jmside
飛び起きるように顔を上げると、それは見たことない1年生の男の子だった
彼は目を合わせないまま、僕らの間に、何かが書かれたノートを置いた
見ると、
🙍♂️「初めまして、グクの友人です。少しジミンさんと話がしたいんです。
今まで、ジミン先輩と話さないように先生に約束させられて、
ダンス部の女たちに付けられていました。」
🙍♂️「でもだんだん飽きたのか、その見張りも緩んできて。
先輩が朝早くからここに座っていると聞き、やっと話しかけにこれました。
グクを待ってるんですよね?まだグクのこと忘れてませんよね?
お願いです。今日の放課後、バスに乗って、○○公園に来てくれませんか。遠くてごめんなさい。
でも、そのくらい離れないと、僕らがグクみたいな目に合うことになる。」
“グクみたいな目に合う”
それを見て、僕はやはり、自分の感じていた違和感が正しかったんだと確信した
彼は読み終わったのを確認するように一瞬僕と目を合わせ、僕にペンを渡して立ち上がり、少し離れた席に座った
何を求めているのか分かった僕は急いで
“分かった。必ず行くよ。
話しかけてくれてありがとう”
と書いて、去り際に彼にノートを渡した
今にも崩れ落ちそうだった僕の気持ちが、少しだけ変化を見せた瞬間だった
jkside
もう生きていられないと思った
毎日毎日涙は溢れ、あの日の辛い記憶が悪夢のように襲いかかり、夜になっても寝られない
大好きだった人に捨てられて、
幸せだった思い出も、今では全部、息苦しくなる理由に変わっていた
家族からも邪魔者にされている今、この先生きていく意味も分からなかった
でも、、どうせ死ぬなら、最後にヒョンに会いたい
嫌われていたって構わない。
そう思い立った僕は、ボロボロの体を必死で動かし、何週間かぶりに、身なりを整えた
急に理由も分からず嫌われ、そして捨てられた、そんな相手に会いに行こうというのに、
会うことを考えただけで身なりを整え、外に出る元気が出てきたのは、
それだけヒョンのことが好きだった証拠なんだと思い、鏡の前で自分の顔を見つめたまま、涙がポロリと落ちた
久しぶりに出た外は、もうすっかり秋のようで、ひんやりした空気が皮肉にも心地よかった
ふわふわとした意識で、まともに動ける体ではなかったのに、
気づいたら僕は、ヒョンの家の前に立っていた
でもそこからどうしていいかわからず、
怖くて、悲しくて、
僕はその場に突っ立ったまま震えてポロポロと涙を流していた
何人か通りがかった人が不審そうにしていたのを見たけれど、
寝不足のせで、くまが酷く、頬も少しこけて、
死人のような様子の僕に、話しかけてくるような人はいなかった
どれくらいそこに立ち尽くしていただろうか
もうやっぱりこのまま諦めてどこかで死んでしまおうと思い始めた時、
ガチャっと音がして、ヒョンの家から人が出てきた
僕の姿を見て、一瞬ビクッと怯んだ様子を見せたその人は、
ヒョンのお母さんだった
🙎♀️「どちらさま、です、か、、?
あれ、え、、グク、くん?」
近寄ってきたお母さんが、僕の肩をそっと掴んで揺らした
🙎♀️「グクくん?!グクくんよね?
どうしたのそんな酷い顔してっ、、学校は?
もしかしてジミンのせい?!」
ふるふると力なく首を振ると、僕はヒョンと同じ香りのするお母さんの肩に顔を埋めて、
なんとか抑えていた涙をどっと溢れさせてしまった
🐰「ごめ、なさい、、ヒグッ、謝る、から、、泣
あと1回だけ、、でいいから、、、ヒョン、、
ヒョンに、、会わせて、、、ジミニヒョン、、、泣」
戸惑った様子を一瞬見せたものの、すぐに母親の顔になって僕を家の中に引き入れた彼女は、
玄関の上がり框に僕を座らせ、ぎゅっと抱きしめてくれた
🙎♀️「もしかしてだけど、、最近学校行けてなかい?ジミナに会ってない?」
優しく聞いてくれるお母さんに、僕は泣きじゃくりながらコクコクと何度も頷いた
🙎♀️「分かった。グクくん、聞いて。
ジミナはすぐ帰ってくるわ。連絡してあげるからね。
なにがあったか分からないけれど、あの子は
今もグクくんのことが大好きよ。
だって毎日、グクくんと付き合い始めた時と同じように、朝早くから学校に出て行ってるんだから。
それってジミナはグクくんのこと待ってるからでしょう? ね?心配しなくても大丈夫。」
優しく言い聞かせるように、僕の背中を擦りながら話すお母さんの声は、どこかヒョンの声を感じさせて、
僕の荒れ果てていた心も落ち着きを取り戻していた
🐰「ほん、、と、、に、、?」
🙎♀️「ほんとよ、おばさん嘘はつかないわ。
まだグクくんと毎日会ってるものだと勘違いしてたもの。
ジミナは最近なにかにずっと落ち込んでたんだけど、グクくんが来ないからだったんだってやっと今分かったわ。
一緒に待ってましょうね。」
その言葉を聞いた途端、僕の中で張り詰めていた何かが一気に緩み、お母さんの腕の中で、意識が途切れた
jmside
“グクくんが来た”
母さんからのそのメッセージを見た時、
バスに乗っていた僕はすぐにでも帰りたくなった
でも話を聞くのが先だと思った僕は、
“行くところがあるから、
グクを引き止めておいて”
と返信した
すぐに、
“来た途端に気を失ったから、父さんに助けて貰って、今は、ジミナの部屋で寝かせている”
と連絡が来て、グクの身に何が起こっているのか、気になって、いても立ってもいられなかった
バスから降りて、言われた公園に駆けて行くと、男の子は、既にブランコに座って僕を待っていた
🙍♂️「よかった、来てくれて、、」
🐣「ごめん、遅くなった」
🙍♂️「いえ、とりあえず座ってください」
隣のブランコに腰掛けて、男の子が話し始めるのを待った
🙍♂️「あの、、、ひとつ聞きたいんですが、グクが来なくなった前の日、
ジミンさんはなんで来なかったんですか?あんな怪我をして苦しんでいたのに。」
その子は咎めるような言い方で聞いてきたが、
最初から意味がわからない質問をされて、戸惑った
🐣「前の日?怪我、、、?なん、で?」
🙍♂️「待って、、まさかそこから知らない?
もしかしてその頃、、休んでいたりしましたか?」
ショックを受けすぎて、記憶が曖昧になっていたが、
グクが、僕の休み期間が開けた時に、消えてしまっていたことを思い出す
🐣「うん、、そうだ、、僕休んでた、、休み明けに学校来たら、、グクが来なくなってたんだ。」
目の前の彼は、はあっとため息をついて、
そういうことか、、よかった、、
と呟いた
🙍♂️「僕、今まであなたが、グクを見捨てたんだと思ってました。先生にもそう言われたし、ヒョン、って呟いてグクは倒れたから。
でも、ジミンさんがダンスもやめて、人が変わってしまったようになってるって聞いて、何かおかしいと思ってたんです。」
🐣「たおれた、、?お願い、僕本当に何も知らないみたいだ、ちゃんと教えて?」
こくり、と頷いて、言いにくそうに、その子は話し出した
🙍♂️「その日、あいつは初めて部活に出なかったんです。
おかしいと思って電話したら、苦しそうな声で助けを求めてきて、ダンス部の女子部室に来てくれと言われた。」
🙍♂️「そこに行ったら、服をはぎ取られて、目隠しされたグクが、傷だらけで倒れてた。
卑怯なやり方で、服から出そうな顔とか腕には少しも傷はついていなかったけど。」
顔を歪ませるその子を見て、
なにか自分の頭で想像もできないような卑劣なことが絡み合って起きているようだと、確信した
🐣「それで?グクは、、?先生は助けてくれなかったの、?」
悲しそうにこちらを見つめたその子が僕に言った
🙍♂️「先輩、”邪魔者狩り”って聞いたことあります?
先輩も俺もあいつのこと守れなかった間に、
グクはその標的になっちゃったんです。」
その5文字の言葉を聞いた瞬間、全てが分かった気がした
🐣「僕とグクが付き合うのをやめさせたかったから、、それで、、先生たちまでグルになって、、あの子を追いやったってこと、、であってる?」
きっとそうです、とその子が頷き、僕は後悔で頭を抱えた
🐣「何やってたんだろう、僕、、、
僕さ、先生にグクの連絡先を消すように言われたんだよね。
グクのお母さんからの絶縁状みたいのを突きつけられて。」
🐣「僕弱いからさ、、ものすごい勢いで怒鳴りつけられて、なんにも疑い持たずに、グクが僕を嫌がってるって言葉信じたんだよ、、」
僕が泣き出したのを、その子はそっと背中をさすってくれた
🙍♂️「ジミンさんは何も悪くないよ。
あと、まだ手遅れじゃない。
グクのために戦お。あんな学校、変えなきゃだめだよ。」
涙を拭って頷いた
🐣「うん、手伝ってくれる?」
🙍♂️「もちろん。僕、ジミンさんとグクのカップルの、大ファンだもんㅋㅋ」
🐣「ㅎㅎ
ありがとう、僕のこと信じて話しかけてくれて。助かった。」
🙍♂️「いえ、もっと早く言うべきでした、ごめんなさい。
そうだ、先輩、グクの家知っていますか?教えましょうか?
僕、何度か会いに行ったんだけど、先生になにか変なこと吹き込まれたのか入れても貰えなくて、、」
🙍♂️「グクのお母さんの様子を見た感じ、
多分グク、家族にも酷い扱い受けてる。
ジミンさん、助けてあげてくれませんか?」
親友くんが泣きそうになって頼んできたところでようやく、
グクが家に来た、という母さんの連絡を思い出した。
🐣「大丈夫、グクはちゃんと逃げてきてくれた。僕のとこに。さっき母さんから連絡来たんだ」
はっとした顔で、彼は僕を見つめ、
ぎゅっと、手を握られた
🙍♂️「お願い、、もうグクのこと離さないで。
俺の大事な親友だから。」
🐣「分かってる。任せて。また今夜にでも連絡するね。次はグクと一緒に3人で会おうか。」
連絡先を交換し、本当に心配そうな彼に、必ずグクを守ると約束して、僕は急いで家に戻った
バスの進みの遅さにイライラしながら家へと急ぐ。
“母さん、グクは?今どう?”
いても立ってもいられず、メッセージを送ると、すぐに返事が帰ってきた
“早く、早く帰ってきてあげて。”
文だけで、母さんが動揺してるのが分かった
心配で泣きそうになるのを、くっと下唇を噛んで堪える
バスが止まった瞬間、ダンスを辞めてからいつぶりか分からないほどの動きの速さで、家へと駆け戻った
コメント
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これは、グクの両親がラスボスのパターン
続き気になります👀👀👀