「作れていない。ciをどれほど傷つけたか。」
grはその場に片足を着いて、ciを見上げた。
「すまなかった。君の期待に応えられず。」
「ぐるぺ、」
ciはquから降りてgrの傍にしゃがんだ。
「もういいんだ。前世、というものに縛られなくてもいいんだ。ciの道は、もうciが作っていいんだ。私は、君を縛りすぎていたのかもしれない。」
「…、」
「だから。これから先はciがやりたいようにやりなさい。前世というのは、所詮前世なだけであり、今は今なんだ。この人生はciであり、ciではないんだよ。」
grはciの小さな手を握った。
ciはすぐさま握り返した。
「忘れていいんだ。前世の記憶なんて。ciが、今を幸せに過ごせるのなら前世なんてちっぽけな塊に過ぎない。」
「うん、」
「行ってもいいんだ。ciの道はciが作れる。その道を、好きなように歩みなさい。」
「うん、」
grはバッチを取り出した。
橙色の光り輝く宝石が埋め込まれたバッチだ。
「ここまでが、前世を通した私、gr総統からの言葉だ。」
「うん、」
「ci。今世を生きる私、gr総統から、そんな中で、君にひとつ、尋ねたいことがあるんだ。」
「…なぁに、?」
「gr総統率いる、Wr国の仲間にならないか??」
quは驚いたような表情をしたが、ジッと口を閉じてciを見た。
ciはきょろ、と周りを見たあと両膝を地面に着いた。
「Wr国は素晴らしい。仲間との絆は深く、明るい毎日を築くことを誓おう。」
「…、」
「守りきれないかもしれない。でも、ciの幸せを、是非、私たちで作らせては貰えないだろうか。」
grの赤色の瞳がciの心を深く突き刺した。
ああ、彼はこうもまた自分を魅力させてくる。
ciは頭を下げた。
「はいる、ぐるっぺん。」
「…!」
「また、いっぱいあそびたいっ!!」
grはバッチをciの右胸辺りにつけた。
それから、わしゃ、と頭を撫でた。
「くぅさ…、あの、」
「気にしないで。ciが幸せになれるなら、なんでもええよ。それに、ciが決めたんやろ??」
quは笑顔で言った。
ciは嬉しそうにうん!と頷くとgrに抱きついた。
「ぐるぺっ、だぁこ!!!!」
「…!!私で、いいのだろうか。」
「…だぁこ!!!!」
「ああ、!!」
grはぎこちない動作でciを抱き上げた。
「…ぐるぺ、あのね。おれ、ずっといいたかったの。」
「…なんだ??」
「まだ、おれはぐるぺに、ちゅうせい、ちかってるよって!!」
んへへ、と笑うciにgrは負けて笑った。
こんなこと言われては、余計離したくなくなる。
ぎゅうう、と強く抱きしめるとciはきゃっきゃ、と喜んだ。
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「ええええ!!いいんすか!?!?」
「もっちろん!!!!」
pnが大きな車を見せて行った。
「今日はご馳走しますよ!!」
「嬉しいんですけど…、忙しくないんすか、」
tnが申し訳なさそうに尋ねるがpnはgrの背中をぐいぐいと押して車の中へ誘った。
「いいから!!みんな今日頑張りましたし!!」
「あ、僕今日わたあめ持ってますよ〜。」
quが車の中からhtとosを見て言った。
「えいやいや、それは行くめう。」
「行くしかないよね。」
2人はゾロゾロと車の中へ入った。
「あーぁ、rbさんとお話したいなぁ??」
「ッ!!sn姐さんッ…!!!!!!」
「いやあ!!姐さん!!僕もお話したいですわ!!」
「knさん!?!?」
rbとknはsnに駆け寄って行った。
それをemが慌てたように追いかけた。
「おーい、ut先生達も来てください!!」
trが手を振る。
「えぇ、shpくん行く??」
「…まあ、ciが行くのなら。」
「あ!!今日仲良い国はみんな呼んでるよ!!wt国もいるし、tm国もいるよ〜!!」
pnがutを見る。
「ut先生の好きなsh…、」
「行きます!!!!」
utはshpの手を掴んで車に乗り込んだ。
「あ、shoさん達も早くー!!」
「はーい!!!!」
車は勢いよく飛び出した。
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「おいもっと飲めるやろぉ〜??」
「ちょっ、zmさん!?俺もう無理なんすけど!!」
食事会が始まってから1時間以上が経過した。
今は、p国総統閣下pkがzmに酒を飲まされようとしていた。
「ちょ、誰かー!!!は”う”す”ーッ!!!!!!!!」
knの手を伸ばすが、knは酔いが回ってぼーっとしていた。
そうだ、こいつ酔うと静かになるんだ。
「…。」
「…はう、す、サン??」
「おら〜飲めよー??」
「ひぇッ、ちょ、zmさんッ??」
pkは慌ててutの服を掴んだ。
「ひぇ!?なになに!?ちょ、あッ…zm!?!?」
「ut先生にやっていいっすよ!!!!」
「pkの兄貴ぃぃ!?!?」
2人はお互いの服を掴み合いながらzmにお互いを差し出していた。
…数秒後、2人は畳の上で倒れていた。
「ぐるぺっ、ぐーるーぺっ」
「なんだ??」
「おかわりー!!」
子供用のコップをドンッ!と机に置く。
grはciを膝の上に乗せて、ペットボトルを手に取る。
「またオレンジジュースか??リンゴもあるぞ。」
「んーん、おれんじ!」
「おう、em〜、もうすぐオレンジジュース無くなるわ。買ってきてくれ。」
「え??いやいや、おれぇ!?!?」
grがお金を差し出して、早く行けとだけ言う。
emが困っていると、少しフラフラとしたsnが近寄ってきた。
「emさん行くんですかぁ??ぼくもいくー!」
「え、いや…え、??」
「おいコラemぅ!!!!sn姐さんに気安く話しかけんなァ!!!!!!!!」
「えっ…ごふ"ぁッッ!!!!!」
rbのパンチが腹に直撃して、emはその場に倒れた。
snは硬直してしまった。
「sn姐さん、無事!?!?」
「え、いや…あの、」
「こいつは危険だよ姐さん!あっちいこ??」
「え…、emさん、」
rbはsnを掴んで、pnらの方へ走った。
emの周りに散ったお金をrpが拾う。
「僕が買いに行ってきますぞ〜??」
「あ、じゃあ着いていこうかなぁ〜」
rpの傍にtmが駆け寄ってきた。
赤色の髪は珍しく束ねている。
暑いのだろう、そりゃこの大人数がわちゃわちゃしてたらそうだ。
「俺が運転するよ〜、隣乗って!!」
「いいんすか!!お願いしま〜す!!!!」
「ついでにお菓子も買ってこよ〜、rpさんは何が好きなんです??」
rpが嬉しそうに考えていると、osが間に割り込んだ。
「お菓子買うのならついて行くめぅ。」
お菓子に目がないosに背中を押され2人は外へ出ていった。
「…わあ、ほんとにciさん小さいんですね!!」
「…ん??ああ、na、さん。」
「なかむ!!」
「そうです!!かわいいいっ!!あ、みてみてsm!!」
「…へえ、ほんとだ。何歳なんですか??」
naはciを抱っこして、wt国の皆に見せた。
「んとねっ、むっつ!!」
「六歳なんですか、凄い小さいですね。」
smはciの頬をつんつん、と触って少しだけ口角を上げた。
「すまいるっ、えと、きり、やんっ!!」
「かわいいッ…、」
皆に抱っこされてciは嬉しそうに喜んだ。
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視界の端に写った。
彼は足をひょこひょこと動かしながら歩いていた。
銃を持っている、まさかこいつ、この状態で参戦するつもりか。
zmは駆け寄って背中に手を回した。
辞めとけ、と言うが手を振り払われた。
ごめん、と謝っても気にしてない、と突き放される。
そんな彼に少し苛立って、zmは言ってしまった。
死んでも、知らないからな。
正論だ、本当のことだ。
でも、思っていたことでは無い。
それでも、言ってしまった。
少し動きを止めたあと、また歩き出した。
まあいいか、と思いzmはその場を離れた。
それから結構の間大人数を相手にしていた。
しばらく経って、後ろから大声が届いた。
走れ、とかだったと思う。
その声は、確かに聞きなれた声だった。
咄嗟に振り返ると、一般兵を突き飛ばして置かれた爆弾の上に覆いかぶさったciがいた。
ciは、爆弾をぎゅう、と身体の中に隠して周りに声をかけ続けた。
その後は、深く考えなくてもすぐに理解した。
zmは走り出すが、それに気づいたciがまた、口を大きく開けて。
大空に飛び散った。
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「…ッ、!!!!」
ガバッ、と起き上がり周りを見渡す。
grとtnに挟まれてciがすやすやと寝ていた。
布団はおそらくpnがかけてくれたのだろう。
zmは立ち上がり、ciの両脇に手を入れて抱き上げた。
「…ん、ぁ、??」
「…ci、」
「ぞむ、??んん…、いまなんじ、??」
ぎゅうう、と質問に答えられる余裕もないほど、ciを抱きしめたくなった。
ずっと抱きしめていると、察してくれたのか、ciはzmの頭をぽんぽんと小さな手で撫でた。
「ぞむ、ぞぉむ、かおみたい、」
「嫌や…、今、酷い顔しとるよ、」
ciを抱きしめて顔を埋める。
zmは震えていた。
ciはそれにくすり、と笑って抱き返した。
「ぞむ、ぜんせのこと、きにしてるの??」
「…うん、」
「んへ、ぞむやさしいねえ。おれね、よわいから、けっきょくしんじゃうんだよ、」
「そんなことない!!守れたはずや!!おれはッ…」
思わず顔を上げると、ciに頬をぺち、と叩かれて固定された。
両手で抑えられているので、顔を逸らすことができない。
「ぞむのかおみれたっ。」
「んむ…、っ、」
「しんでも、またあえたじゃん。こわくなんかなかったよ。こうかいもしてない。うらんでもないよ。」
「…、」
「ぞむ、おれは、ぞむとすごせてうれしい。」
「…っ、ci、ごめんッ、」
ぎゅうううッ、と強く抱きしめると、そのまま畳に倒れた。
「んわあッ、ぞむ、っ、??」
「ちいの…、もう絶対居なくならんでよ。」
「うんっ。」
「置いていかんで、俺寂しがり屋やねん。お前だって、分かっとるやろ。」
「うん、ぞむはみんなのこと、すきだもん。」
「なら、もう絶対に離れないで。いつか会えるとしても、そのいつかを俺は待てん。」
「んへ、ぞむー、」
「…、だから、ここに、いて…。」
「うん。」
「忘れないでとか…行かないでとか…、そんな苦しい束縛はせぇへんから…、お願いだから…存在だけでも、ここに、…。」
「うん、いるよ。」
「…、ちぃ…の、」
「ぞむ。」
こてん、と頭を畳に落としてzmは眠った。
ciは起き上がり布団を持ってきてzmにかけた。
それから、布団に潜りzmの腕の中に入り込んだ。
やはり、ここが落ち着くもので。
「ちぃの…??」
「んぁ、とぉとんっ!!」
隣からtnが起き上がった。
目を擦りながらciを見る。
「ぁぁ、zm寝たんか。って、うわ…なんでgrと同じ布団やねん。」
tnは布団から出てきて、ciの傍に座った。
「とぉとん、もはいる??」
「んーん、俺はええよ。」
「そっか…じゃあ、て、つなぎたい、」
手を伸ばすと、ぎゅう、と繋がれた。
暖かい、安心する。
「んへへ、おれがねるまでこうしてて。」
「勿論やで。」
クスクス、笑っているとzmに後ろからぎゅううう、と抱きしめられた。
ciはtnと手を繋いだまま、zmに身体を寄せた。
自分は子供体温で暖かい。よく寝れるだろう。
「…、いま、なんじっすか、」
「ああ、shp。まだ夜や。寝ててええよ。」
「そっすか…ci、」
shpもこちらに近寄ってきてciの頭に手を置いた。
「んん…、すぅ、」
「んへへ、しょぴ、すぐねちゃうね。」
「せやね。」
shpの手を枕代わりするとしよう。
「…とぉとん、」
「なんや??」
「おれいま、しあわせだよ。」
「そうか、奇遇やな。俺もやで。」
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xxxx年
総勢15名を中心としたWr国は、驚くほど上位の国家へ登りあげた。
それは、歴史的に有名であるW国を、超えるほどであった。
そしてまた、歴史的に新しい行動も取ったとして有名だ。
幹部、主に外交官ciは、まだ10歳である。
子供を幹部、外交官として認めたのは、Wr国が初めてだろう。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました!!
題名、忘れないで行かないで、はciくんとwrwrdメンバーの思いです。
ですが、その、〜するな、というような束縛により、wrwrdメンバーは大きな後悔を、ciくんはパニックを起こしてしまいます。
そんな中、gr総統が束縛を解きますね。
「忘れてもいい、行ってもいい」
「前世の記憶はただの塊に過ぎない」
そこから、彼らの思いはどうなるか、ということですね!!
あと、蛇足の話ですが
「忘れないで」と「行かないで」で、話の多さが異なっています。
(行かないで の方では少しこちら側に原因がありますが)
これは、どちらの願いが濃いかです。
ciくんは、別に忘れられてもいい、と思ってしまう性格が今世で現れてしまったこと。
つまり、みんなの思いの方が実はでかいんです。
ciくんが連れ去られそうになった時も、みんなガチギレでしたからね。
説明が苦手で、こう、伝えたいことが伝えれてない気がしますが!!
本当にここまで読んでくださりありがとうございました!!!!!!!!!!
視聴数もまだ増えてて嬉しいばかりです😇
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「Wr国外交官、ci殿。護衛、zm殿。ようこそ、zz国へ。」
「本日はよろしくお願いします、zz国外交官、yy殿。」
「よろしくおねがいますっ!!」
ciは元気よくお辞儀をして、ソファに座った。
ソファの後ろにzmが立つ。
机にはオレンジジュースがひとつと、クッキーが皿にいくつか置かれていた。
「こちら是非。毒味は入りますでしょうか??」
「いらないよ!!」
「ダメ。すみません、頂きます。」
zmが前に出てきて、クッキーをひとつ、オレンジジュースを1口飲んだ。
それから、体に異常がないことを確認し、ciに譲る。
「さて、本題に移りましょうか。」
「はいっ。」
「ci殿は、なぜこちらに??zz国は発展もしておりませんし、軍備も少ないです。」
「ここは、こどもはたくさんいますから!!さっきね、おそとで、こえかけてくれたの!!」
「そうでしたか、それは良かったです。ここは、子供が増えてますからねえ。弱い国ですから、戦争も起きませんし。」
ciはオレンジジュースを飲み込んで笑顔で言った。
「それでっ、すべりだいと、ぶらんこがほしいです!!」
「…はい??」
「うちのくにには、ないんですっ。こーえんとか、ひとつくらいしかなくて。」
窓の外を指差す。
「すべりだいとか、ぶらんこっ!ぼくもね、あれであそびたいの!!」
キラキラと目を輝かせる。
「…ほう。」
「だめですか…??こーかん、します、」
「はえ。」
ciは外交官の傍に行き、膝に登った。
「ひ、ひぇ…っ!!」
ぷるぷる、と外交官は頬を赤くした。
「んへへ〜、あそぶためには、いっぱいおもちゃがないと!!」
「で、ですねッ…!!」
「ぐんにつかえる、おかねとこーかん!ぐるぺ、そーとーにはっ、おはなししたよ!!」
「そうですか!!分かりました、助かります。」
「ぞぉむっ、ぶらんこっ!!すべりだいっ!!」
「良かったなぁ〜。」
膝の上で腕をわいわいと振るciの頭に手を置こうとした。
…が、その手は弾かれた。
先程までソファの後ろに立っていたzmが、一瞬で目の前に来たのだ。
「すみません、お触り厳禁でして。」
「あ、そ、そうでしたかっ、すみません…。」
「あ、ひざすわってごめんなさい、つい、すわりたくなっちゃって…、」
「いえ。気にしないでください。滑り台とブランコでしたら、いくらでも。」
扉を開けて、廊下に出る。
zmと手を繋いで、廊下を歩く。
「…!!あぶないよ!!」
「えっ??」
外交官の手を掴み、引っ張る。
ガシャンッッ!
上からガラスの瓶が落ちてきた。
ガラスが粉々になって地面に散らばる。
「ひ、ぇッ…??」
「ぞむ!!」
「おう。」
ciはスタタッ!と走っていく。
zmは外交官の手を引き安全な場所へ誘導した。
音に気が付き、幹部が出てくる。
「yy外交官!?!?どうした!!」
「分からないッ…きゅうに、ねらわれて!!」
「スパイやな。戦えるやつは着いてこい。」
zmはフードを被り、銃を取り出した。
幹部の中の戦闘員が立ち上がる。
「Wr国のzm殿がいると、心強い。」
後ろからの褒め言葉に少し頬を掻く。
「…くそッ、しくじった!!Wr国がいるとは…。」
スパイの男は走っていた。
ミスをしてイラつきながら、そのイライラを地面に叩きつけるように走る。
シュパッ!
「あぐッ…!?!?」
突然、片足に痛みが走り、よろめいた。
足を見ると、弓矢が刺さっていた。
「…!!あのガキぃッ!!」
Wr国には珍しく、子供の幹部がいるとかどうとか。
「うごいたらもういっかいうつよ。」
弓矢を引きながら近寄ってくる。
子供がなんだ、と男は走り出し子供を殴ろうとした。
「おれ、いったのに。」
シュパッ!!!!
腹に矢が刺さり、地面に倒れ込む。
「…あ!ぞーむー!!」
「ci!!よかった、無事やな。」
「ふん、おれをなめすぎやで。」
zm、といえばWr国の最強戦闘員。
勝てるはずがない。
男は腕を使って這い、逃げようとした。
「にげちゃだめだよぉ??」
子供が目の前に来てしゃがんだ。
なんだこいつ、なんなんだ!!!
「最近あの噂??無くなったよな。ciが外交先で、子供のフリするからやで。」
「じっさい、こどもやもん。」
「中身はオッサンやろ。」
「はー??まだおにーさんですー。」
目の前で楽しそうに話す子供の足を掴んでみる。
「触んなや。」
背中に足が触れて、ぐり、と踏まれる。
zmだ。zmが踏んでいる。
その間に子供は足を動かした。
「ねーねー、オジサン。おれのことしってる??」
「…知ってるさ、クソガキぃ、」
「んへへ、ぞむ!!やっぱりしらないよ!!」
「そおか。おいジジイ。ciはただの子供ちゃうで。」
「人生二週目楽しいよ〜??」
ヘラリ、と笑う子供は誰だったか。
その先の意識は空へ飛んでいくのだった。
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最後のciのセリフ読んだ瞬間脳裏にciのいつもの甲高い「んはは」っていう笑い声と悪戯な笑顔が浮かんできたよ〜💕✨ zmがみんなより前世のこと引きずってるのもいいし...その後shpがciの名前呼んだ時shpもzmと同じような夢見てたのかな...って思った!! grの言葉も、ciがまだgrに忠誠誓ってるって行った場面!あそこまじで感動...✨ 昨日のうちにこの作品見れなかったのは痛かったなぁт т