この作品はいかがでしたか?
374
この作品はいかがでしたか?
374
Attention
桃 × 水
ちょっと病んでる水さん
ちょっとかっこよすぎな桃さん
💎Side
あーあ、今日も動きたくない。
でも動かなくちゃいけない。
将来も不安だし。
僕はこんな仕事してるから、いつ食べられなくなるのかもわからないし。
いふくんとかないちゃんは会社員もしてて、歌い手をやめてもお金がもらえるんだろうな。
僕はもうそんなことできないんだろうか。
今からやっても遅いんじゃないか。
動かなくちゃいけない、とか思いながら結局動くことなんかできなくて。
強い自己嫌悪の中、1日を終える。
僕はそんな日常が好きでもあったけど、それ以上に嫌いだった。
ピーンポーンッ‼
インターホンがなる。僕達、歌い手は家を特定されにくく、ストーカー被害に遭いにくい。
でも、一応カメラで相手を確認する。
水)はーい
インターホンの画面越しにうつる、サラサラの髪。きれいな目。
桃)やっほぉ〜
うちのグループのリーダー兼社長、
ないちゃんだった。
水)やっほ、入って〜
呼びかけながら「解錠」のボタンを押す。
と、ドアの開く音と同時にないちゃんの落ち着いた声が僕の家に響く。
桃)うぇるかむ とぅー ざ いむはうーす!!
今ぼく、そういう気分じゃないんだけど、って思いながら笑顔を作る。
僕は、元気でなきゃいけないし。
とか勝手に思ってるけど、ほんとは、
弱いところを見せたくない。
気を使われたくない。
僕ってほんとに我儘だな、とは思う。
こんなに信頼できるリーダーなのに、何も話せてないなんて。
桃)…ほとけっち?大丈夫?
僕のノリが悪かったのだろうか。
僕の目の前でお酒のはいった袋片手に僕を見つめるないちゃんが言葉を発する。
水)うん。大丈夫。今日ちょっと調子悪いかも!
桃)そ、無理すんなよ〜w
水)あははw ありがとありがと
桃)お酒買ってきたし、のも?
水)うん!!
ないちゃんは僕が落ち込んでる時期によくお酒を持って僕の家に来る。
毎回酔ったときの記憶がないぐらい飲んで。
その後はなんでかちょっと楽になってるからないちゃんは超能力者なのかもしれない、と思う。
桃)うぃぃ〜、いっぱい飲んでよー?
水)ないちゃんいふくんに似ててヤダ。
桃)えぇぇ、似てるとか言わないでよ〜、
水)わ、いふくんかわいそー
桃)あは、冗談冗談w
水)ほんとに?w
徐々にお酒が回ってくらくらする。
あぁ、なんで僕ってこんなすぐ酔っちゃうんだろ。昔は強かったはずなのに…、
🐶Side
ほとけっちと長くいるとわかる。
明るく振る舞ってるのは演技でもなんでもなく、素なんだけど、ノリの中で言われた言葉は、
後になってぐさっとほとけっちの心をズタズタにすることがあるってこと。
ほとけっちは普段明るい反動なのか、その、ほんの少しのきっかけで、悩み が爆発する。
そういうときのほとけっちはよく眠る。
おそらく、眠る事によってすこしの間、現実逃避をしているんだと思う。
過眠症 みたいなものだとおもう。
そういうときは、本人の力だけで立ち直らせちゃいけない。
ほとけっちは人がいるところで泣けない人だから、ちょっとだけ無理矢理だけど、お酒の力を借りる。
ほら、ほとけっちはお酒はいると泣きしゃぐるでしょ?
水)ないちゃっ、ないちゃぁぁ
桃)大丈夫、大丈夫。
息を呑むほどに美しく、澄んだ彼の瞳から大粒の涙がぼろぼろと溢れる。
水)うわぁぁ、ヒグッ
桃)大丈夫、ほとけっちは偉い。
ほとけっちのきれいな髪を撫でながら呟く。
お酒がはいって、覚えていないのを利用して、
彼に対する日頃の感謝や、尊敬してるところ。
それから、隠さなきゃいけない秘密の想いまで。
『 ほとけっち、ずっと好きだよ。』
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!