テラーノベル
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とんでもなく下手です
⚠️赤くんの性別は現実通りです(支給❌)
🅱️Lと見ても🙆♀️
青赤
深夜2時。
コンビニの袋をぶら下げたまま、エレベーターのボタンに刻まれた数字を見つめていた。
静かなマンションの廊下は、外よりも冷たく感じる。
ピンポンは鳴らさない。
鍵は預かってるから、勝手に入っても何も言われないもん。
それが許されてるって意味なのか、どうでもいいって事なのか、未だによく分からないけど。
「…..ただいまー…」
靴を脱ぎながら呟いた声は自分でも聞き取れないほど小さかった。
自分の家でもないのに、つい言ってしまう癖。
おかえりなんて帰ってくる訳ないのに。
リビングへ進んだら、ころちゃんがいた。
Tシャツにゆるゆるのスボン、髪は少し濡れてて
r「お風呂上がり?」
c「うん。いつ来たの?」
r「今だけど、だめだった?」
c「別に、全然いいよ」
その言い方が1番落ち着く。
歓迎でもない拒絶でもない。あくまで自然体。
でも。。それが逆に距離感を感じさせるみたいで、なんだか、悲しくなっちゃうな。
r「っあ、これ。お酒買ってきた。あとじゃがりこと」
袋から酒を取り出し、いつものようにソファに腰を下ろした。
少し度高めのビールの蓋をかしゅっ、と開けてころちゃんに差し出す。
r「飲もう」
ころちゃんは軽く手を伸ばして缶を受け取り、無言で頷いた。
缶の縁に口をつけて飲む横顔が、意味わかんないくらい綺麗
2人でテレビを眺めながら、酒をちびちび飲む。
まるで付き合ってるみたいな雰囲気。
けど、そんなことない。
俺たちは付き合ってない。
単刀直入に言うと、セフレ。
あっちは俺のこともう「そういう相手」としか見てないと思う。
中出しても孕まないから、やりたい放題だし。
俺は抵抗しないし。
活動者同士だからどっちかがバラすっていう心配もないし。。
都合の良すぎるこの関係。別に苦痛じゃなかった。
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c「…ベッド行くか」
俺は黙って立ち上がった。
何度も繰り返した夜のはじまり。
何度も繰り返したはずなのに、少しだけ胸の奥が疼く。
寝室のドアを開けると、洗いたてのシーツの匂いがふわりと鼻に届いた。
枕元にはタオルが折りたたまれて置かれている。
俺のためなはずないよね。俺突然来たんだし。
ベッドに座った俺の隣に腰を下ろすころちゃん。
慣れた手つきで俺に腕を回した。
c「…眠いの?」
r「眠くないよ笑」
流れるままに、ころちゃんはキスを落とす。
軽く触れるだけのキスから、ゆっくりと熱がこもっていく。
触れるたびに、心が震える。
俺はころちゃんが好き。
多分ずっと前から。
r「….ねえ、ころちゃん」
唇が離れた瞬間、意を決して声を出した。
でも、言葉が続かない。
好き、なんて一言が言えない。
全部が無くなっちゃう気がして、声が出ない。
c「…なに?」
r「…やっぱりなんでもないや」
c「ふーん」
ころちゃんはそれ以上何も聞いてこなかった。
優しいわけでも、冷たいわけでもない反応。
それが1番胸にささる。
キスの合間、ころちゃんの指が俺の背中をなぞって、そっと抱き寄せられる。
体は密着してるのに、心はどこかすれ違ってるんだ。
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行為のあと、ころちゃんは俺の頭を撫でてそのまま寝息を立て始めた。
すっかり慣れた腕の中なのに、今日はなかなか眠れなかった。
好きだよ。ころちゃん。
ずっと言えないまま、何度も抱かれてる。
「ころちゃん…俺の事、どう思ってる?」
眠る彼に届かない声で、呟いた。
もちろん返事は無い。
窓の外が、少しずつ白んできた。
また朝が来る。
そしてまた俺たちは、他人みたいな顔してすれ違うんだろう
どうしようもないくらい好きだよ。ころちゃん。
コメント
2件
マイリスト失礼します🙇♀️