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#命
ruruha
35
#普通
宇津Q
4,877
ライラック💜💫【🎨🫧】
76
「ほんと、二人は仲良しね~」
「あたりまえだろ、オレ達は二人で一つなんだ!な、みどり」
「うん、こはく!」
…ジリリリリリッ
けたたましく鳴る目覚ましの音で目が覚める。止めるのも億劫で布団に潜り込むけれど、鬱陶しさが勝ち僕は渋々起き上がり、時計に手を伸ばす。
「昔の夢か…」
さっきまでは鮮明だった夢の景色も、今は霧がかかったように思い出せない。けれど、そんな景色を再び見たいとは思わない。振り返っても仕方がない過去なのだから。
「碧~、起きてるなら降りてらっしゃい!」
「今行く」
一階のリビングから母の声。もうそんな時間か。僕は寝起きすぐ特有のこわばった体を伸ばし、布団から外へ出た。
「行ってきます」
「行ってらっしゃい~」
会社員の父にパートの母。そんなありふれた家に、一人息子として僕が生まれた。
成績は中の上。大して良くも悪くもない。体力テストは平均ぴったりか少し下。友達はそこそこ。帰宅部。
ありふれた家に生まれ、ありふれた日々を過ごす男子高校生。
それが佐々木碧という人間だった。少なくとも、僕自身はそう思っている。
ありふれた毎日。朝起きて、学校へ行き、授業を受けて、友達と他愛もない話をして、家に帰る。夕食を食べて、風呂に入って、眠る。
そんな毎日を繰り返している。
別に不満があるわけじゃない。衣食住に困っているわけでもなければ、学校でいじめられているわけでもない。友達だっているし、親との仲も悪くない。
それなのに。
「……つまんないな」
ふと、そんな言葉が口から漏れた。誰に聞かせるでもない独り言。聞いている人間なんて、周囲には誰もいない。
そもそも、何がつまらないのかもよくわからなかった。毎日が退屈だから?何か刺激が欲しいから?それとも、もっと別の何かが足りないから?考えてみても、答えなんて出てこない。
「ま、いっか」
僕は小さく息を吐き、歩く速度を少しだけ上げた。考えたところでどうにもならないことなんて、世の中にはいくらでもある。わからないことをわからないままにしておくのも、時には必要だろう。
……なんて、ただ考えるのが面倒なだけなのかもしれないけれど。
通学路を歩くにつれて、同じ制服を着た人たちが増えていく。きっと、同じクラスの人もいるだろうな。
そう思っていた矢先、後ろから僕の名前を呼ぶ声がした。
「おーい佐々木~」
「清水?」
清水純平。僕の友達で、クラスメイト。クラスで特別目立つことはないけれど、サッカー部らしいさわやかな奴だ。…いや、ただのサッカー部への偏見か。
二人で他愛ない話をして下駄箱へ行く。
僕たちが仲良くなったのは去年、高校1年の頃だ。ちょうど席が前後で話す機会が多かったのが始まり。青春代表サッカー部とは関わることなんてないと思っていたけど案外、清水とは気があったのだ。(ごめんサッカー部。)
「今日テスト返しだっけ」
「うん。清水ってそういうの覚えれないよな。」
「覚えようとしてないだけ!」
「いやそこは覚えて?」
あっという間に下駄箱に着き、自分の上履きをそれぞれ手に取る。
「あ、結果出てる。」
靴を履き替えている最中、清水はあっと声を上げた。
「ひょー、やっぱ一位は断トツだな。俺には無理だあんな点数」
「…うん」
「ウン?」
僕が頷いたのは一位が断トツだってことなんだけど…。いちいち訂正するのも面倒なので、無視して僕は歩き出す。人をかき分けなんとか張り紙の前に立つ。
(あぁ。やっぱり君か。)
僕の結果は前と変わらず。中の上。対して…。
もう何年も同じことの繰り返し、結果を見て、比べては落胆。いつからだとか、覚えていないくらい。
もう一度、順位表に目を向ける。
順位 五教科総合 氏名
【1位】 495点 山吹琥珀
:
【72位】 325点 佐々木碧
一番上には山吹琥珀という文字が大きく書かれている。
それは、僕の幼馴染で親友だった人。そして、
僕が嫌いな人の名だ。
~itoです~
五教科満点が500点だから、琥珀くんは大体一教科99点ぐらいって所かな。
対して碧くんは325点。五教科で割ると平均65点。本作の高校の定期テスト平均点一科目60点としよう。中の上だね。うん。順位の72位に関しては、同じく本作の高校は一学年160人。真ん中の順位は80位。中の上だね。うん。
おかしな点があればコメントで教えて!修正します!
コメント
1件
みぅです🤍🥀 第1話、読ませてもらいました〜。 「平凡な僕」っていうタイトルと、碧くんの「つまんないな」ってつぶやきがすごく響きました…。日常に不満はないけど、何か物足りない感じ、わかる気がする。 そして最後の「僕が嫌いな人の名だ」の一文、めっちゃ気になります!幼馴染で親友だった人なのに、今は嫌いって…何があったんだろう。続きがすごく気になる〜。 あと作者さんの点数解説、丁寧でいいですね!こういう細かい設定って大事だと思います🌙