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4月9日。
とある家の朝はとても賑やかだった。
「ハルー!! 早く支度しちゃいなさい!」
「はーい!」
私はハル。 今日から高校一年生だ。
今日は入学式があるので、いつも以上に身だしなみチェックをしている。
新しい制服はいつ見てもカワイイ。
高校受験を必死に頑張って良かったと思う。
髪型も今日は気合い入れよう!
三つ編みにして……それからここをこうして……
「早くご飯食べちゃいなさいー!!」
「はいはい、今行くからー!!」
よし、出来た!
「おはよう、お母さん」
「おはようハル。ほら、早く食べちゃいなさい。」
「はーい。」
美味しそうな目玉焼きトースト。
これは私の大好物だ。
半熟の目玉焼きが堪らない。
朝の少し冷えた体に染み渡るんだ、これが。
「んー!!美味しいーーー!!」
「それは良かったけど……もう8時10分よ?」
「え!!やばいやばい!!」
私は急いで目玉焼きトーストを牛乳で流し込み、歯磨きをする。
「お、ハル!おはよう」
「お兄ちゃん!おはよう!私ね、今日友達いっぱい作ってくるよ!」
「おう、頑張ってな」
「じゃあいってきまーす!!」
「以上を持ちまして、令和X年度 〇〇高等学校 入学式を終了します。」
私は教室に入った。今年は1年D組らしい。
友達いっぱい作るぞーーー!!
……無理無理無理、緊張する〜〜〜!!
え!友達作るのってこんな大変だったっけ!?
こんなことなら中学の友達いっぱいいる高校に行けばよかった……くそ……!!
「……ねえねえ!」
突然後ろの席の子から声をかけられた。
「?!」
「…あ、驚かせてごめんね。私、ミサキっていうの。良かったら仲良くしたいなって思って……」
「……!嬉しい!私はハル!よろしくねミサキちゃん!」
「よろしく!あ、ミサキでいいよ!」
「じゃあ私のこともハルって呼んで!」
「うん!」
そんなこんなでミサキと仲良くなった。
後ろの席の子と話せるのはとても嬉しい……けど、
……隣の男子が仲良くなれそうにないよー!!
だって見てみてよ!!
黒髪色白の無口系イケメン………………!
こんなの、こんなの……
タイプでしかないよ………………!
どタイプ過ぎて倒れちゃうかと思った!
え!好きなんですけど!!!
私のトリコにしてやるーーー!!
その日から、私は隣の男子の佐倉(さくら)くんを
私の虜にしてやる大作戦、名付けて
「佐倉くんを私の虜に!大作戦」を決行し始めた。
……まあ特別なことは別にしていないが。
その大作戦が始まって早1ヶ月。
私はいつものようにミサキと昼食を取っていた。
いつも通り、部活の話をしたり、お弁当のおかず交換をしたり、楽しい昼休みを過ごしていた。
そんな時、私は何を思ったのか……………………
「ハルのおかず、これ欲しいな」
「……………」
「ハル?どうかしたの?」
「……っ」
「え?」
「(ここには到底書けないような凄い下ネタ)!!ギャハハハハ!! 」
「!?!?」
そう、私は何かの線がプツッと切れ、
とんでもなく大きな声で下ネタを発してしまったのだ。
騒めくクラス、言葉を失うミサキ。
そんなこと、ハルにとってはどうでもいい……はずだった。
あれ?
さっきまでいなかった佐倉くんが、席に着いていた。
「は?」
佐倉くんは小刻みに肩が震えていた。
終わった、私の青春。
さようならJK。
せっかくタイプの男子に出会って可愛くなろうと頑張っていたのに。
何故私はあそこで我慢出来なくなってしまったのか。
今でも原因不明だ。