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八月目。
「乱歩さん、……」
探偵社で一人。
乱歩さんは先週から出張、国木田くんは依頼、敦くんは鏡花ちゃんとお出掛け、与謝野女医も依頼、賢治君はナオミちゃんと谷崎くんとご飯食べに行ってて、社長は何処かと会合。
皆居ない。
「寂しいです、乱歩さん……」
がちゃ、と扉が開かれる音。
「ただいま、太宰。」
「、乱歩さん…」
何時も閉じている目が開いている。
翠色に見つめられて、少し動揺する。
透き通った翠色。
綺麗で、それでいて_____
「太宰、無理しなくていい」
「……ありがとうございます、」
貴方は、まるで海の様。
広い器、綺麗な瞳、一時我儘で。
そんな貴方が大好きでした。
きっと貴方が私に抱いている感情は“同情”。
きっと“愛情”じゃない。
もう、愛情を抱いてはくれないのですね。
きっと私は、ここにいない方が__